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特集・コラム 2022-09-30

社会福祉士国家試験の難易度って?合格率やその他の試験との比較、合格に必要な3つのコツを解説

社会福祉士を目指しているけど、実際の合格難易度や合格に必要なポイントや必要な教材について、知りたいと考えている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、社会福祉士国家試験の難易度や実際の合格率、合格率が低い原因や合格するためのコツについて紹介します。
社会福祉士の仕事に興味があって、国家試験の実際の難易度や合格率、対策方法について知りたい方は、参考にしてみてください。

社会福祉士国家試験の合格率や難易度とは?


社会福祉士国家試験の合格に備えて勉強するなら、実際の試験の合格率から、合格難易度について知っておくことが大切です?

この章では、2022年に実施された最新の試験結果をもとに、実際の試験の合格率や合格難易度についてみていきましょう。

【2022年最新版】社会福祉士国家試験の合格率とは?

2022年に実施された「第34回社会福祉士国家試験」の試験結果によれば、受験者数は34,563人、合格者数は10,742人で合格率は31.1%でした。

直近5年間で実施された試験の合格率をまとめると、以下の表のようになります。

このように、近年の社会福祉士国家試験の合格率は、30%前後で推移していることがわかります。以下では、性別・受験資格別・年齢別の合格者比率を見ていきましょう。

男女別の合格者の比率は?

第33回・34回の男女別の試験合格者の比率を見てみると、以下のようになります。

全体的に見て、女性受験者の方が合格率が高く、男性受験者の受験者は合格率が低いことがわかります。また、女性受験者数が男性受験者数よりも2倍以上多い点にも注目です。

受験資格別の合格者の比率は?

合格者を受験資格別に区分して試験合格者の比率を見てみると、以下のようになります。

直近の2回分の試験結果を見てみると、福祉系大学卒業者の方が、養成施設卒業者よりも試験合格率が高いことがわかります。福祉系大学でしっかりと勉強して、プラスアルファで試験勉強をすれば、試験に合格する可能性は高いといえるでしょう。

年齢別の合格者の比率は?

年齢別に見た場合の試験合格者の比率は、以下のようになります。

このように、30歳までの受験者の合格率が高く、その次に41歳〜50歳の受験者の合格率が高くなっています。51歳以上になると、極端に合格率が下がるのが特徴です。

社会福祉士国家試験の合格を目指すなら、50歳までに受験した方が合格しやすいということがデータを見るとわかります。

その他の福祉系資格と比較した場合の合格難易度は?

社会福祉士国家試験の難易度を、その他の福祉系資格と比較すると、以下の表のようにまとめられます。

このように、社会福祉国家試験は合格が難しい部類の福祉系資格であることがわかるでしょう。そのため、しっかりと試験勉強の計画を立てて、合格に向けた効率的な勉強を確立していく必要があります。

150点満点の試験で60%以上の得点が合格条件

社会福祉士国家試験は150満点で、60%を超える90点以上の得点で合格できる試験です。ただし、18科目の問題のうち、各科目で1点以上得点していることが合格の条件となっています。

また、問題の難易度によって調整された点数で合格点を得点しなければいけない点に注意が必要です。つまり、60%ギリギリの得点だと、問題の難易度によっては合格基準点に届かないケースも考えられます。

試験科目は以下の18テーマです。

1.人体の構造と機能及び疾病
2.心理学理論と心理的支援
3.社会理論と社会システム
4.現代社会と福祉
5.地域福祉の理論と方法
6.福祉行財政と福祉計画
7.社会保障
8.障害者に対する支援と障害者自立支援制度
9.低所得者に対する支援と生活保護制度
10.保健医療サービス
11.権利擁護と成年後見制度
12.社会調査の基礎
13.相談援助の基盤と専門職
14.相談援助の理論と方法
15.福祉サービスの組織と経営
16.高齢者に対する支援と介護福祉制度
17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
18.就労支援サービス
19.更生保護制度

このように、幅広いテーマで満遍なく得点する必要があるので、合格率が31.1%と試験合格のハードルが高い試験となっています。

社会福祉士国家試験の合格率が低くなる3つの要因


社会福祉士国家試験の合格率がその他の福祉系の資格と比較しても低いのは、以下の3つの理由が考えられます。

1.出題範囲が広い
2.集中して勉強時間を確保する必要がある
3.モチベーションを維持するのが難しい

試験合格が難しい理由について知って、どのような点に注意して、試験合格を勝ち取るべきかを考えてみましょう。

1.出題範囲が広い

社会福祉士国家試験の難しさは、出題範囲の広さと満遍なく得点を取らなけらばならない点にあります。試験に出題される科目は18科目で、各科目で最低1点以上は得点しなければならないので、満遍なく勉強することが大切です。

また、全体平均で6割以上を得点しなければなりません。そのため、一部の科目に選択集中して試験勉強しても、合格が難しいのが合格率の低い原因だといえます。

2.集中して勉強時間を確保する必要がある

社会福祉士国家試験に合格するためには、300時間程度の学習時間を捻出する必要があるといわれています。しかし、本業や学業で忙しい方は、なかなか300時間という勉強時間を確保するのは難しいでしょう。

