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特集・コラム 2020-07-24

介護タクシーと福祉タクシーはどこが違うの?|介護保険タクシーに必要な資格とは

みなさんは介護タクシーや福祉タクシーというものがあるのをご存知でしょうか。一般的に介護タクシーとは、訪問介護サービスにおける「通院等のための乗車または降車の介助」をおこなう福祉車両の通称です。

一方で福祉タクシーとは、道路運送法第3条で掲げられた「一般乗用旅客運送事業(福祉輸送事業限定)」のことを指します。しかし、介護タクシーと福祉タクシーはどこに違いがあるのでしょうか。また、介護保険タクシーにはどのような資格が必要となるのかを解説します。

介護タクシーと福祉タクシーはどこが違うの?

介護タクシーと福祉タクシー、名称や雰囲気は似ていますが、この2つはまったくの別物です。では、この両者は一体どこに違いがあるのでしょうか。両者それぞれについてご紹介します。

介護タクシーには2種類ある

まず介護タクシーについてですが、上述したように介護タクシーとは、訪問介護サービスにおける「通院等のための乗車または降車の介助」をおこなう福祉車両の通称ですが、種類は2種類存在します。介護タクシーと介護保険タクシーです。

介護タクシー

介護タクシーは2種類存在しますが、こちらではわかりやすいように「普通の介護タクシー」と明記します。普通の介護タクシーは、介護保険タクシーと違って介護保険が適用されません。また、介護保険タクシーは、介護保険を利用する方で、要介護1以上の方(要支援1~2の方は利用できない)や電車やバスなどの公共交通機関を1人で利用できない方などの利用に限られています。

しかし、普通の介護タクシーは利用者に制限はありません。さらに介護保険タクシーは、利用目的も病院や診療所に通院する場合や選挙の投票に行く場合などに限られているのに対し、普通の介護タクシーは利用目的の制限もないのが特徴です。

介護福祉タクシー

介護福祉タクシーとは、高齢者や身体が不自由な方をサポートする車両の総称となります。セダン型の一般的なタクシーとは車両の構造が異なり、ワゴンタイプやワンボックス型が多く車両後部に、車椅子やストレッチャーが乗降しやすいように、電動リフトやスロープがついているのが特徴です。また、介護福祉タクシーも介護保険が適用されません。

介護タクシーと福祉タクシーは同じもの

普通の介護タクシーと福祉タクシー、名称は異なりますが、どちらも介護保険の適用がない点や利用者の乗降介助などをおこなわない点を考えると同じものといっていいかもしれません。また、利用者の乗降介助などをおこなわないため、どちらも介護職員初任者研修の資格を必要としない点も共通です。ただし、福祉タクシーは身体障害者の方の移動をサポートする車両のため、高齢者というだけでは利用の対象にはならないので注意が必要です。

これに対して介護保険タクシーは、介護保険の適用があり、利用者の乗降介助などをおこなうための資格が必要となります。さらに介護保険タクシーは、利用者や利用目的に制限があるところも普通の介護タクシーや福祉タクシーとは異なる大きな特徴です。

介護保険タクシーに必要な資格とは?

介護タクシーの1種である介護保険タクシーには、いくつか必要な資格があります。ここでは介護保険タクシーに必要な資格について確認しておきましょう。

普通自動車第二種免許

まず必要な資格として挙げられるのが、普通自動車第二種免許です。この普通自動車第二種免許は、一般的な普通自動車第一種免許とどこが違うのでしょうか。普通自動車第二種免許というのはタクシーやハイヤー、運転代行など「人を乗せて運び、運賃をもらう」旅客運送のために必要な自動車免許です。

この普通自動車第二種免許は、普通自動車第一種免許を取得してから通算3年以上の運転経験があり、なおかつ21歳以上でなければ取得することができません。取得方法は、第一種免許と同じように教習所に通う方法と免許試験場で一発試験を受けて合格することです。教習所に通うよりも免許試験場で一発試験を受けて合格する方が費用は各段に安いですが、一発試験の合格率は10%以下といわれており、相当な運転技術がなければ一発合格は難しいでしょう。

