認知症介護基礎研修のレポートに書く内容とは?研修の概要と執筆時のポイントについても解説
認知症介護基礎研修は、認知症ケアに従事する介護職員が受けるべき資格として知られていますが、研修でのレポートの書き方がわからない方もいるのではないでしょうか?
認知症介護基礎研修では、認知症ケアについて学ぶほか、実際の事例を参考にしながらの実践演習もあり、研修の要点をまとめるレポートの書き方について悩む方もいます。
この記事では、認知症介護基礎研修の概要やレポート内容、書き方のポイント、レポート作成時に知っておくと便利な3つの単語について解説します。
認知症介護基礎研修を受講する予定の方で、研修レポートの書き方について悩んでいる方は、この記事の内容をレポート作成に活かしてみましょう。
認知症介護基礎研修の概要とは?
認知症介護基礎研修は2021年4月から義務化され、3年間の経過措置を経て完全に義務化される研修です。この章では、認知症介護基礎研修の概要や研修後のキャリアについて見ていきましょう。
2021年に義務化された認知症介護の基礎を学ぶ研修
認知症介護基礎研修は、認知症ケアのニーズの高まりを背景に、2021年4月に受講が義務化されました。厚生労働省が発表した『認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)』にある推計によれば、2025年には高齢者で認知症の方が700万人にのぼり、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になるとあります。
認知症ケアサービスのニーズに対応するために、認知症ケアに関する基礎的な知識を学べて実践演習できる認知症介護基礎研修の受講が義務化されたといえるでしょう。
ちなみに、2024年3月までは経過措置がとられており、それまでは研修を受講していなくても、認知症ケアに関する介護サービスに従事できます。
受講時間は約6時間
認知症介護基礎研修のカリキュラムの受講時間は約6時間です。自治体や委託を受けた教育機関によっては、eラーニングでオンライン受講できる場所もあります。
出典:認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス
出典:認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス
受講方法や受講費用は自治体や教育機関によって異なるので、お住まいの自治体や教育機関のホームページにて研修内容を確認しましょう。
研修後のキャリアの展望
認知症介護基礎研修を修了したら、さらに上位資格の認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダー研修などを受講して、さらなるキャリアアップを目指せます。
認知症介護基礎研修は2024年4月に完全義務化されますが、それよりも前に研修を修了すれば、上位資格も目指せる十分な知識やスキルを蓄積できるでしょう。
認知症介護基礎研修のレポートに記載する内容
認知症介護基礎研修のレポートには、以下のような要素を含める必要があります。
・作成日
・レポートの宛名
・氏名と所属
・タイトル
・リード文
・研修の概要(日時・場所・時刻)
・研修の感想(何を学んだのか、今後に活かす点など)
以下の章では、レポート作成時の詳しいポイントについて見ていきましょう。
認知症介護基礎研修のレポートを書く際の3つのポイント
認知症介護基礎研修のレポートを書く際には、読みやすいレイアウトや研修の目的・結果が明確に記載されている点、問題点・改善点を明記する点を意識することが大切です。
この章では、認知症介護基礎研修のレポート作成時のポイントを見ていきましょう。
ポイント1.読み手を意識したレイアウトや内容
レポートを書く際には、読み手に伝わりやすい文章とレイアウトを心がけましょう。あいまいな表現は出来るだけ具体的な表現に直し、一文が長くなりすぎないように気をつけることが大切です。また、表現を統一したり、語尾を統一したりして、読み手に違和感を覚えさせないようにするのも重要。
常に読み手ファーストの文章構成やレイアウトを検討して、読み手に評価されやすいレポート作成を心がけるようにしましょう。
ポイント2.研修の目的と結果を明記する
レポートを作成する際は、研修の目的と結果といった事実を明記することが大切です。何の目的で研修を行い、どんな結果を得られたのかを明文化しておくことで、研修の意義を再確認し、研修で得られた教訓を日々の仕事にも活かしやすくなるでしょう。
ポイント3.問題点と改善点を整理する
無駄な情報は省いて、研修の問題点を整理し、仕事内容の改善点を具体的に洗い出すことで、その後の業務改善にも活かせるレポート作成ができるはずです。
まわりくどい表現は避けて、問題点と改善点を整理しながらレポート作成しましょう。
レポート作成時に知っておきたい3つの単語
認知症介護基礎研修のレポート作成時には、有効活用したい単語がいくつかあります。この章では、レポート作成時に理解して使用したい単語について見ていきましょう。
QOL
QOL(Quality Of Life)は「生活の質」を意味する英語の略語です。一般的には「生活の質を改善する」という文脈で使用されますが、介護分野では「その人らしい生活を尊重すること」という意味で使用される場合が多く、レポート作成時におさえておきたい単語だといえます。
自立支援
自立支援とは、介護を必要としている人に対して、その人が持てる能力・資質を発揮し、その地域社会で自立して生きていけるように支援することです。
ただし、完全に自立して生きるまでの支援には限界があるケースも。その場合は持てる能力を最大限に活用し、過度なサポートを必要としない状態になるまでの支援をさします。
ノーマライゼーション
ノーマライゼーションとは、障害の有無に関係なく、誰もが平等に生活することです。介護分野の現場で使用される場合は、障がい者や高齢者が社会の中で自身の役割をはたしながら、生活を営めるように支援することをさします。
認知症介護基礎研修のレポートを作成できるように準備して、研修を受講するようにしよう
認知症介護基礎研修は、無資格の介護職員を対象として、2024年までに完全義務化される研修です。研修を受ける際には、内容をまとめたレポートを作成するのが一般的。
読みやすいレイアウトを意識し、研修の目的や結果、問題点・改善点がわかりやすいレポートを作成することで、評価されやすくなります。研修の成果を業務にも活用できるレポートを目指しましょう。
引用元
厚生労働省:認知症施策総合戦略(新オレンジプラン)
認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス