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特集・コラム 2022-09-01

介護事務のレセプト業務とは?資格は必要?レセプト業務の内容と書き方、注意点や資格取得のメリットを紹介

介護保険サービスにかかる費用は、1~2割が利用者の自己負担となりますが、残りの8~9割は介護給付費として保険者である市町村から支払われています。この介護給付が、どのような仕組みで支払われているのか意識したことはあるでしょうか。

今回は、介護保険サービス事業所に欠かせない介護事務「レセプト業務」について、業務の内容と注意事項、資格取得のメリットなどをご紹介します。

介護事務のレセプト業務とは?

介護保険事業所は、利用者から支払われる1~2割の自己負担と、介護保険から支出される介護給付で運営されています。介護給付はそれぞれの介護保険事業所が、各都道府県に設置されている国民健康保険団体連合会「国保連」に専用のシステムを通して請求しなければなりません。

この介護保険事業所の売上の8~9割に当たる介護給付を国保連に申請する作業が、介護事務のレセプト業務です。介護保険サービス事業所によって専門の事務職員がいる場合もあれば、管理者などがおこなっている場合もあります。

介護事務でレセプト業務をおこなう流れを解説

介護報酬を請求するレセプト業務は、介護サービス利用における介護給付分の請求を介護保険の保険者である市区町村に対して、国民健康保険団体連合会を介しておこなう業務です。請求するサービスごとに明細書の様式が変わります。

「介護給付費請求書」様式第一

様式第一の「介護給付費請求書」は、その事業所の1カ月の介護給付請求額を一覧にして、介護報酬を国民健康保険団体連合会へ請求するために使用する様式です。

サービス利用料に当たる介護給付費のほかに、特定入所者介護サービス費の件数と費用の合計額、費用における保険請求額・公費負担額・利用者負担額の内訳などが記載されています。

利用者ごとの内訳である「介護給付費明細書」とともに提出します。要支援の利用者については、様式第一の二「介護予防・日常生活支援総合事業費請求書」に別途まとめることが必要です。

「介護給付費明細書」様式第二~第十一

様式第二~第十一はサービスの種別ごとに様式が異なり、利用者それぞれの必要事項を記載します。居宅系のサービスと通所系のサービスで異なる様式があるものもあり、さらに要介護の利用者と要支援の利用者でも様式が異なるため、全部で26種類の様式があるのが特徴。

居宅介護支援・介護予防支援の場合は、介護保険給付の限度額を管理するための「様式第十一給付管理票」も作成して、介護給付費請求書への添付が必要です。

介護給付費請求書はいつ作成する?

介護報酬の請求は、請求する介護サービス提供をした翌月の10日までに、1カ月分の請求データをまとめて提出します。つまり、10日間で前月にサービスを提供した利用者すべてのデータをまとめ、指定の様式に記入しなければならないということです。

請求は紙ベースや郵送でおこなうのではなく、各都道府県の国保連が指定したインターネット上の専用システムを利用して必要書類を送付するので、タイムラグを考える必要はありません。すべてシステム上で介護報酬を請求する仕組みになっているからです。

介護給付費請求書・介護給付費明細書に記載する内容とは?

介護報酬請求書・明細書に記載する内容は次のとおりです。

<介護給付請求書>
・サービス提供年月
・請求先
・請求日
・請求事業所
・保険請求(サービス費用分)
・保険請求介護(特定入所者介護サービス費分)
・公費請求(サービス費用分)
・公費請求(特定入所者介護サービス費分)

<介護給付明細書>
・サービス提供年月
・公費負担者番号・公費受給者番号
・保険者番号
・被保険者欄
・請求事業者
・居宅サービス計画、介護予防サービス計画
・開始年月日、中止年月日、中止理由
・給付費明細欄
・請求額集計欄
・社会福祉法人などによる軽減欄

書き方としては、記入漏れや利用日の重複、コードの間違いなどに注意して、正確に記入することが大切です。

レセプト業務の注意点とは?|スケジュール管理の重要さ

レセプトを国保連に提出したあとに、国保連と市区町村がそれぞれ請求内容に対する審査をおこないます。そのため、請求から支払いまでに1カ月半ほどの期間が必要で、国保連から支払いを受けるのは請求した月の翌月25日、つまりサービスを提供した月の翌々月の下旬ということです。

レセプト業務が翌月の10日までに間に合わなければ、介護報酬の支払いはサービス提供月から3カ月経過したあとになってしまうので、スケジュール管理と正確に作成することが重要となります。

介護請求に不備があったときや間に合わないときは?

