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特集・コラム 2021-08-11

社会福祉士の需要は今後も高い? 社会福祉士を目指すにはどうすればいいの?

国家資格でもある社会福祉士資格の取得を考えている方は多いことでしょう。社会福祉サービスを提供するさまざまな施設で必要とされる社会福祉士に対しては、現状で多くの需要があり、その資格をもっていれば就職・転職活動でも有利となります。

一方で、職業としての社会福祉士の将来性について不安を感じている方も多いかもしれません。ここでは将来のことも含めた社会福祉士に対する需要と、社会福祉士になる方法についてご紹介します。

社会福祉士の需要は今後も高い? 将来性について解説!

2018年9月末の時点で、社会福祉士の資格登録者数は22万6,000人を超えています。これは社会福祉士という職業そのものが高い注目を集めており、多くの人が志望していることをあらわしているからでしょう。

一方で、将来的なことを考えたときに社会福祉士に対する需要が変化することに不安を感じるという方も少なくありません。ここでは、社会福祉士に対する現在の需要と、その将来性について解説していきます。

社会福祉士の現在の需要は|幅広い分野で活躍中

社会福祉士に対する需要について考える際には、その仕事内容についてよく理解しておくことが大切です。社会福祉士は社会福祉サービスをおこなう施設において、利用者との相談や各種調整などをおもな仕事とします。

また、勤務先の施設が多岐にわたるという点は社会福祉士ならではの大きな特徴です。おもなものとしては、高齢者向けの介護施設や児童養護施設、生活困窮者の支援施設、さらには少年院や一般企業なども挙げられます。

このことからもわかるように社会福祉士は多くの分野で活躍しており、社会全体での需要は非常に高い状態にあるのです。そのため、少なくとも当面のあいだ、社会福祉士は安定した職業でありつづけるといえるでしょう。

社会福祉士の将来性は|国家資格の価値は高い

社会福祉士として長期間働きつづけることを想定している方の場合、将来の需要についてもよく考えることが大切です。社会福祉士に限らず、特定の職業に対する需要は社会の変化や技術革新によって急激に需要が減少することもあるため、このことは就職・転職活動をする際にもよく考えなければなりません。

この点において、社会福祉士はそれ自体が国家資格であるということが大きなポイントとなります。国家資格は一般的な資格に比べて価値が高く、保有していることで長期間にわたり多くのメリットがあります。

そのため、あくまでも資格としての価値に重きをおいた場合に限られるものの、社会福祉士の将来性は高いと考えることが可能です。

介護における2025年問題とは|65歳以上の高齢者数が30%を超える

社会福祉士の将来性が高いといえる根拠としては、「2025年問題」とそれによる影響も挙げることが可能です。2025年問題とは「ベビーブーム世代」が2025年を境に後期高齢者となることと、それによって生じる影響のことで、おもに介護業界や医療業界において大きな影響がおよぶとされています。

また、2025年には高齢者数が3,657万人(全人口の約30%)におよび、2042年にピークを迎えることもわかっているのです。このことから介護・医療関係施設では人手不足がより深刻になるといわれており、社会福祉士にとっては活躍の場がより多くなると考えられるでしょう。

このことから、社会福祉士に対する需要は今後もさらなる増加の一途をたどることが想定され、職種としての将来性もより高まりを見せることが考えられます。

社会福祉士を目指すにはどうすればいいの?

今後も需要が増えつづける社会福祉士。国家資格であることから、取得することはかんたんなものではありません。しかし、しっかりと勉強を重ねながら必要な経験を積んでいけば、資格取得もじゅうぶんに可能です。

社会福祉士資格を取得するための方法は、ルートによって異なります。ルートは多数あると同時に複雑になっていることから、まずは自分にとって最適なルートを把握することからはじめるとよいでしょう。

つづいては、これらのことを踏まえたうえで社会福祉士になるための方法について解説していきます。

受験資格を取得して国家試験に合格しよう!

上述したとおり、社会福祉士の資格は国家資格となっています。そのため、この資格を取得するためにはいずれのルートを選択しても、最終的には国家試験に合格しなければなりません。

国家試験では受験資格が設定されているため、まずはその条件を満たすことが必須です。そのうえで試験に合格すれば、社会福祉士として働くことが可能となります。

社会福祉士の受験資格を取得するルートを解説!

