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ヘルスケア 2024-06-22

オリジナル施術の開発で人気に!講師業も好調【もっと知りたいヘルスケアのお仕事 Vol.145 セラピスト 土持美穂さん】#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

「Care Salon Meets」のオーナーであり、「ゆるかっさ®」の考案者として施術や講師業に大忙しの土持美穂さん。会社員ではない働き方を目指したときに、絶大な効果のあった「かっさ」の施術を思い出しセラピストの道に進んだといいます。

後編では、コロナ禍の学び直しの過程で生み出した、土持さんの代名詞でもある「ゆるかっさ®」についてや、講師業を始めたきっかけについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
土持美穂さん

「40代キャリア女性が 毎日、機嫌よく働ける ココロと身体のデトックスサロン」をテーマにした女性専用のサロン「Care Salon Meets」オーナー。

「ゆるかっさ®」を考案したセラピスト。「ゆるかっさ®」のセラピストスクールやインスタ集客のレッスンも開講している。

Care Salon Meets

「ゆるかっさ®」セラピスト養成スクール

Instagram

学び直しのタイミングで「ゆるかっさ®」を考案!

「『ゆるかっさ®』は時間があったコロナ禍だったからこそ生まれた施術かも知れません」

――土持さんが考案した「ゆるかっさ®」について教えてください。

東洋医学のひとつの手技である「かっさ」をもとにした施術です。「かっさ」というのは、専用のプレートを使って皮膚をこする手技です。かっさプレートでこすることで毛細血管に圧が加わり、老廃物が皮膚表面に赤い痕となって浮き出てきます。これを「痧(さ)」と呼ぶのですが、「ゆるかっさ®」は「痧」を出すことだけを目的としていません。

一般的に「かっさ」は、痛みを伴うことがあります。筋肉のコリや血流が悪いことで痛みを感じやすくなるのですが、「肩こりが辛い」、「疲れをなんとかしたい」とお越しくださるお客様に、更に痛みを我慢させるのが本当に嫌だったんです。

でも「かっさ」のデトックス感は他のどんなマッサージに比べても高いと思っているので、その効果は損ないたくなかったんです。そこでデトックス感はそのまま、一般的な「かっさ」の痛みを軽減してより深いリラクゼーションを提供することができる「ゆるかっさ®」を考案しました。

――どのように「ゆるかっさ®」を思いついたのですか?

お客様の「痛い!」というお声をなんとかしたいと、常日頃考えていたんです。そんななか、世の中はコロナ禍に突入。ある時、セラピストさんのインスタライブを見ていたら、ホットストーンについてお話をされていたんです。

それを見て「 『かっさ』の前にホットストーンをしたら痛みが軽減されるはず!」とピンときたんです。「かっさ」で痛みを感じる方は血流やリンパの流れが悪い方が多いんです。血流が悪いということは、リンパの流れも悪いということ。その状態でかっさプレートで体をこするので、刺激を感じやすいんですよね。ですから最初に、ホットストーンで身体を温めてから「かっさ」をしたらいいのでは?とひらめきました。

――そこからどのように施術を作り上げていったのですか?

ネットですぐにホットストーンを取り寄せました。調べてみるとホットストーンには、血流促進やリラクゼーション効果が期待できるとわかったんです

そこから手技の流れを考えて、友人の体を借りたり、常連のお客様にご協力いただいたりして実験を繰り返しました。施術後の体の経過も見てもらったのですが、「これまでの『かっさ』よりもリラックスした状態で施術が受けれらるのに、今までより”持ち”がいい」とご好評いただいたんです。「これはいける!」と思い、正式な施術のひとつとして取り入れることにしました。

今でも、お客様にとって、もっと心地よく感じていただけるには?と試行錯誤しながら、どんどんブラッシュアップしているんですよ!

今思うと、コロナ禍で時間があったからこそ生み出せた施術と言えるかも知れません。

――「ゆるかっさ®」のセラピスト養成スクールを開始したきっかけは?

マーケティングのレッスンを受けているときに先生から「美穂さんは『かっさ』のスクールはされないのですか?」とお声をかけていただいたんです。「まだ数年しかセラピストの経験がない私が講師をしたら、ベテランのセラピストさんに怒られてしまいます」と恐縮したところ「『スクールを開くのに◯年以上歴がないとだめ』という決まりはないですよね?」と言われて、はっとしました。

同時に先生がおっしゃった「美穂さんは『ゆるかっさ®』のエキスパートなのだから」という言葉も背中を押してくれ、「できるかも」と思えるようになり、講師業をはじめてみることにしました

――そんなエピソードがあったのですね。

前職で人事系の仕事をしていたときは、数十人の就活生の前に登壇するという経験もありました。それ以前にも、数百人の前に立つこともありましたが、あまり緊張をしないこと、人前で何かを説明することに抵抗がないという私の性格も相まって、「できなくはないな」という気持ちにもなっていきました。過去の経験もチャレンジに向けて背中を押してくれ、徐々にカリキュラムを整えて、生徒さんを募集するようになりました。

ライフステージにあわせて働けるのがセラピストの魅力

「セラピストはライフステージの変化があっても続けやすい仕事」だと、多くの働く女性を見てきた土持さんはいいます

――現在、土持さんが行っている「ゆるかっさ®」セラピスト養成スクールに入ったら、どんな流れで「ゆるかっさ®」を習得できるのですか?

