ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
介護・看護・リハビリ 2020-08-13

【今さら聞けない!? 介護のお仕事の基本 vol.9】他のヘルパーの悪口を言ってくる利用者には、どう対応する?

サービスの幅も広く、利用者の背景や状態も様々な介護職。日々の業務で起こることも様々です。「こんな時どうしたら…?」と困ることもあるでしょう。当企画では、そんな疑問の解決法をご紹介。今回は、訪問介護先で利用者から同僚の悪口を聞かされた場合の対処法を取り上げます。

「あのヘルパーさん、××なのよ」他のヘルパーの悪口を言ってくる

訪問介護を利用して5年になるKさん。ヘルパーの退職といった事業所の都合で、何度か担当が変わることがありましたが、いつも快く受け入れてくれました。そんなKさんを新しく担当することになった新人ヘルパーの困りごとです。

ある日のこと、「もう慣れましたか?」と優しく聞いてくれたKさん。「はい。おかげさまで慣れてきました。先輩方が丁寧に指導してくれるので、安心しています。」と答えると、「ホント? ○○さんには気をつけなさいよ。あの人、優しそうに見えて、ここだけの話、陰で悪口を言っているのよ。」と言われました。追い打ちをかけるように「あなたの悪口を言っていたわよ。」とも…。

この場合、新人のヘルパーに親切心でアドバイスしてくれているのかもしれないし、ストレス発散などのために興味本位で人間関係をかき乱そうとしているのかもしれません。真に受けて、職場や介護の仕事が嫌になってしまわないよう、どう対処するのがよいのか、考えていきましょう。

ポイント1:「そうなんですか?」と疑問形で答え、事業所に持ち帰る

人間関係に波風を立てようとするトラブルメーカーは、どこにでもいるものです。利用者も例外ではありません。まずは、真に受けずに、事業所に持ち帰りましょう。「そうなんですか? みんなに聞いてみますね。」など、曖昧な疑問形で返しておくと、同意・同調したと思われにくく無難です。相槌は、同意・同調したと受け取られかねず、今度は「あの新人ヘルパーさん、○○さんの悪口言っていたわよ。」となりかねないので要注意です。

ポイント2:事業所内で事実確認をとる

Kさんの言っていたことが事実でなければ、Kさんは困ることになりますが、チームワークを感じてもらう良い機会になります。逆に悪口が事実であれば、チームワークを乱す行為な上、そこに利用者を巻き込んでいることになります。Kさんには、お礼と不快な思いをさせたお詫びをしましょう。悪口を言ったとされる当人には、お互いに仕事がやりづらくなるので、そのような行為はやめるように提案しましょう。入職したばかりで本人に直接聞きづらい場合は、管理職に報告し指導をしてもらいましょう。

「トラブルメーカー」に対応するときの2つの心得

1.人の噂話は感情的に判断しない
2.噂話に乱されないのは、より良いチームワーク

悪口を言ったり、批判をしたりする人の多くは、認められたい、気を引きたい、分かってもらいたいという思いを抱えています。中には、相手を認められない、認めたくないというライバル視的心理からくるものもあるでしょう。前者と後者では、必要な対応が変わってきます。チームとしてより良いサービスを提供できるよう、上記2点を軸に対応するよう心がけるとよいでしょう。

文:細川光恵
参考:「ケアスタッフの言葉かけ接遇会話集」日総研出版

監修

中浜 崇之さん
介護ラボしゅう 代表/株式会社Salud代表取締役/NPO法人 Ubdobe(医療福祉エンターテイメント) 理事/株式会社介護コネクション 執行役

1983年東京生まれ。ヘルパー2級を取得後、アルバイト先の特別養護老人ホームにて正規職員へ。約10年、特別養護老人ホームとデイサービスで勤務。その後、デイサービスや入居施設などの立ち上げから携わる。現在は、介護現場で勤務しながらNPO法人Ubdobe理事、株式会社介護コネクション執行役なども務める。2010年に「介護を文化へ」をテーマに『介護ラボしゅう』を立ち上げ、毎月の定例勉強会などを通じて、介護事業者のネットワーク作りに尽力している。

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事