主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)はこんな仕事!受講要件や取得するメリット、活躍できる場所を解説
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)という職業について聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?しかし、主任介護支援専門員の仕事内容や資格を取得するメリットについて、よくわからないという方もいるはずです。
今回は、主任介護支援専門員の仕事の概要や受講要件、主任介護支援専門員になる具体的なメリットや活躍できる就職先について紹介します。
主任介護支援専門員の仕事内容やなるための方法、メリットについておさえて、主任介護支援専門員になるための計画を立ててみましょう。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)ってどんな仕事?
主任介護支援専門員は、他の介護・福祉サービスを提供する者との連絡調整や、他の介護支援専門員に対する助言、指導その他の介護・福祉サービスを円滑に提供するために必要な業務・知識を習得を目的とした研修を修了したものが認定される職業です。
具体的な業務としては、以下のような内容が挙げられます。
・介護支援専門員へのアドバイスや指導を行う
・介護職員や行政、地域の人との間のネットワークを強化する
・地域の課題や特性を考慮した包括的な介護ケアを実施する
ケアマネジャー(介護支援専門員)の上位資格に位置付けられ、受講するためには介護支援専門員として5年(60カ月以上)勤務するなど、十分な業務経験が求められます。
引用元
内閣府:主任介護支援専門員の概要
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事
介護支援専門員の仕事は、居宅介護支援事業所や老人ホーム、地域包括支援センター、介護療養型医療施設などで、利用者のためのケアプランを作成するのが主な業務です。また、市区町村やその他の介護機関・医療機関、利用者家族との連絡調整も行います。
介護支援専門員の具体的な仕事内容については、以下の記事でも紹介しています。
ケアマネジャーの役割や仕事内容とは?一日の業務の流れや就職先なども紹介
主任介護支援専門員の役割
主任介護支援専門員が果たす役割としては、介護支援専門員にアドバイスを行い、職員間の連絡調整をし、地域におけるケアシステムの構築に向けて尽力することです。介護支援専門員の職場をマネジメントする立場で働きたい方に向いている働き方だといえます。
主任介護支援専門員研修の受講要件・カリキュラム
主任介護支援専門員研修の受講要件や研修カリキュラムは一体どのようなものなのでしょうか?ここでは、都道府県ごとの受講要件と研修カリキュラムを確認してみましょう。
主任介護支援専門員研修の受講要件
主任介護支援専門員研修を受講するためには、介護支援専門員更新研修修了者であり、なおかつ以下の条件のいずれかを満たしている人が該当します。
1.専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60カ月)以上である者(管理者との兼務期間も算定可能)
2.ケアマネジメントリーダー養成研修修了者又は日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーであって、 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年(36カ月)以上である者(管理者との兼務期間も算定可能)
3.主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
4.その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者
上記以外にも、各都道府県独自の要件が要求されるケースもあります。都道府県ごとの受講要件に関しては、以下の見出し内で詳しく見ていきましょう。
引用元
内閣府:主任介護支援専門員の概要
東京都の場合
東京都の主任介護支援専門員研修の受講要件は、まず東京都登録の介護支援専門員であり、前述した主任介護支援専門員の受講要件のいずれかを満たしている必要があります。
研修要件としては、
・平成18年度以降に各都道府県が実施する介護支援専門員専門研修Ⅰ及びⅡ
・平成18年度以降に各都道府県が実施する介護支援専門員専門研修Ⅰ及び各都道府県が実施する更新研修
・各都道府県が実施する更新研修
のいずれかの受講が要件です。
また、勤務要件として、都内の地域包括支援センターや居宅介護事務所、介護保険施設などで常勤専従の介護支援専門員、または主任介護支援専門員に準ずるものとして配置され、受講申請時点で勤務していることが条件として求められるのが特徴です。
引用元
東京都介護支援専門員研究協議会:令和5年度東京都主任介護支援専門員研修の実施について
