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特集・コラム 2021-02-05

児童指導員は公務員資格なの? 公務員として勤める方法とは|児童指導員を目指せるルートを解説

児童指導員は児童養護施設などで児童の生活サポートなどをおこなう仕事です。この仕事に就くためには定められた資格を取得する必要がありますが、なかには公務員として勤務することとなる施設も存在します。今回は、公務員として児童指導員の仕事に就くための方法や就業条件を満たす上で有効なルートを確認しておきましょう。児童指導員を目指している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

児童指導員は公務員資格なの? 公務員として勤めるには?

児童指導員が働いている施設には、児童養護施設や児童相談所などが多いです。具体的には家庭の事情により、施設内で生活しなければならない児童や障がいを持つ児童のサポートをおこないます。

この仕事では児童の健全な成長をうながす必要があり、そのためには仕事内容のじゅうぶんな理解はもちろん、それにともなって必要となる専門的な知識を身につけることが不可欠なのです。ここでは、そんな児童指導員の資格が公務員資格に該当するのか否かについて解説します。

児童指導員は公務員資格ではない|任用資格

公務員資格とは公務員になるうえで必要な試験を受け、その合格者のみが取得することのできる資格です。公務員資格にはさまざまな職種に就くうえで必要な資格がありますが、児童指導員資格に関しては指定を受けていません。

これは児童指導員資格が任用資格に分類されているためであり、制度上は公務員資格を有していなくても児童指導員の任用資格さえ取得していれば、児童指導員として働くことは可能なのです。

公務員として勤めるには|公務員試験を受けよう!

児童指導員の勤務先には国や自治体によって運営されている施設が多いです。そのため、それらの施設で児童指導員を募集する場合、公務員資格を有していることが応募条件となるケースも少なくありません。

そのうえ、東京都のように児童指導員資格を有していることも資格要件に明示している自治体は多く、公務員と児童指導員のどちらかの資格を取得しているだけでは応募できないこともあります。そのため、児童指導員を志望している方は、必ず自治体の福祉職募集条項を詳細まで確認するようにすることが大切です。

地方公務員の一例|東京都 福祉(2類)

地方公務員の一例としては東京都の児童自立支援施設や児童相談所一時保護所、療育センターなどでの業務が該当する「福祉(2類)」の募集要項が挙げられます。この募集条項では資格要件に関して、児童指導員のほか、保育士や社会福祉士などの資格を有することが明示されているのです。

このような自治体では、児童指導員やそのほかの資格を取得していないと受験自体受けることができないため、応募する前に受験資格を満たさなければなりません。

公務員になったらどんなところで働くの?|児童相談所や児童養護施設

公務員資格を保有している人が児童指導員として働く際の勤務先は、公立の児童福祉に関連する施設がおもなものとなります。その一例としては、児童相談所や児童養護施設などが挙げられるのです。詳細な勤務先施設に関しては自治体や応募時期によって異なることがあるため、この点に関しても応募前に確認しておくようにしましょう。

児童指導員の資格要件を満たそう! おもなルートを解説

いずれの自治体に住んでいる方でも、児童指導員として働くためには資格要件を満たしたうえで採用試験に合格する必要があります。そして、多くの自治体では児童指導員の資格を保有していることを応募要件に定めていることから、まずはこの任用資格を取得することを最初の目標とするとよいでしょう。

一方、自治体によっては児童指導員資格だけでは公務員試験を受けられないこともあるため、必ず居住する自治体の募集要項を確認する必要があります。ここでは、このことも踏まえたうえで児童指導員資格を取得する方法をチェックしておきましょう。

1. 児童福祉施設の職員を養成する学校など、養成施設を卒業するルート

公務員として児童指導員の仕事に就くための方法には、養成施設を卒業するというものがあります。このような施設では福祉関連職の業務で必要な知識やスキルを身につけることができるだけでなく、応募条件に指定されることの多い資格を卒業と同時に取得することも可能です。

児童指導員資格に関してもこのような養成施設を卒業することで取得ができ、自治体によってはその後すぐに採用試験を受けられることもあります。

2. 社会福祉士の資格を取得するルート

公務員資格を取得したうえで児童指導員として働くには、社会福祉士の資格を取得するというルートも有効です。社会福祉士の資格は国家資格であることから、受験資格を満たしたうえで国家試験に合格すると取得することができます。

