ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2021-02-02

児童指導員は保育士でもなれる? 保育士から児童指導員を目指す方法とは

子どもを相手にする職種としては「保育士」が有名です。一方で「児童指導員」の仕事でも子どもに接することから、その仕事内容は保育士の仕事とも大きな関係があります。そのため、保育士から児童指導員になることを考えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、この児童指導員という職種の特徴について幅広く解説していきます。

児童指導員は保育士でもなれる?

単刀直入にいうと、保育士から児童指導員になることは可能です。しかし、そのうえでは定められている条件を満たす必要があります。たとえば今まで保育士として働いていた人がふとした思いつきで児童指導員になりたいと考え、すぐに転職活動をはじめても児童指導員として採用してもらうことはできません。

このことから、保育士から児童指導員を目指す場合、満たす必要のある条件を把握しておくことが大切です。ここではそれらの条件も含め、「保育士から児童指導員になるのは可能か?」について解説します。

児童指導員は任用資格|資格取得のための試験がない

保育士が児童指導員になるためには資格を取得する必要がありますが、この資格は厳密にいうと「任用資格」に指定されているのです。任用資格とは取得しないとその職種に就くことができない資格のことで、その指定は厚生労働省がおこなっています。よって、児童指導員になるためには、児童指導員の資格を取得することを最初の目標とする必要があるのです。

通常、なんらかの資格を取得する際には試験に合格する必要があり、この点は保育士に関しても同様です。しかしながら、児童指導員の資格に関しては試験が存在しません。後述する条件を満たしたうえで厚生労働大臣、もしくは各都道府県へ申請をおこない、それが受理されると資格を取得することができます。

試験が存在しないというと、「かんたんに取得できる資格なのでは」と感じるかもしれません。ですが、取得条件を満たすことは容易ではないため、児童指導員になることもかんたんではないと認識しておくのがよいでしょう。

保育士資格を取得するだけでは児童指導員にはなれない!

児童指導員の仕事は保育士の仕事と共通する部分もありますが、保育士の資格を持っているだけでは児童指導員として働くことはできません。よって、児童指導員への転職を検討されている保育士資格の保有者も、再度資格取得のための勉強などをする必要があります。

また、児童指導員を目指している保育士資格の保有者にとっては、「保育士の資格を持っていることで児童指導員の資格を取得するのがかんたんになるのかどうか」という点も気になることでしょう。

詳細に関しては後述しますが、保育士の資格は児童指導員の資格を取得するうえで必要な資格には指定されていません。よって、この点においても児童指導員を目指す保育士は新たな資格を取得するつもりで勉強などをする必要があります。

要件として認められている教員免許とは?

児童指導員になるための条件のひとつとしては、指定されている教員免許を取得していることが定められています。対象となる免許には小学校~高校までの教員免許があり、これらの免許をすでに取得している人であれば、児童指導員の資格を取得することもある程度かんたんになるでしょう。

また、2019年には幼稚園教諭の免許も対象の教諭免許に追加されました。よって、幼稚園教諭の免許も持っている保育士の方であれば、通常に比べて児童指導員になることも若干容易になるでしょう。

一方、これらの教員免許を取得するためには、大学などで必要な課程を受ける必要があり、現状で保育士として働いている方が新たにこれらの教員免許を取得するのは難しいかもしれません。よって、これらの免許を取得して児童指導員を目指すという方法は、あくまでも有効な手段のうちのひとつと認識しておいたほうがよさそうです。

保育士から児童指導員を目指すにはどうすればいいの?

すでに保育士として働いている方が児童指導員を目指す場合、現在の仕事との兼ね合いについてもよく考えながら必要な要件を満たす必要があります。上述したとおり、保育士として働きながら各種の教員免許を取得するのは容易ではありません。よりかんたんな方法で児童指導員の資格取得を目指すには、どうすればよいのでしょうか。

続いては、これらの点を踏まえたうえで児童指導員を目指す保育士の方にも推奨できる資格取得要件の満たし方について解説していきます。

実務ルートで要件を満たそう|児童福祉事業で2年以上の従事が必要

上述した対象となる教諭免許を取得する方法だけでなく、「実務ルート」を選択することでも児童指導員になることができます。
実務ルートとはかんたんにいってしまうと、実務に携わりながら経験を積むことで児童指導員の資格を取得できるというものです。保育士として働きながら児童指導員を目指す方にとっても最適なルートであるといえます。

実務に携わりながら児童指導員になるために必要な資格を取得する場合、高等学校卒業、もしくはそれと同等の学歴を持つ方は、2年以上の期間にわたって児童福祉事業に携わることが必要です。また、同様の実務経験を3年以上積めば、学歴に関する規定はなくなります。

ここでいう児童福祉事業とは児童福祉法が指定する福祉・養護関連施設などでおこなわれている事業のことを指し、それらの施設で所定の期間にわたって実務経験を積むことがこのルートで資格を取得するための条件です。

保育士と児童指導員を比較! 仕事内容や給与はどれくらい違う?

保育士から児童指導員への転職を考えている方のなかには、それによって仕事内容や給与にどのような変化が生じるのかを詳しく知りたいという方も多いことでしょう。これらふたつの職種には子どもを相手にするという共通点はあるものの、詳細な仕事内容には明確な違いがあります。

また、給与面でもふたつの職種には異なる傾向があることから、それらを理解したうえで転職活動をはじめるとよいでしょう。続いては、これらふたつの職種の仕事内容・給与について解説していきます。

どちらも子どもを相手にするお仕事だけど…仕事内容はどこが違うの?

児童指導員の仕事では、家庭の事情や障がいを持っていることなどを理由に児童養護施設などを利用している子どもを指導し、健全に成長することを促します。

これらの施設は子どもたちが生活の拠点としていることも多く、児童指導員は保護者の代わりとして子どもたちに接さなければなりません。したがって、あくまでも一時的な保育を職務とする保育士とは、この点で大きな違いがあります。

また、児童指導員がになう具体的な仕事内容には、子どもに接することだけでなく、生活指導計画の考案や子どもが通う学校との連絡、親権を持つ実の親との面接など、多岐にわたります。

それに加え、児童指導員が働く施設は多種多様に存在するため、勤務先次第ではその施設ならではの業務が発生することも珍しくありません。

年収はどれくらい違うの?

児童指導員の給与は月収で18~30万円程度となっています。正社員採用の場合、これに賞与が加算されることもあり、平均的な年収は230~380万円と考えるとよいでしょう。

一方、児童指導員の仕事には非正規のものも多く、それらのなかには給与が時給制となっているものもあります。平均的な時給に関しては地域によって差があるため一概にはいえませんが、最低時給+300円程度を基準として考えるとよいでしょう。

これに対して保育士の平均的な月収は20~35万円と若干高くなっています。これに賞与が加わることも考えれば年収は250~450万円程度となり、児童指導員と比較すると給与面での待遇は若干よくなります。

以上のことから、全体的に見て児童指導員の給与は保育士の給与より若干少ないといえるでしょう。

保育士から児童指導員を目指すなら実務経験ルートを!

現時点で保育士として働いている方が児童指導員を目指す際に有効なルートには、教諭免許を取得するルートと実務経験ルートのふたつがあります。働きながら資格取得を目指すのであれば、後者のほうが適しているといえるでしょう。

よって、保育士の方にとっては、児童福祉事業ができる職場を選び、実務経験を積みながら資格の取得要件を満たすという手順を踏むのが最適なルートとなります。

参照元:
厚生労働省職業情報提供サイト「児童指導員」
独立行政法人福祉医療機構
インディード

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの児童指導員求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