【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか? vol.8】コロナ禍でもお子さんに楽しんでもらうためにできることを模索し実行! #2
Withコロナ時代の今、介護現場に求められている感染対策と働き方を深堀りしてお届けする連載企画。今回お話を伺ったのは、重度心身障がいのお子さまを対象とした放課後等デイサービスと、児童発達支援を行うサチエ株式会社「にこにこハート」 の指導員・北島彩夏さん。
新型コロナウイルスの流行により、お子さんを守るための感染対策や、円滑に仕事を進めるための働き方の工夫を凝らしてきたというにこにこハート。前半では、具体的な感染対策の内容や、コロナの流行により新たに導入したこと、withコロナ時代に指導員として大切にしたいことなどをお聞きしました。
後半では、長期化するコロナに対しての対策の見直しや保護者の方々への対応方法などを伺うことで、コロナ禍に福祉現場に求められることを探っていきます。
お話を伺ったのは…
にこにこハート(放課後等デイサービス/児童発達支援)
指導員 北島彩夏さん
「障がいのある児童に関わりたい」という想いから、にこにこハートに入社。お子さんと身近で携わることはもちろん、日替わりで実施しているイベントの計画や援助、送迎業務などを担当している。
保護者の方々と携わるうえで大切にしていること
お子さんの日々の様子や周囲での感染情報を小まめに報告
―北島さんは、保護者の方々と関わる機会も多いのでしょうか?
保護者の方々とは、お子さんの送迎時に、施設でのお子さんの様子をお伝えするときにお話をしています。また、対面での共有に加え、連絡帳やチャットを介しての連絡も行っています。
―コロナの流行により、保護者の方々から不安の声が挙がったりしたことはありましたか?
ウイルスに対する不安は大きいように感じています。特に、にこにこハートに通っているお子さんは、重症化しやすかったり、免疫力が低い子だったりするので、より一層親御さんが心配になるのは当然だと思います。ただ、そこで私たちが何の情報も共有しないままにしてしまうと、余計に親御さんを心配させてしまうと思うので、仮に近隣の施設で感染者が出たりしたときなどは逐一報告するようにしています。
―確かに。何も分からない状況が続くことが一番不安になるのかもしれませんね。
そうなんです。なのでにこにこハートでは、お子さんの過ごす様子を写真に撮ってチャットで送り、お子さんが楽しんでいる姿を出来る限り共有にしています。「コロナ対策をしながらお子さんに楽しんでもらう」は難しい課題ではありますが、我々の目標でもあります。何かを検討する際も「コロナ禍だからできない…」とすぐに諦めるのではなく、コロナ禍でも楽しんでもらうために何ができるかを考え、行動するようにしています。
長引くコロナ禍での対策の見直し
これまでよりも入念に、消毒とオゾン水の散布を徹底
―長引くコロナ禍で、対策の見直しなどは行いましたか?
最近(2021年9月時点)は子どもの感染者が増えていることもあり、お子さんが使ったおもちゃや用具は、以前より重点的に消毒するようにしています。加えて、これまでも施設内に「オゾン水」を散布していたのですが、現在はより高い頻度で使用するようにしています。
またこれらの対策は、感染対策委員のほか、社長自らが全事業所に意識的に行うよう呼びかけて下さっているので、にこにこハートだけでなく、会社全体で感染予防対策の意識統一が図れているんじゃないかなと思います。
―では、施設での遊び方やイベント内容の変更などは行いましたか?
にこにこハートは、一部屋が広く、通われているお子さんの人数も施設内がいっぱいになってしまうほど多くはないので、できるだけ施設内で広がって遊んでもらうようにすることで密にならないようにしています。
また、今は実施するのが難しくなっている現状ですが、コロナ前は夏に水遊びに出かけたり、ときには外出イベントなども行ったりもしていました。ですが、近くの公園への散歩は、引き続き制限を守りながら、なるべくお子さんに窮屈な思いをさせないためにできることを日々模索しながら実行しています。
にこにこハート北島さんの今後の課題と目標
マスクなしで笑い合える日を夢見て、今一度感染対策を徹底
―感染対策をしながらのお仕事がもう少し続くと思います。にこにこハートが今後乗り越えていきたい課題や、これからの目標などを教えてください。
まずは施設でのクラスター感染を防ぐことが第一ですね。そのために、今一度みんなで協力しながら感染対策を徹底していかなれけばならないと思っています。そしていつか、マスクなしでお子さんたちと笑い合える未来に繋げていきたいです。
にこにこハート(放課後等デイサービス/児童発達支援)北島彩夏さんの「コロナ禍の福祉現場に求められる感染対策方法と働き方」
1. 保護者の方たちと常に情報を共有する
2. より徹底して消毒や除菌を行う
3. 感染対策をしながらもお子さんが楽しめること追求し実践する
感染予防対策を行いながらも「お子さんに楽しんでもらうためにはどうしたらいいか」という視点を忘れないことが指導員として大切になるんですね。保護者の方を不安にさせないための心配りも非常に重要だなと大変勉強になりました。貴重なお話をありがとうございました!
取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/岩田 慶(fort)
Information
にこにこハート(放課後等デイサービス/児童発達支援)
住所:東京都荒川区西尾久7-37-13 飯村ビル1F
TEL:03-6807-7745