【介護○×クイズ Vol.16】「社会学」の基礎知識を出題! 社会福祉士の基本問題5
社会福祉サービスの需要が増えつつある昨今、社会福祉士への期待がますます高まっています。当企画は、これから社会福祉士を目指す方に役立つ○×クイズをご用意。今回は、「社会学」の科目から「社会変動の代表的な理論」に関する問題をピックアップしました。
社会福祉士向け ○×クイズ 5問
まずは「社会変動」から問題
【第一問】コントは、人類の知的進化の法則を立て、人間精神は形而上学的段階から実証的段階の二段階を経て進歩すると考えた。
正解は……
【解答】×
【解説】「実証哲学講義」を著し、19世紀にフランスで活躍したオーギャスト・コントは、社会学を実証哲学と位置づけた祖。実証哲学とは、「実証主義」に基づく哲学で、経験的事実に基づいて実証できる認識以外を否定する考え方。
人間精神が、神学的、形而上学的、実証的に変化した結果、人間が営む組織も軍事型、法律型、産業型へと変化したとする「三状態の法則」を唱えた。
続いては「デュルケムの理論」をおさらい
【第二問】デュルケムは、異質な個人の分業による有機的な連帯から、同質的な個人が並列する機械的連帯へと変化していくと考えた。
正解は……
【解答】×
【解説】デュルケムはコントやスペンサーの後に登場した、第二世と言われる社会学者。「社会分業論」の中で、近代の産業社会では社会を構成する全ての成員の個人的意識が同じ類型であることで生じる「機械的連帯」で人々が繋がっているのに対し、近代社会では社会を構成する成員各自が異なった機能ないし役割を負担し、相互依存関係から生じる「有機的連帯」へ変化していくと唱えた。
次は「経済的アノミー」とは?
【第三問】市場の無規制的な拡大で、人々の欲望が他律的に強化され異常に肥大化していく中で、消費の焦燥感や挫折感、幻滅などが生じることを経済的アノミーという。
正解は……
【解答】○
【解説】デュルケムは、経済的繁栄によって人々の欲望が過度に肥大化し、どこまでいっても満足できないアノミーに陥り、それが焦燥感や幻滅などをもたらすと考えた。
続いて「スペンサーの理論」について
【第四問】社会進化論では、近代社会への移行を産業型社会から軍事型社会への進化であると捉えた。
正解は……
【解答】×
【解説】ハーバード・スペンサーの社会進化論は、個人を抑制する軍事型から個人間の自由競争である産業型へ移行すると考え、社会的ダーウィニズムの源流となった。社会が有機体と同じように単純で同質的なものから複雑なものへと変化していくと考えた。
最後は「ヴェーバー」の基礎知識!
【第五問】カリスマ的支配とは、非日常的な資質の持ち主によって成立する支配体制である。
正解は……
【解答】○
【解説】カリスマ的支配はマックス・ヴェーバーによって提唱された個人のパーソナリティによる支配のこと。歴史的考察から支配を伝統的支配、カリスマ的支配、合法的支配の3つに類型化した。
文:長井まき
参考:
「2020年版 ユーキャンの社会福祉士 これだけ!一問一答&要点まとめ」ユーキャン自由国民社
「福祉教科書 社会福祉士・精神保健福祉士 完全合格テキスト 共通科目 2021-2022年版」翔泳社