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ヘルスケア 2021-05-31

【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか? vol.1】グループチャットの導入と勤務形態の細分化で働きやすい環境を整備 #2

Withコロナ時代の今、介護現場に求められている感染対策と働き方を深堀りしてお届けする連載企画。

前回に引き続き、デイサービス『エンゼルガーデン』の施設長・生活相談員として働かれている倉持 涼さんにインタビュー。前編・後編の2回に分けてお届けします。

新型コロナウイルスの影響により一時は利用者数が減少したものの、徹底した感染対策、プロの手を借りた施設全体の抗菌、レクリエーション内容の見直しを図ったことで利用者数の回復につなげたというエンゼルガーデン。前編では、具体的な対策方法と、対策を行ううえで倉持さんが大切にしていることをお聞きしました。

この後半では、コロナ禍における現場の働き方をピックアップ。新型コロナウイルスの流行を受け、働くスタッフにはどのような影響があったのか? 働き方はコロナ前と比べてどのように変化したのか? コロナ禍の今、現場の働き方を知りたいと思っている同業者の方たち必見の内容をご紹介します。

お話を伺ったのは…

株式会社ACA エンゼルガーデン
施設長・生活相談員 倉持 涼さん

アットホームな会社の雰囲気に魅力を感じ、平成23年に株式会社ACAに入社。デイサービス『エンゼルガーデン』の現場スタッフとして働き始める。その後、育休・産休を経て復帰し、2021年4月から施設長に就任。現場では他スタッフとともに、送迎、お迎えの際の体調チェック、施設到着後の健康チェック、入浴介助、食事介助、レクリエーション、体操、おやつの補助などを行う。そのほか契約窓口の担当や利用者さん・施設長・ケアマネジャー間で行われる定期的な会議への参加、経理業務なども行う。

「感染者を出してはならない」という思いからピリついた空気が流れたことも

新型コロナウイルス流行直後の現場スタッフの状況を
語ってくださっている倉持さん。
いろんな不安を抱えながらも
現場で頑張っていたことがとても伝わってきました

―2020年1月から日本でも新型コロナウイルスの感染が急速に広まりました。エンゼルガーデンのスタッフのみなさんにはどのような影響がありましたか?

どこでウイルスに感染するのかが分からないので、2020年4月の緊急事態宣言時はコロナが広まっている最中も現場に出て働くことや、利用者さんや自分の家族が感染してしまうのではないかという不安を現場のスタッフ全員が感じていました。感染を恐れるあまり、現場では常に緊張感が走っている状況になり、スタッフたちも息抜きができなくなってピリピリした空気感が流れることも。

また、利用者さんが減少したことでスタッフも密にならないように出勤人数を減らすことになり、一時期はパートさんの出勤日を減らさないといけないときもありました。

―2020年4月はさまざまな不安を感じた時期でしたよね。では新型コロナウイルスの流行により、仕事の業務量や働き方の面で変化はありましたか?

「●●さんはレクリエーションを考える担当」など、業務内容は元々スタッフ内である程度分担していたので、コロナ禍で多少の業務は増えたにせよ、ひとりにだけ業務が偏ってしまうという自体は避けることができました。

ただ、個人的な話をすると、子供の保育園の延長保育がストップしたことで残業ができなくなり、以前よりも仕事の効率化を意識するようになりました。

グループチャットの導入で業務の効率と正確性をアップ

利用者におやつを配っている倉持さん。
感染対策をしながらも利用者・スタッフ、お互いが
楽しんで過ごしているのが伝わってくる、とても温かな現場でした

―どのようにして仕事の効率化を図ったのですか?

コロナ前はスタッフみんなで集まって情報交換する場を定期的に設けていたのですが、コロナ後はスタッフ間の報告・連絡・相談などは基本的に携帯のグループチャットを介して行うようにしました。

チャットを介してのやり取りは、勤務時間外の対応になってしまうときもあるという懸念点はあるものの、伝えた内容が文面に残るので、忘れてしまってもその都度確認ができたり、スタッフ間の認識の違いを防ぐことにもつながっているのでメリットが多いと感じています。

それに、大人数で対面の打ち合わせを行うとなると、どうしても当日参加できない方が出てきてしまっていたのですが、チャットでは参加の有無に関わらず、共有事項を一度に全員に伝えることができます。集団感染のリスクも避けられるので、仕事の効率化と感染対策の面でも非常に役立っています。

―スタッフの勤務形態も変更されたとか。

利用者さんが減ったことでシフトの勤務表をより細かく分けるようになりました。これまでは早番・中番・遅番と主に3形態で展開していたシフトを、今は「11時〜18時出勤」など、各スタッフの希望や事情に合わせて細かく分けるように。万が一、現場の人手が足りなくなった場合は、本社の方に手伝いに来ていただくなどして、本社とも協力しながら現場スタッフが働きやすい環境づくりに努めています。

これからはデイサービスとエンゼルガーデンの魅力を発信することに注力

エンゼルガーデンの
Instagramアカウント(@all_care_artisans)では
導入しているコロナ対策や季節の行事の様子などを
随時アップしているそう

―倉持さんが施設長として今後注力していきたいことを教えてください。

今後はSNSツールを積極的に活用し、デイサービスの魅力・エンゼルガーデンの魅力を、より多くの人たちに伝えていきたいです。

デイサービスをご利用になられる方は、在宅介護にデイサービスを入れている方がほとんどだと思うのですが、「自宅で入浴介助を利用する」「訪問看護師さんに来てもらう」など、お家で過ごしながら最低限の介助を入れるという選択肢もあるなかでデイサービスを選んでくれています。

これは、デイサービスにはおうちで過ごしていては味わえない、デイサービスならではの意味があるからだと思うので、今後はそういった「デイサービスの魅力」「エンゼルガーデンの魅力」を、より多くの人たちに伝えていきたいです。

そのためにエンゼルガーデンでは昨年からInstagramを開設し、導入しているコロナ対策や開催行事の様子などを利用者のご家族や同業者、これから介護業界での就職を視野に入れている方たちに向けてアップしています。まだ定期的な更新には至っていないのが現状なので、今後はより注力して発信していこうと思っています。

エンゼルガーデン施設長 倉持涼さんのコロナ禍での働き方

1. スタッフ間の業務連絡などはチャットを介して行う

2. 各スタッフのライフスタイルに合った勤務形態を斡旋

3. SNSツールを積極的に活用してエンゼルガーデンの魅力を発信

コロナウイルスの流行によりさまざまな制限がされるようになった今、現場では互いに助け合い、効率よく働くことが求められるように。エンゼルガーデンでは、チャットの活用、スタッフの希望に合わせた勤務形態になるべく寄り添うなどして柔軟に対応されているんですね。

前編・後編のインタビューを通してさまざまな感染対策と働き方の工夫をお聞きできました。貴重なお話をありがとうございました!

▽前編はこちら▽
【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか? vol.1】利用者に楽しんでもらうためにできることを追求 #1>>

取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)

Information

デイサービス エンゼルガーデン

住所:東京都大田区東馬込1-19-10
電話番号:03−5743−6622

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