このように、他の仕事や作業に時間を取られてしまうことで、集中して学習を継続することが難しいために、試験の合格率が低くなっていると考えられます。

3.モチベーションを維持するのが難しい

勉強時間を確保できない理由として、モチベーション維持が難しいことも試験の合格率が低くなっている原因です。

就職後に社会福祉士として活躍している自分の姿を思い浮かべながら、集中して試験勉強を継続できるように工夫することが大切だといえます。

社会福祉士国家試験に合格するための3つのコツ


社会福祉士国家試験に合格するためには、以下の3つのコツをおさえておきましょう。

1.中長期的な学習計画を立てて実践する
2.優先順位をつけてより重要なテーマを重点的に学習する
3.スキマ時間を有効活用して勉強時間を捻出する

社会福祉士国家試験に合格するのは難しいので、試験に向けた計画や効率的な勉強方法の実践が重要だといえます。試験に合格するための学習のコツを知って、詳細な学習計画を立ててみましょう。

1.中長期的な学習計画を立てて実践する

社会福祉士国家試験は、1年に1回しか実施されません。そのため、まずは受験を決断した段階から、試験実施日までに何時間学習できるのかを逆算します。

試験合格に必要な最低学習時間は300時間といわれていますが、毎日2時間勉強すれば月に60時間、5ヶ月間で300時間の学習時間を捻出できます。

そのため、半年後に社会福祉士国家試験を控えている方は、毎日最低でも2時間以上の勉強時間を確保しなければなりません。

このように、中長期での学習計画を立ててから具体的な科目の勉強を進めていくと、学習しなければいけない時間や量が明確になり、モチベーションを維持しやすいでしょう。

2.優先順位をつけてより重要なテーマを重点的に学習する

優先順位をつけてより苦手なテーマ、もしくは頻出するテーマについて重点的に学習することは重要です。

科目が多いとはいえ、試験問題には特定の傾向があります。よく出題されるテーマや問題を確実に得点できるようにすることで、試験合格にまた一歩近づけるでしょう。

3.スキマ時間を有効活用して勉強時間を捻出する

社会福祉士国家試験の勉強はある程度の長期に及びます。そのため、継続して学習するために、スキマ時間を有効活用するのがおすすめです。

電車移動の時間や授業の休み時間、休憩中のふとした時間に教材の内容を振り返ることが、試験対策として大切だといえます。

受験対策におすすめのテキスト&アプリを紹介!


社会福祉士国家試験の合格は、狭き門です。人によっては、どういう勉強の方法がベストなのかわからないこともあるでしょう。
合格を目指すなら、テキストでの勉強だけではなく、試験用のアプリも効果的に活用することが大切です。多くの教材のなかから、社会福祉士国家試験の受験対策におすすめのテキスト&アプリをご紹介します。

おすすめテキストを紹介!

社会福祉士国家試験用の対策テキストは、さまざまなものが販売されています。「どれを選べばよいのか迷う…」「人気のあるテキストを知りたい」という人のために、おすすめの2冊をご紹介しましょう。

『見て覚える! 社会福祉士国試ナビ2022』

社会福祉士国家試験の19科目が5つの領域に分類されており、整理された項目を見ながら効率的に覚えることができるテキストです。

イラスト、グラフ、図表、カラーが多用されているので、重要ポイントの把握や苦手科目を理解しやすい作りになっています。

『社会福祉士国家試験過去問解説集2022:第31回-第33回完全解説+第29回-第30回問題&解答』

第33回の社会福祉士国家試験問題を含め、過去5年間分の問題(計750問)が掲載されています。実際の試験でどのような問題が出題されているかを理解することで、対策も立てやすくなるでしょう。
本書では、第31~33回分の試験問題を選択肢ごとに詳しく解説しているだけでなく、法改正による最新の統計数値も掲載されているので安心です。

おすすめアプリを紹介!

テキストと一緒にアプリを上手く活用することで、社会福祉士国家試験の合格率を高めることができるでしょう。社会福祉士国家試験用のアプリはたくさんありますが、とくにおすすめのアプリをご紹介します。

【中央法規】社会福祉士合格アプリ2022過去+模擬+一問一答

過去3年間分の試験の問題・全選択肢が、科目ごとに収録されています。過去の出題傾向を分析して作られた模擬問題や、一問一答形式の問題集、さらに科目ごとの穴埋め問題など幅広い形の問題集で学ぶことが可能。
試験の出題傾向や現在の自身の実力を知りたい、また隙間時間や試験当日にさっと確認したいときにもおすすめのアプリです。

社会福祉士 国家試験&就職情報【グッピー】

過去5年分の問題・解答および解説が収録されています。付箋機能がついているので、気になる問題をチェックしておき、いつでも同じ過去問題を見直すことが可能。
年度、科目、キーワードで過去問題を検索することもできます。社会福祉士の就職情報も掲載されており、応募や問い合わせができるのもうれしいポイント。

社会福祉士の国家試験は難関! しっかりと計画的に試験勉強を進めよう


この記事では、社会福祉士国家試験の合格率や難易度、合格するための3つのコツやおすすめの教材・アプリを紹介しました。

社会福祉士国家試験は合格率30%で、他の福祉系資格と比較しても、合格するのが難しい部類に入る国家試験です。

合格に必要な最低勉強時間は300時間とも言われているので、計画的に学習計画を立てて、学習を継続することが合格するためには重要です。

試験日から逆算して、どのような優先順位で、どれくらいの勉強時間を確保するべきかを考えて、試験合格を目指して勉強をスタートさせましょう。

引用元
第34回 社会福祉士国家試験の合格発表について|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
第33回 介護福祉士国家試験の合格発表について|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
第24回 介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について|厚生労働省
第24回 精神保健福祉士国家試験の合格発表について|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
第34回 社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

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