神奈川県の場合
神奈川県の主任介護支援専門員研修の受講要件は、以下のとおりです。
1.利用者の自立支援に資するケアマネジメントが実践できていると認められる者
2.有効な介護支援専門員証を保有している者
3.専門研修課程I及び専門研修課程II又は実務経験者に対する介護支援専門員更新研修を修了した者
4.現に介護支援専門員として従事している者
上記のいずれかの基準を満たしており、さらに4に関しては主任介護支援専門員の受講要件の3つに加え、研修受講日の1カ月前から計算して5年以内に介護支援専門員法定研修の講師、ファシリテーター経験がある方のいずれかの要件を満たしているのが条件です。
引用元
神奈川県:神奈川県主任介護支援専門員研修対象者について
千葉県の場合
千葉県の主任介護支援専門員研修の個別要件は前述した神奈川県の受講要件と同様です。ただし、それに加えて、以下のような必須要件がつきます。
・現に千葉県内の介護保険事業所等において介護支援専門員として従事している者
・介護支援専門員資質向上事業実施要綱に基づく専門研修課程I及び専門研修課程II又は実務 経験者対象の更新研修を修了した者。
・介護支援専門員証の登録地が千葉県の者
・現在の事業所での在籍が申込み時点で 6カ月以上の者
・研修全日程を受講できる者
・主催者が提出を求める課題及び事例等を提出できる者
・本研修修了までの間、介護支援専門員の有効期間が有効である者
引用元
千葉県介護支援専門員協議会:令和5(2023)年度千葉県主任介護支援専門員研修 開催案内
主任介護支援専門員の研修カリキュラム
主任介護支援専門員の研修カリキュラムは、以下のとおりです。
研修科目 | 時間数 |
主任介護支援専門員の役割と視点 | 5時間 |
ケアマネジメントの実践における
倫理的な課題に対する支援 |
2時間 |
ターミナルケア | 3時間 |
人材育成及び業務管理 | 3時間 |
運営管理におけるリスクマネジメント | 3時間 |
地域援助技術 | 6時間 |
ケアマネジメントに必要な医療
との連携及び多職種協働の実現 |
6時間 |
対人援助者監督指導 | 18時間 |
個別事例を通じた介護支援専門員に
対する指導・支援の展開 |
24時間 |
合計時間 | 70時間 |
合計70時間の講義・演習を修了すれば、主任介護支援専門員の資格を取得できます。主任介護支援専門員の資格は、5年ごとに更新する必要がある点に注意しましょう。
引用元
東京都福祉局:主任介護支援専門員研修カリキュラム
神奈川県主任介護支援専門員研修について
主任介護支援専門員になるメリット
主任介護支援専門員の資格を取得することで、昇進や就職や転職に役立ち、給与アップにつながる可能性が高いです。主任介護支援専門員を目指すうえで、どのようなメリットがあるのかを理解して、資格取得後のキャリアプランについて考えてみましょう。
就職・転職に有利に働く
主任介護支援専門員の資格は、就職・転職に役立ちます。介護支援専門員の上位資格であるため、資格を保有していることで介護支援専門員としての実務経験や地域におけるケアシステムの構築、検討会への参加経験を評価され、就職・転職を有利に進められるでしょう。
将来性がある
超高齢化社会である日本においては、介護支援専門員、ひいては現場を統括できる主任介護支援専門員のような人材は、今後もますます重宝されていくでしょう。就職先の選択肢が増え、資格を活かしてより好条件の転職をすることも容易にできると考えられます。
給与がアップする可能性が高い
主任介護支援専門員の資格を保有していることで、資格手当がついたり、新たに役職を任されたりすることで、基本給がアップしたりするケースもあります。上級の介護支援専門員の有資格者として、給与のアップを目指したいという方におすすめの資格です。
主任介護支援専門員として活躍できる場所
主任介護支援専門員として活躍できる職場は、居宅支援事業所や介護老人福祉施設、介護療養型施設、地域包括支援センターなど、介護支援専門員の就職先と同様です。正社員やパート、アルバイトなど、様々な働き方の仕事が見つかるでしょう。
幅広い選択肢の中から就職先を選びたいという方におすすめです。
主任介護支援専門員の仕事と受講要件を確認して、将来性のある資格の取得を目指そう!
この記事では、主任介護支援専門員の仕事や受講案件、受講のメリットを紹介しました。
主任介護支援専門員の仕事は、介護支援専門員が携わるケアプランの作成に加えて、現場の統括や地域のケアシステムの構築に向けて尽力することです。
主任介護支援専門員の資格を取得するためには、介護支援専門員としての5年(60カ月以上)と業務経験や認定ケアマネジャーとして3年(36カ月以上)の業務経験が求められ、各都道府県によって求められる受講要件には微妙な差があります。
資格を保有していることで、昇進や昇給、転職に有利に働くだけでなく、高齢化社会の日本においては将来性が高く、介護職のキャリアプランを考えるうえでとても有益な資格です。
主任介護支援専門員の仕事内容と受講要件を確認して、資格取得を目指しましょう。