【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.10】Chura La Mana井田真由美さんの手技&技術をお届け!
ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
自身で立ち上げたサロンChura La Mana(チュララマナ)にてハワイの伝統的な施術であるロミロミやヨガを行い、お客様の心と体を健康へと導いている井田真由美さん。そんな井田さんに、前回はお仕事の魅力や成功するためのアドバイスをお聞きしました。今回はサロンのコンセプトや、井田さんの手技・技術にフォーカスしてお届けします。
お客様の希望を伺った上で、ぴったりのメニューを提案
―Chura La Manaのコンセプトを教えてください。
Chura La Manaでは、お客様の潜在意識を引き出し、本来の自分へと戻ってもらうことを目指しています。そのために必要な「自然」との調和ができる場所としてサロンを提供しています。そのツールとしてヨガ、ロミロミ、カードを用いた施術を行っています。
店名も、お客様の心と体を太陽のように美しく導いていけるような場所にしたいという思いを込めて、私自身がたくさんのエネルギーをもらえると感じている沖縄とハワイの言葉を組み合わせて名付けました。Churaは沖縄の方言で「美しい」、Laはハワイ語で「太陽」、Manaもハワイ語で「物にはエネルギーが宿っている」という考えを表しています。
―Chura La Manaのメニューを教えてください。
サロンでは主に、ロミロミ、ヨガ、アロマテラピー、ヒーリング、ハワイアンカードを用いたセッションを用意しています。
ロミロミとは、ハワイで伝統医療として受け継がれてきた施術のことをいいます。触って施術するだけでなく、一人一人に必要な自然からのエネルギーを整えながら、滞った体の流れを良くして癒しへと導く施術になります。
ヨガでは、ポーズをとることで肉体を整え、呼吸法で自然からのプラーナを取り入れて気の流れをスムーズにしていきます。なかでも寝たままの姿勢で行う「ヨガニードラ」は、不要な執着を手放し、魂の周りを取り巻いているものをクリアにできる、浄化と癒しのヨガになります。まどろみ(顕在意識を潜在意識に落とし込みやすい状態)を保ち、私の声を聞きながら自分の体を隅々まで感じていくことで、起こしたい変化、本当になりたい自分への気づきを得ることを目指しています。気の流れもスムーズになるので、体の不調を和らげたり、質の高い睡眠の効果も期待できます。
―サロンでの施術の流れを教えてください。
まずはカウンセリングでお客様の心と体の状態を確認し、施術時に使用する香りを一緒に選んでいきます。その後、ご予約いただいたメニューを基に、カウンセリングから見極めたお客様の状態に合ったメニュープランを提案しています。一人一人によって癒され方が違うことは身をもって体感しているので、サロンのメニューは自由に選べるようにしています。
施術を行なった後は、カラーカードを用いてヒーリングを行います。お茶を飲みながらお客様が選んだカードの意味をフィードバックさせていただいています。
井田さんが伝授! お月様のサイクルに合わせて行うヨガポーズ
陰性の質を持つ女性の体は、同じ質である月に影響を受けているため、サロンでは月のサイクルに合わせたポーズを教えています。新月が終わり満月にむかうときは、集中力を高めたり、アイディアを蓄える準備期間になるので、心と体を安定させるポーズが効果的です。
ヴリクシャーサナ(木のポーズ)
1. 両足を拳一個分開けてまっすぐ立ちます。右脚を曲げ、足裏を左脚の内ももにのせます。片足でしっかりとマットをとらえて、目線を定めます。安定したら胸の前で合掌します。
2. 1の状態のまま腕を天井に伸ばし、背筋を伸ばします。肩周りから下腹部までがすっと引き伸ばされる感覚を意識しましょう。自身のタイミングで反対の足も同様に行います。
ヴィーラバドラーサナⅠ(英雄のポーズⅠ)
1. 右脚を脚一本分程度後ろに開き、後ろ脚のつま先を斜め45度程度外側に開きます。前脚は、つま先が正面を向くようにして足を踏み込みます。
2. 前脚の膝を90度に曲げます。このとき膝がつま先よりも前に出ないようにし、上半身はまっすぐな姿勢を意識しましょう。
3. 2の状態をキープしたまま、半円を描くようにして両手を上げていきます。そのまま無理のない程度に胸を引き上げましょう。
ヴィーラバドラーサナⅡ(英雄のポーズⅡ)
4. 下半身は3の状態をキープしたまま、骨盤をマットの右側に向けます。床と平行になるように両腕を左右に伸ばし、顔を左手の方向に向け、呼吸を落ち着けて力強くポーズをキープします。反対側も同様に1~4の流れを行いましょう。
満月から新月に向かうときは浄化の時期となり、女性は股関節まわりに水が溜まりやすくなるので、デトックスを促す浄化のポーズを行うのがおすすめです。とくに就寝前に行うことで、より効果を感じやすくなります。
ウッターナーサナ(立位の前屈)
1.マットの前側に立ち、両脚を骨盤幅に開きます。股関節から上半身を折りたたむように前屈し、膝を曲げて頭と肩の力を抜きます。
アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)
2. 1の状態から両手をしっかりマットにつけます。両脚を一歩ずつ後ろに下げ、骨盤幅に広げます。お尻を高い位置に引き上げ、目線を膝の間へ向けます。肩甲骨は平らに保ちましょう。
エーカパーダラージャカポタアーサナのバリエーション(眠った鳩のポーズ)
3. 2の状態から右膝を曲げて自分の胸に近づけ、眠った鳩のポーズの脚のポジションを作っていきます。4. 右膝を外側に向け、脛と足の甲をマットにつけます。左脚は後ろに引き、つけ根からつま先までを真っ直ぐに伸ばしましょう。両手をマット幅に広げ、上半身を起こします。
5.両肘を徐々に曲げ、背骨がまっすぐになっている意識を保ちながら、ヘソの下から上半身を前に倒していきます。両手を重ねておでこをのせ、ゆっくりと呼吸の音を感じましょう。6. 両手をしっかりマットにつけます。両脚を一歩ずつ後ろへ下げ、骨盤幅に広げます。お尻を高い位置に引き上げ、目線を膝の間へ向けます。肩甲骨は平らに保ちましょう。反対の足も同様に3~6の流れを行いましょう。
自分に適した方法をアドバイスしてもらいながら心身ともに健康へと導いてもらえるのは嬉しいですね。伝授いただいたヨガのポーズもお家での空き時間に是非実践してみてください!
▽#1はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.10】Chura La Mana 井田真由美さんがセラピスト&ヨガインストラクターを目指したきっかけ>>
取材・文:小沼奈央(レ・キャトル)
撮影:岩田 慶(fort)
教えてくれたのは…
セラピスト&ヨガインストラクター 井田真由美さん
事務員として勤務していたときに体と心に不調を感じるようになったことがきっかけで、精油やアロマに関する勉強を始める。その後、人の体質に合わせたケアをしたいと考えるようになり、アーユルヴェーダ(インドの伝統医療)を学び、アロマの販売職に転職。アーユルヴェーダの理論を基にお客様の体質を見極めながら商品の販売を行う傍ら、店内でのワークショップの開催や、フェイシャルエステのプチサロンを担当するなど幅広く携わる。販売職を退職した後、ヨガとロミロミのライセンスを取得。都内のコークリエーションスペースにてヒーリングを用いたヨガやオイルトリートメントの施術を約1年間行う。独立し、Chura La Manaを立ち上げる。