社会福祉士になるためには、国家試験の受験資格を満たすことが最初の目標となります。この条件を満たすためには、上述したように複数あるルートのうちのいずれかを選択し、必要な経験を積まなければなりません。

この受験資格ルートはどれも複雑になっているため、必ず各々の規定をよく確認することが大切です。ここでは、それぞれの受験資格ルートの詳細を解説します。

短期養成施設・一般養成施設について解説

社会福祉士になるためのルートの多くで必要となるのが、短期養成施設、もしくは一般養成施設での必要科目の履修です。これらのうち短期養成施設とは、おもに通信で学習を進めていく専門学校のことを指し、9カ月程度の短期間で必要科目を履修していくこととなります。

一方、一般養成施設とは一般の大学などのことです。こちらは短期養成施設に比べて通学機関が長くなりますが、卒業と同時に受験資格を満たすことも可能です。

1. 福祉系大学・短大ルート|短期養成機関が必要なルートも

福祉系大学・短大ルートでは、在学中に必要科目の履修を済ませていることが絶対条件となります。4年制の大学の場合、卒業後6カ月以上の短期養成機関へ通えば、国家試験を受けることが可能です。

一方、短大で必要科目を履修した場合、別途相談援助実務経験を積むことが受験資格となります。経験期間は3年制短大の場合が2年、2年制短大の場合が1年となり、これを済ませたうえで短期養成機関へ通えば受験資格を満たすことが可能です。

2. 一般大学・短大+一般養成機関ルート

福祉系以外の一般大学・短大を卒業した方の場合、一般養成機関へ行く必要があります。このルートでは一般大学での通学年数によって一般養成機関での経験年数が変化するのが特徴です。

4年制大学の場合、卒業後すぐに一般養成機関へ通うことができますが、3年制・2年制大学の場合は、それぞれ1年間・2年間にわたって相談援助実務経験を積むことではじめて一般養成機関へ通うことが可能となります。いずれのルートでも一般養成機関で必要な経験を積めば、受験資格を満たすことが可能です。

3. 社会福祉主事養成機関+短期養成機関ルート

社会福祉主事とは福祉施設で福祉系業務に携わる公務員で、その養成機関である社会福祉主事養成機関と短期養成機関を利用することでも受験資格を満たすことが可能です。このルートの場合、社会福祉主事養成機関で基礎科目を履修後、相談援助実務を2年以上経験し、さらに短期養成機関で6カ月以上の経験を積む必要があります。

4. 実務経験+短期養成機関ルート

福祉系の職種において4年以上の実務経験を積んでいる方の場合、短期養成機関へ通うだけで受験資格を満たせます。このルートで対象となる福祉系の職種は、児童福祉士・身体障がい者福祉士・審査指導員・知的障がい者福祉士・老人福祉指導主事の5つです。

5. 相談援助業務+一般養成機関ルート

すでに相談援助業務に携わっている方の場合、一般養成機関で必要な経験を積むことで受験資格を満たすことができます。ただし、このルートでは相談援助業務の経験年数が4年以上であることが条件です。また、このルートの場合、養成機関は短期ではなく、1年以上通う必要のある一般であることも覚えておくとよいでしょう。

社会福祉士はこれからますます必要とされる職業!

高齢化などにともなって社会福祉の重要性が今以上に高まることが想定される我が国においては、社会福祉士への需要もより高まることが考えられます。このことから、社会福祉士は将来性の高い仕事であり、資格取得を目指す価値もじゅうぶんにあるといえるでしょう。

国家資格である社会福祉士資格を取得するには、国家試験に合格する必要があります。自身にとって最適なルートを見極めたうえで、まずは受験資格を満たすことを目標としつつ、勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 社会福祉士・介護福祉士等
厚生労働省 社会福祉士・介護福祉士等 ページ3:社会福祉士の登録者数の推移
厚生労働省 ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について
厚生労働省 今後の高齢化の進展~2025年の超高齢社会像~
厚生労働省 今後の高齢者人口の見通しについて
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格 短期養成施設・一般養成施設
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格 福祉系大学等
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格 一般大学等
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格 5職種の実務(査察指導員等)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験 受験資格 相談援助業務(実務経験)

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