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ヘルスケア 2021-08-28

【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか?vol.6】ご利用者様に楽しんでもらうためにできることを常に追求し実践!#1

Withコロナ時代の今、介護現場に求められている感染対策と働き方を深堀りしてお届けする連載企画。今回お話を伺ったのは、デイサービスセンターシエロ小金原と青梅のエリアマネージャーを務めている石原美幸さん。

定員10名の地域密着型の通所介護「デイサービスセンターシエロ青梅」では、新型コロナウイルスの流行当初、デイサービスに通うことを懸念されるご利用者様や利用者ご家族様もちらほらいらっしゃったそう。

では、そのような状況下の中、どのような感染予防対策を行いサービスの継続を図ったのか? 小規模デイサービスならではの取り組みや、長引くコロナ禍にどう立ち向かっているのかなどを詳しくお聞きします。

お話を伺ったのは…

エリアマネージャー 石原美幸さん

「利用者一人一人に寄り添える介護がしたい」という想いから、2014年に株式会社シエロにパート社員として入社。「デイサービスセンターシエロ青梅」の介護職員として現場で活躍したのち、2019年に施設長に就任。2021年4月から「デイサービスセンターシエロ小金原」および「デイサービスセンターシエロ青梅」のエリアマネージャーを務めている。

安心して施設を利用してもらえるよう、取り組んでいる感染予防対策の内容をHPに掲載

デイサービスセンターシエロ小金原と
青梅のエリアマネージャー・石原さん。
柔らかな口調で、一つ一つ丁寧に受け答えしてくださいました

―「デイサービスセンターシエロ青梅」は、ご利用者様と職員の皆さまがのびのびと過ごされているのが印象的ですね。

デイサービスセンターシエロ青梅は、定員10名の小規模型デイサービスになります。施設のコンセプトとして掲げている「第二の我が家」のように、ご利用者様の心が落ち着く、居心地の良い場所を提供できるよう、職員一丸となってサービスの提供に日々励んでいます。

―では新型コロナウイルスが流行し「第二の我が家」であり続けるためにどのような感染対策を行ったのでしょうか?

まずは、マスク着用の徹底、職員の出勤時の検温、手洗い・うがい・消毒の徹底、パーテーションの活用、施設備品のこまめな消毒、送迎車に乗る前のご利用者様の検温、同居ご家族様の発熱の確認、昼食やおやつ前の手指の消毒・換気などを行いました。

また、職員および同居するご家族に発熱が確認された場合は14日間の休暇をとってもらうようお願いしています。加えて、これまで本社で行っていた社内会議は、早々にWEB会議へ切り替えました。

そして、ご利用者様、利用者ご家族様に安心してデイサービスセンターシエロ青梅を利用してもらえるよう、これらの感染対策の内容を会社のHPにアップしました。

「テイクアウトランチ」イベントは、ご利用者様から大好評!

株式会社シエロのHP。
取り組まれている感染予防対策の内容を詳細に記載されています

―コロナ前と比べ、レクリエーションや趣味活動などの取り組み方に変化はありましたか?

ありました。デイサービスセンターシエロ青梅には、なかなか1人で外出することが難しい方や、ご家族と一緒にお出かけできないことを残念がっているご利用者様がたくさんいらっしゃったこともあり、コロナ前は歩行訓練を兼ねた散歩やドライブ、外出イベント、市内の喫茶店を利用してのお茶会、スーパーでの買い物イベントなどを積極的に行っていました。

しかしコロナ禍になってからは、これらのイベントの実施が難しくなり、1日中施設内で過ごしていただくことが多くなってしまいました。しかし、施設の中だけで1日を過ごしていると気を張りつめてしまうご利用者様もいらっしゃり、コロナ禍が続くにつれて息抜きを求められるように。そこで職員が地域のお店を毎月1店舗選択し、そのお店のメニューから食べたいものや好きなものを自己選択・自己決定してお昼ごはんを選んでいただく「テイクアウトランチ」を実施するようになりました。結果、ご利用者様にとても喜んでいただけ、今では「来月のテイクアウトランチは何?」と楽しみにしてくださる方もいらっしゃり、導入して良かったと思っています。

―利用者様ご家族から感染対策の取り組みについて要望の声などはありましたか?

以前、利用者ご家族様に「感染予防を行ったうえでの外出レクを検討しているんですが、ご家族としてどう思われますか?」と聞いてみたことがあるんです。すると、「もちろん対策はしてくださっていると思いますし、父も母も楽しく通わせてもらっているので、ご判断はお任せします」と信頼いただけていることが分かるお言葉を頂戴でき、ものすごく励みになりました。

ただ「コロナ前に行っていたスーパーへ買い物に行くイベントは控えてほしい」という声もありましたので、そこはご利用者様ご家族の意見を尊重したうえで行うよう考慮しています。具体的な対応方法としては、買い物に行くスーパーのチラシをご利用者様に見せて欲しいものを選んでもらい、職員が代行して買って来るなど、ケースバイケースで臨機応変に対応しています。

「一人一人の個性を活かせる場所」であることを発信していきたい

「ご利用者様がよく触れる手すりなどは、
よりこまめに消毒するよう心がけています」と、石原さん

―長引くコロナ禍で、当初の取り組みから見直しを図ったことなどはありますか?

長引くコロナ禍でご利用者様・職員ともに取り組みへの意識が低下しつつあると思うので、改めて感染予防対策の大切さを見直し、今一度徹底して行うよう身を引き締めています。エリアマネージャーの立場として、現場への呼びかけもしっかり行っています。

―石原さんのこれからの課題や目標を教えてください。

デイサービスセンターシエロ青梅の魅力や取り組んでいることを、もっと積極的に情報発信していきたいですね。デイサービスセンターシエロ青梅では、大型デイサービスのようにきっちりとしたタイムスケジュールを設けていないため、その日にご利用者様がしたいことを尊重できる場所になります。

また、働く職員にとっても自分の経歴や趣味を仕事に活かすことができる環境だと思っています。実際に、自身で取得したリフレクソロジーの資格を活かし、女性のご利用者様に「リフレクソロジーイベント」を行っている職員や、かつてお花屋さんに務められていた経歴を活かし、花や植物に触れるイベントを催してくれる職員などもおります。

デイサービスセンターシエロ青梅は、互いの個性を尊重しながら楽しんで過ごすことができる場所なので、そのことをしっかり発信し「通いたい!」と思ってもらえるご利用者様と「働きたい!」と思ってもらえる人材を増やしていきたいです。

デイサービスセンターシエロ小金原
石原美幸さんが実施している感染予防対策

1. 基本の対策を徹底し、対策内容を会社HPでお知らせ

2. 施設内でご利用者様に楽しんでもらうための術を常に模索する

3. 感染予防対策の大切さを今一度呼びかける

制限が多い昨今でも「どうしたら利用者さんに楽しんでもらえるのか?」を、日々全力で模索されている様子がインタビューを介してよく伝わってきました。「テイクアウトランチ」は小規模のデイサービスだからこそ楽しめるイベントの一つでもありますね!

次回は、そんな魅力あふれる「デイサービスセンターシエロ青梅」でのコロナ禍の働き方をお届けします!

▽後編はこちら▽
【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか?vol.6】コロナ禍の今だからこそ、職員間のコミュニケーションをより大切に #2>>

取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)

Information

デイサービスセンターシエロ青梅

住所:東京都青梅市河辺町9-5-10
TEL:0428-24-7274

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