介護職員初任者研修|業務に必要な介護の知識や技術を学ぼう

介護保険タクシーに必要な資格として挙げられるのが、介護職員初任者研修という資格です。介護職員初任者研修というのは、介護利用者の身体に触れて食事・入浴・排せつなどの日常生活を支援する身体介護をおこなう場合に必要となる資格で介護に関する基礎的な資格といえます。

介護保険タクシーの場合は、利用者様をベッドから車椅子、車椅子からタクシーへの移動介助をおこなうこともあるため、この介護職員初任者研修の資格が必要です。介護職員初任者研修の資格を取得する際、業務に必要な介護の知識や技術を学ぶことになります。

介護職員初任者研修はどうすればとれるの?

介護職員初任者研修の資格はどうやって取得するとよいのでしょうか。介護職員初任者研修の資格を取得するためには、専門学校などの通学課程や通信課程で研修科目を130時間受講し、全科目修了時に筆記試験を受けて合格基準点をクリアすることが必要です。

試験問題は各研修実施校が作成しており、多くの実施校で合格基準を70点程度に設定しています。研修実施校によっては、約1カ月で取得できる短期集中コースなどもありますが、3~4カ月の受講期間が一般的です。

資格取得には条件がある?

社会福祉士や精神保健福祉士のように福祉系の資格のなかには、資格取得に際して受験資格が費用なものもありますが、介護職員初任者研修の場合はそのような条件はありません。誰でも受験することができ、誰でも資格取得することができます。

全国福祉輸送サービス協会|ユニバーサルドライバー研修もおすすめ

介護保険タクシーに必要な資格は、普通自動車第二種免許と介護職員初任者研修の2つです。なかでも全国福祉輸送サービス協会おこなっているユニバーサルドライバー研修はおすすめです。この研修は介護保険タクシーに必須というわけではありませんが、受けておくと仕事に役立ちます。

出典元:全国福祉輸送サービス協会 ユニバーサルドライバー研修

どんなことを学ぶのか

ユニバーサルドライバー研修とは、タクシー事業者が業界を挙げて「高齢者や障がい者など、すべてのお客さまへの接遇や介助を向上する」ために実施しているものです。研修時間は1日7時間で、タクシーとユニバーサル社会、お客様とのコミュニケーション、お客様の理解と接遇などの基本事項について学びます。

具体的には、お客様(高齢者・障がい者)の接客について、お客様の理解と接遇・介助方法、車椅子の取り扱い方と乗車・降車などについてです。この研修はただ講義を受けるだけでなく、グループディスカッションや車椅子の取り扱い方についての演習なども含まれています。また、研修修了者にはユニバーサルドライバー研修修了証が発行されるため、車内に掲示しておくと信頼度が証明できるでしょう。

どこで受けられるのか

ユニバーサルドライバー研修を実施している機関は、日本全国に数多く存在します。たとえば東京だと東京無線協同組合や日立自動車交通などがその一例です。全国福祉輸送サービス協会のホームページにユニバーサルドライバー研修の実施機関一覧が掲載されているため、そこで確認できます。

出典元:全国福祉輸送サービス協会 ユニバーサルドライバー研修 実施機関一覧

保険適用かどうかで介護タクシーの種類は変わる|資格取得がおすすめ

今回は介護タクシーと福祉タクシーはどこが違うのか、そして介護保険タクシーにはどんな資格が必要なのかについてご紹介しました。上述したように普通の介護タクシーと介護保険タクシーは、同じ介護タクシーでも介護保険の適用があるかないかで種類が変わってきます。

介護職員初任者研修の資格を取得していれば、普通の介護タクシーや福祉タクシーだけでなく介護保険タクシーのドライバーにもなることが可能です。資格を取得することで仕事の幅も広がりますし、収入アップにもつながります。介護タクシーのドライバーを目指すのであれば資格取得するのがおすすめです。

出典元:
神奈川県 介護員養成研修の概要
三幸福祉カレッジ 介護職員初任者研修とは
全国福祉輸送サービス協会 ユニバーサルドライバー研修とは

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