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特集・コラム 2021-01-29

児童指導員になるには教員免許が必要なの? 教員免許なしでも目指せるルートを紹介

児童指導員というお仕事に興味があっても、実際にどのような仕事をするのか、そしてどうやって児童指導員になれるのかがわからないという方も少なくないでしょう。そもそも児童指導員になるためには、教師に必要な教員免許が必要なのでしょうか。今回は、養護を必要とする児童のために働きたいと思われる方に向けて、児童指導員になるための資格の有無や有効と思われる資格、そしてどのようなルートで児童指導員になれるかをご説明します。

児童指導員のお仕事をするには教員免許が必要なの?

児童指導員とは知的障害児や身体障害を持った児童、また家庭の事情により養護が必要とされる児童が入所する施設などのことで、子どもたちの育成、生活指導をおこなうのが仕事です。児童指導員は、厚生労働省が定めた職業となっています。子どもたちの生活に寄り添った仕事なので、子どもたちひとりひとりに合った、きめ細やかな指導、教育が求められるのです。まずは、児童指導員になるには教員免許が必要なのかを解説します。

児童指導員は任用資格! 教員免許取得は必須条件ではない

児童指導員になるためには、どのような資格が必要なのでしょうか。そもそも「児童指導員」という資格はありません。児童指導員になるためには、「任用資格」をえる必要があります。

任用資格をえるためには、大きくわけてふたつの方法があり、ひとつは学校教育法の規定による大学・大学院(短期大学を除く)で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻する学部・学科を卒業することです。次に、高等学校もしくは中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事することによって任用資格をえるといった方法となります。

つまり、教員免許取得は児童指導員になるためのひとつのルートではありますが、必ずしも必須条件ではありません。

教員免許取得で児童指導員になるルートとは?

小学校、中学校、高等学校教員免許を持ち、厚生労働大臣または都道府県知事から認定され、そして社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかを有する場合、児童指導員の任用資格をえることができます。

2019年4月より、「幼稚園教諭の資格を有するもの」も任用資格をえることができるようになりましたが、「保育士」は含まれていないので注意してください。

教員資格なしでも目指せるルートを紹介!

児童指導員になるために教員免許の取得は有効ですが、必須ではありません。それでは、教員資格なしで児童指導員を目指すルートには、どのようなものがあるのでしょうか。

児童指導員になるためには、教員免許ではなく児童指導員の「任用資格」をえることが必須です。ここからは、具体的に任用資格を得る7つのルートをご紹介します。

1. 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校、そのほかの養成施設を卒業する

児童指導員の任用資格を得るためには都道府県知事が指定する、児童福祉施設の職員を養成する学校、そのほかの養成施設を卒業する必要があります。具体的にいうと学校教育法の規定による大学・大学院(短期大学を除く)で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻する学部・学科の卒業が必要です。

また、地方厚生局長などが指定する、福祉系を専門とする養成施設を卒業した場合も、任用資格をえることができます。

2. 社会福祉士の資格を取得する

社会福祉士の資格を持っていると、児童指導員の任用資格をえることができます。社会福祉士になるためには、社会福祉国家試験に合格しなければなりません。

受験資格としては、福祉系の大学を出て指定科目、基礎科目を履修していることが条件です。ほかにも、社会福祉主事養成機関で修業し、相談援助実務が2年以上、一般大学を出て一般養成施設の課程を1年以上履修している必要があります。

3. 精神保険福祉士の資格を取得する

精神保健福祉士の資格を得ていると、児童指導員の任用資格をえられます。精神保健福祉士とは、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格のことです。

精神保健福祉士の国家資格を受験するためには、福祉系の大学で指定科目、基礎科目を履修、または一般大学を出たあと、一般養成施設の課程を1年以上履修していなければなりません。

4. 大学や大学院で、社会福祉学・心理学・教育学もしくは社会学を専修する学部や学科を卒業する

大学や大学院で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学部、学科を卒業すると、児童指導員の任用資格をえることが可能です。厚生労働省では、以下の規定を設けています。

・資格要件として社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学科を卒業するか、これに相当する課程を含め卒業したもの
・社会福祉学、心理学、教育学、社会学の学科で優秀な成績を修め大学院に入学を認められたもの
・大学院で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻する研究科、これに相当する課程を修め卒業したもの

5. 外国の大学で、社会福祉学・心理学・教育学もしくは社会学を専修して卒業する

外国の大学でも、日本国内の大学と同等に社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻し卒業したものであれば、任用資格の要件を満たすこととなります。国内のみならず、海外でえた知識や経験は、児童指導員として必ず役に立つはずです。

6. 高校もしくは中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事する

児童福祉施設の職員を養成する学校、そのほかの養成施設や大学、大学院、を卒業していなくとも、児童指導員の任用資格をえることができます。

高等学校、または中等教育高を卒業し、児童福祉事業に2年以上従事すれば、任用資格の要件を満たすことになるのです。また、高卒認定試験合格者も対象となります。

7. 3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣または都道府県知事から認定を受ける

高等学校卒業以上や、高卒認定試験合格者でなくとも、児童指導員の任用資格をえることができます。この場合、3年以上、児童福祉事業に従事し、都道府県知事の認定を受けることが必要です。

これらの要件を満たしたからといって、すぐに児童指導員になれるわけではありません。公的機関で働くのなら公務員試験を、私的機関で働くのなら採用試験を受けて合格して、はじめて児童指導員として働くことができるようになります。

児童指導員に興味はあるけど…需要は高い?

児童指導員は以下の場所で必要とされる仕事です。

・児童養護施設
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設
・福祉型児童発達支援センター
・医療型児童発達支援センター
・児童家庭支援センター
・情緒障害児短期治療施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・学童
・デイサービス事業所

少子高齢化と謳われている昨今、さまざまな理由で親に代わって保護者を求める子どもたちが増えています。子どもたちが健全に成長できるよう生活指導する仕事は、決して楽ではありませんが、やり甲斐のある仕事といえるでしょう。ここでは、児童指導員の将来性を需要の面から解説します。

子どもたちの生活を支援する、これからも必要されるお仕事!

子どもたちを取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。とくに家庭の問題を抱えた子どもたちをサポートする施設、人員が足りていないのが現状です。よって、どの地域においても児童指導員はつねに求められています。

21世紀、次世代を担う子どもたちの健やかなる生活を支援する仕事は、これからますます需要が高まるといってよいでしょう。

教員免許なしでもOK! 自分に合ったルートをチェックしよう

児童指導員は、決して楽ではありませんが、目標を持って働けるやりがいのある仕事です。子どもが好き、子どもの相手をするのが得意な人に向いた仕事といえるでしょう。

教員免許の代わりに、専門の知識を学ぶ養成学校を卒業することや大学で専門的な学びを得て、社会福祉士、精神保健福祉士といった専門的な資格を取得することで任用資格をえることができます。

児童指導員の任用資格をえるためには、必ずしも高学歴でなければならないということはありません。任用資格をえるために実務面での実績を積めば、児童指導員になることができます。自分に合ったルートで児童指導員の任用資格取得を目指しましょう。

参照元:
厚生労働省職業情報提供サイト「児童指導員」
愛媛県
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」

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