【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.16】Re.Ra.Ku 山田温子さんがセラピストを目指したきっかけ
「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
今回は、リラクゼーションコンテストジャパン2019でグランプリを受賞した「Re.Ra.Ku 西武新宿ペペ店」のセラピスト・山田温子さんにインタビュー。ウェディング業界からの転職でセラピストになったという山田さんに、セラピストになったきっかけから、これまでの道のりを教えていただきました。
教えてくれたのは…
「Re.Ra.Ku西武新宿ペペ店」セラピスト 山田温子さん
専門学校卒業後、ウェディング業界にて3年勤め、2015年 株式会社メディロムに入社。セラピストとして技術・接遇を追求し、「リラクゼーションコンテストジャパン2019」でグランプリを獲得。お客様に寄り添った提案と施術で人気を集めている。
祖母のケアをすることが目標のひとつでした
―まず、山田さんがセラピストを目指したきっかけを教えてください。
もともと接客業に就きたいと考えていて、卒業後はウェディング関係の仕事に就職しました。3年くらい働いていたんですが、祖母が認知症になったことがきっかけで、セラピストの道を考えるようになりました。人が笑顔になる瞬間が好きで接客業を志したんですが、もっと身近な人、目の前にいる方の笑顔を、自分のチカラで生み出すことができないかな、という気持ちが大きくなったんです。祖母のケアもできたらいいなという気持ちもありました。
―「Re.Ra.Ku」に入社してから、現在に至るまでの道のりを教えてください。
入社したら、まずはカレッジと呼ばれる研修施設に通って、接遇スキルや技術の研修を受けます。そこで初めて、ボディケアというものを学びました。人の身体に触れて施術するということ自体、初めてでしたので、最初は正直どこがどこなのか(笑)。どこが筋肉でどこが骨なのかとか、手探りで震えながらやっていました。
カレッジで、さまざまな講義を受けてテストに合格できたら、入店認可がいただけて、そこで初めて店舗に配属されるようになります。店舗配属までは、平均的には1カ月くらいでしょうか。私は割と苦戦したほうで、1カ月半くらいかかりました。
―研修中、一番難しかったのは?
施術とお客様との会話を同時にするところですね。とくにテスト前は緊張してしまって…。先生にチェックされていると、手技に集中してしまって、どうしても会話ができなくなったり。そうなると減点の対象になってしまうんです。自然にトークしながら、お客様の悩みに寄り添いつつ、手もしっかり動かす。そこが最初は難しかったですね。
―入店後は、どんな風に過ごされていましたか?
入店後は、気づいたら5年経っていたと言いますか…。日々のお客様との関わりが楽しくて(笑)。セラピストの仕事って完成がないというか、満足しないんですよね。もっともっと上手に施術できるようになりたいと思いますし、指名してくださるお客様に、もっともっと喜んでいただきたいと思って、続けています。
「ふだんの自分」を出すことで獲得したグランプリ
―山田さんは、2019年の「リラクゼーションコンテストジャパン」のセラピストの部でグランプリを受賞されましたよね。何か特別なことはされたのでしょうか?
正直、練習段階では、「自分のよさをアピールしよう」という気持ちで、審査員のことをすごく意識していたんです。こう見られたいとか、こういう接客をしている私を見てもらいたいっていうところにフォーカスしてしまって、目の前のお客様のことを考えられていなかったんですね。これではダメだなと思って。ファイナルのステージでは、審査員の存在は意識せずに、目の前のお客様に店舗にいるときと同じように接することを心がけました。
―ステージ上で普段通りにするのは難しそうですね。
そうですね。でも、コンテストの意義として、店舗で普段どういう接客をしているかっていう、普段の自分を評価してもらわないと意味がないなと思って。ファイナル当日は、指名してくださるお客様も見に来てくださったんですよ。だから、「いつもと全然違うじゃん」と言われてしまったら困りますしね(笑)。演じるのではなく、初心に帰って、いつも指名してくださるお客様を想像しながら取り組みました。おかげで緊張感もなく、肩の力を抜いて、普段通りの自分を見せられたんだと思います。
その結果、グランプリをいただけたので、これまでの自分を評価していただけたようで、とても嬉しかったですね。
―では、普段どのような働き方をされているか、教えてください。
私の場合は、タイ古式コースの施術が多く、おひとり当たりの施術時間が長いので、3~4名くらい施術したら1日終わってしまう感じですね。
朝は7時くらいに起きて、ゆっくり支度を整えて9時ごろ家を出ます。夜も、家に着くと21時くらいで、そこから夕食や入浴などをして24時には寝てしまいますね。
店舗での施術がないときは、定期的にカレッジに足を運んでいます。入店後の研修が充実しているので、技術の再確認はもちろん、知識を得たり、接客上の悩みを相談したり。親身に聞いてくださるので、とても心強いです。
普段の接客の様子を評価され、大きな賞を獲得した山田さん。お話しされているときの様子から誠実さと明るさが感じられ、リピートのお客様が多いことにも納得しました。次回は、山田さんがセラピストとして働くうえで感じたこと、これからセラピストを目指す人たちへのアドバイスをお届けします。
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.16】Re.Ra.Ku 山田温子さんが伝えるセラピストの魅力とは>>
取材・文/山本二季
撮影/片岡 祥