まずは実際に「ゆるかっさ®」を体験していただきます。

その後、タオルワークやオイル塗布、ホットストーン、「かっさ」、リンパトリートメントまで施術に必要な技術をしっかりとカバーした内容をお伝えします。

完全マンツーマンレッスンなので、未経験の方でも安心していただけると思います。実は、これまでに出会ったセラピストさんの「グループレッスンは相モデルだから練習時間が短い」「1Dayレッスンは手軽だけど本当に身につくかは疑問」という声を参考にしたレッスンなんです

――実際のセラピストさんの声を反映しているというのは、すごくいいですね。

私のレッスンはかなり濃厚だと思います。もちろん技術だけではなく、カウンセリングや東洋医学などの座学もあるので、これからサロン開業を目指す方にも安心していただけるはず。この講座を受けていただくことで、90分の「ゆるかっさ®」をご自身のサロンで導入できますよ

実はこの他にも、リンパマッサージ、ドライヘッドスパ、インスタ集客、未経験の方向けの開業サポートなども行っており、セラピストとして開業を目指す人に伴走するコースも設けています

――土持さんが感じるセラピスト職の魅力を教えてください。

魅力はたくさんありますが、一番感動するのは施術後のお会計のときです。お客様が「ありがとう」と言ってくださるんです。私の仕事に対して「ありがとう」とか「今日も気持ちよかった」とダイレクトに感謝の気持ちを言葉にしていただけることがなにより嬉しいです。

またライフステージによって働き方を柔軟に変えられるという点も、魅力の一つだと思います。人材系の仕事をしていたときは、ライフステージの変化によってキャリアをストップしたり、保育園のお迎えなど子育てと両立できる仕事が見つからなくて苦労している方を多く見てきました。

セラピストとして独立していれば、出産や育児、介護などご家族や周りの状況、自分の体の変化に合わせて、働く場所や時間をコントロールできると思います。しかも、年齢やキャリアも関係なくいつからでもスタートできるという面もありますよ。

――講師業の魅力を教えてください。

生徒さんにも個性があるので、「どんな言い方をしたら、これができるようになるだろう?」と伝え方を考えて、工夫をこらせるところですね。できなかったことができるようになった生徒さんが喜んでいる姿を見るのはうれしいものですよ!

また私が「ゆるかっさ®セラピスト」を増やすことで私だけでは届けることができなかった遠く離れたお客さまに「ゆるかっさ®」の施術が届き、お客さまから頂戴する感想を目にすることは大きな喜びです。

――今後、セラピストとして独立を目指す人にアドバイスをお願いします。

一生勉強を続けましょう、ということですかね
あなたの施術を受けるお客さまが全員、「マッサージを受けるのがはじめて」なんてことはないと思うんです。これまでにどこかでマッサージを受けた経験があるお客さまがほとんど。マッサージが大好きで、あちこちのサロンに行っているというお客さまもいらっしゃいます。要は、「お客さまは目が肥えている」ということ。

そんなお客さまから指名をされ続けるためのコツがいくつかあります。これから勉強を始める人については、そのようなコツをはっきりと教えてくれるスクールを見極めて受講することをおすすめしたいです。

さらに独立をするということは、集客や経営も1年生ということです。技術はもちろんのことですが、技術プラスαのことを教えてくれる講座がおすすめです。
また技術力に磨きをかけることには終りがありません。一生ブラッシュアップし続けるためにも、学びにかかるお金や時間をしかるべきタイミングで惜しまないことが大切だと思います

――今後の展望を教えてください。

「かっさ」そのものを広げる活動をしていきたいと思っています

「ゆるかっさ®」を多くの人に知ってもらいたいという気持ちはもちろんありますが、現役セラピストさんのなかでも、まだ「かっさ」を受けたことがない人が大勢いるのが現状です。まずは多くの人に「かっさ」を体感していただいて、不調改善の一つのメニューとして「かっさ」があることを知ってもらいたいと思っています。その一環としてオリジナルの「かっさプレート」の発売も開始しました。

ゆくゆくは、「一家に一枚かっさプレート」が当たり前の世の中になったらいいなと夢見ています。セルフケアと言えば「かっさ」、風邪ひきそうになったら「かっさ」という感じが理想ですね。流行らせたいのではなく日常に溶け込めたらいいと思っているんです。

「かっさ」で血流ケアをして不調を寄せ付けない体がデフォルトになったら、世の中のみんながいつでもご機嫌で過ごせますよね。かっさプレートをいつでも持ち歩いて、肩がこったらかばんからサッと取り出してマッサージする、なんて光景が日常になったらいいですね。

土持さんが未経験からセラピストとして活躍をした3つのポイントとは?

1.教えていただいたことは素直に受け入れ、アレンジせずに即実行する

2.常識や固定概念にとらわれず、講師業などの新しい事業にチャレンジした

3.お客様の声をもとに、痛みを軽減してリラクゼーション効果を高める、オリジナルの施術を生み出した

Information

Care Salon Meets
住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目8-6 サカエビル4F

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