レセプト業務でいくら正確に作成するように配慮したとしても、不備が起こることがあるようです。ケアマネジャーが提出する給付管理票が間違っていたり、利用者側が要介護度の変更申請をしたりするなど、介護保険サービス事業所外の要因で不備が発生することがあります。

ここでは、審査がストップしてしまわないためにも、どのような手続きをすればいいかを確認しておきましょう。

返戻

国保連に、請求手続きをおこなったレセプトの内容に間違いがあった場合やほかの書類との間に齟齬があった場合には、審査で差し戻され「返戻」となります。

被保険者である利用者の介護保険番号や生年月日、要介護度の区分、有効期限などが間違っている場合も多く、わずかなミスでも返戻になり、介護報酬の支払いもおこなわれません。返戻されたら、速やかに間違いを特定し、修正して再請求することが大切です。

保留

レセプト業務で介護報酬を請求した際の「保留」は、介護保険サービス事業所とケアマネジャーがそれぞれ提出する給付明細書と給付管理票の突合審査ができない場合に審査保留となる状態です。

ケアマネジャーが給付管理票を提出していなかったり、間違いがあって返戻となったりしているので、ケアマネジャーに提出や修正を促す必要があります。介護保険サービス事業所が作成した請求明細書に間違いがなければ、再提出しなくても問題ありません。

月遅れ請求

万が一介護度の変更などの手続きが間に合わなかった場合は、「月遅れ請求」をおこなうことになります。

多くは1カ月遅れ、つまりサービスを提供した日の属する月の翌々々月の10日までとなりますが、この日から2年間であれば月遅れ請求できます。ただし、2年経過してしまうと時効となり、介護報酬を請求する権利が消滅してしまうので注意が必要です。

レセプト業務に資格は必要?

「レセプト業務」は、資格がなくてもおこなえる仕事です。そのため、国家資格や業界団体が認めた資格などはありませんが、福祉・医療の教育機関の通信や通学の講座などで、数日間学んで基本を身につけたことを証明する資格があります。

ここでは、このような資格を持っていることのメリットをくわしくご紹介します。

介護レセプトの資格をとるメリット

レセプト業務の資格を持っていることで、介護事務の求人に応募した際にパソコンが使えて介護事務の実務能力があることを証明できます。また、介護保険制度に対する基本的な専門知識があることもわかってもらえますので、仕事を探す際に有利でしょう。

資格がなくても、仕事をしながらレセプト業務を覚えられますが、不明な点があった際にどこをどう調べればいいのかわからないことはとてもストレスになるものです。基本的なことを学んで資格を取っておくことで、問い合わせもしやすくなります。

すぐに使えるおすすめの資格は?

レセプト業務にも役立つ、すぐに使えるおすすめ試験としては、病院やクリニックの医療保険事務の資格があります。

医療保険事務の資格としては、公益財団法人日本医療保険事務協会がおこなっている「診療報酬請求事務能力認定試験」が有名です。

また、一般財団法人日本医療教育財団の医療事務技能審査試験を受けて取得する「メディカルクラーク」やJSMA技能認定振興協会の医療事務管理士技能認定試験を受けて取得する「医療事務管理士」もあります。

介護事務の仕事には資格が必要? 独学でもなれるの?|介護事務を目指す人におすすめの資格とは

介護事務でレセプト業務の資格をとって就職を有利にしよう

介護保険サービス事業所が国保連に介護給付費の請求をおこなうレセプト業務は、月初めの10日間で迅速正確におこなわなければならない業務です。

レセプト業務は、介護保険制度と請求システムを理解したうえで、スケジュール管理をして進めますが、わずかなミスでも返戻になる可能性があります。その場合、介護報酬の支払いもおこなわれません。

介護保険サービス事業所のレセプト業務をおこなう際に必要な資格はありませんが、介護事務の実務能力があることを証明できます。業務に役立つ資格取得を目指して、就職や転職活動を成功させてはいかがでしょうか。

引用元サイト
神奈川県国民健康保険団体連合会 介護給付費明細書の記載方法

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