児童指導員の募集要項では資格要件として社会福祉士を定めていることもあり、この場合、児童指導員資格を取得していなくても受験をすることが可能です。社会福祉士資格は児童指導員以外の福祉関連職に就く際にも大きな強みとなることが多く、児童指導員を含む広義の福祉職に就くことを目指している方は取得を目指すのもよいでしょう。

3. 精神保険福祉士の資格を取得するルート

精神保健福祉士の資格も国家資格に認定されており、都道府県によって違いはあるものの、こちらの資格を取得しておくことでも公務員として児童指導員の仕事に就く際の資格要件を満たせることがあります。

精神保健福祉士の資格は所定の受験資格を満たしたうえで国家試験を受け、合格すると取得することが可能です。こちらに関しても、児童指導員を含む広義の福祉職に就きたいという方は取得を目標とすることをおすすめします。

4. 大学や大学院で、社会福祉学・心理学・教育学などを専修して卒業するルート

公務員の資格を取得し、児童指導員になる手段には、大学や大学院にて必要な課程を履修するというものもあります。この手段で児童指導員になるには社会福祉学や心理学などを履修する必要があり、その資格取得が可能であるかどうかは受験時に確認しておくことが重要です。

また、都道府県によっては指定科目を履修するだけで、児童指導員資格試験の受験資格を満たせることがあります。この点に関しても各都道府県の受験資格を確認しておくとよいでしょう。

5. 外国の大学で、社会福祉学・心理学・教育学などを専修して卒業するルート

福祉系の職種に関しては、日本国外の大学で指定された課程を履修することでも就職要件を満たせることがあります。この点は児童指導員に関しても同様であり、公務員として児童指導員の仕事に就きたいという方も、このルートがあることを知っておくとよいでしょう。

このルートで有効な学科には社会福祉学や心理学、教育学などがあり、児童指導員志望の方が国外の大学へ進学する際には、これらの学科がある大学を探してみるのがおすすめです。

6. 教員免許を取得して都道府県知事の認可を受けるルート

児童指導員には、教員免許を取得することでも就くことができます。このルートでは、教員免許を取得した人が各都道府県知事の認定を受けることで児童指導員として就職することが可能となっており、公務員として児童指導員の仕事に就きたいという方にとっても有効なルートとなるのです。

一方、このルートの場合、幼稚園から高校までの教員免許が対象となり、保育士は対象外となる点には注意が必要となることも覚えておくようにしましょう。

7. 実務ルート|高校もしくは中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事する

公務員として児童指導員の仕事に就くルートには、実務経験を積むというものもあります。このルートでは高卒、あるいはそれと同等と認められた人が2年以上にわたって指定の仕事にたずさわることで資格取得が可能となります。

ただし、児童指導員の募集要項では大学卒業以上の学歴を有していることが定められているケースもあり、この方法で資格を取った場合、そのような求人へは応募できないこともあるのが特徴です。

8. 実務ルート|3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣又は都道府県知事から認定を受ける

実務ルートで公務員として児童指導員の仕事に就く方法には、3年以上にわたって指定の児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣、または各都道府県知事の認定を受けるというものもあります。この方法の場合、学歴に関係なく資格取得が可能なため、高卒やそれと同等の学歴を有していない場合には、このルートを選ぶとよいでしょう。

ただし、このルートの場合も学歴を指定している求人への応募ができないため、就職・転職活動では若干不利になります。

自治体の募集要項をチェックして自分に合った方法で目指そう!

児童指導員は公務員資格ではなく、制度上は公務員の資格を有していなくても児童指導員として働くことが可能です。しかし、受験するために満たすべき条件は自治体によって異なり、勤務先によっては公務員資格が必要となることもあります。そのため、児童指導員として働くためには、いずれかの手段で資格を取ると同時に、自治体が発表する最新の募集要項をよく確認しておくことも大切です。

参照元:
厚生労働省 職業情報提供サイト 児童指導員
独立行政法人 福祉医療機構
東京都福祉保健局 福祉(2類)
神奈川県 福祉職の受験資格
国立障害者リハビリテーションセンター学院
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

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