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ヘルスケア 2023-05-19

自分の体を一番理解しているのは自分! おすすめのセルフチネイザンを紹介【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.97/チネイザンセラピスト・倉田純子さん】#2

「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回お話を伺ったのは、チネイザンセラピスト・倉田純子さん。

倉田さんは看護師として働きながら、チネイザンセラピストとしても活動されています
前編では、現在の働き方や、セラピストのやりがいを伺いました。
後編では、倉田さんが実際に行っているチネイザンのセルフケアや、未来のセラピストに向けたアドバイスを伺います。

体調も美容もメンタルも!
一石三鳥でアプローチできるチネイザン

――看護師とセラピストのWワーク。お忙しいと思いますが、ご自身のケアはどのようになさっていますか?

私自身、定期的にチネイザンの施術を受けるようにしていて、セルフチネイザンは毎日のように行っています。お腹を触ることで、今の自分の状態を把握することができるんです。

何よりチネイザンは、体調コントロールはもちろん、美容ケアにもぴったり。お腹が固いと痩せにくいんですが、みんな知らず知らずのうちにさまざまな感情がお腹に溜まって、固くなっているんですね。「自分のお腹は贅肉で柔らかい」と思っている方も多いんですが、チネイザンの施術を受けると、大体の方が「お腹ってこんなに柔らかくなるの!?」と驚かれます。

私も40歳を過ぎた頃から、贅肉のつき方が変わったと感じていました。いわゆる「浮き輪肉」ですね。若い頃はあまり感じなかった腰回りのお肉が、気になってくるんです。

――確かに、たとえ今までと同じ生活をしていたとしても、年齢とともに体つきは変化していきますよね。

もともと「持病のケアに」と思って始めたチネイザンでしたが、嬉しい誤算で、いつの間にか腰周りがスッキリ。昔から太ももが太く、太もものサイズでパンツを選んでいたのですが、今は選べるパンツも増えました。

正直、痩身の施術は、受ける側にとって多少なりとも痛みを伴ったり、我慢したりすることがあると思うんです。でもチネイザンは心地よさを感じながらデトックス効果が期待できる。これがいいですよね。

あと、メンタル面もそう。そもそも、チネイザンに惹かれた一番の理由は、自分でも気づかないうちに溜まっていた、イライラ、怒り、寂しさ、孤独、自己否定などの負の感情に対してケアができるところ。病気とまではいかないけれど、なんとなく感じていた体の不調の改善まで期待できるところでした。

これは、私自身がなぜ潰瘍性大腸炎になったか、というところにも関わってきます。この病気は遺伝的要素があるものの、発症の引き金はストレスだと言われているんですが、当時の私は、フルタイムで看護師をしていて夜勤もあり、忙しかったとはいえ楽しく仕事をしていたんです。なので最初は全く心当たりがありませんでした。

でも、体には何らかの負担がかかっていたんですよね。それを病気という形で知らせてくれたのかもしれません。先ほど「みんな知らず知らずのうちにさまざまな感情がお腹に溜まって、固くなっている」とお伝えしましたが、程度の差こそあれ、同じことだと思います。

チネイザンは、お腹にある反射区を揉むことで、内臓にかかっている負担と、それに関連する感情を一緒にケアできるんです。体調も美容も、メンタルも、一石二鳥どころか一石三鳥のチネイザンは、今や私にとって、なくてはならないものになっています。

倉田さんも日々実践!
セルフチネイザンを紹介

――倉田さんが実際に行っているセルフケアを、いくつか教えていただけますか?

では、まずは生理痛や更年期の不調を感じている人に試してもらいたいセルフチネイザンをお伝えします。子宮を引き上げる動きなのですが、下腹ポッコリが気になる人にもおすすめですよ。

私が施術しているYuki式チネイザンは、オイルを使用し、手の滑りを良くして行います。精油の香りは脳にダイレクトに伝わるので、癒し効果や自律神経に働きかけ、チネイザンとの相乗効果も期待できるんです。ぜひお好みの香りのオイルを使ってみてくださいね。

ケアを行うタイミングは、体が温まって緩んでいるお風呂上がりが効果的です。とはいえ、これは絶対ではないので、いつでも好きな時間に行ってOK。基本の姿勢も、私の場合は床に仰向けに寝て行いますが、椅子に座ったまま行なったり、湯船に浸かりながら行なってもいいです。入浴中だとオイルもいらないので、初心者さんにはトライしやすいかもしれませんね。

【生理痛や更年期の不調を感じている人におすすめのセルフチネイザン】

・恥骨の上あたりで、右上の写真のように両手を重ねる。
・上の写真の①の矢印に沿って、両手を左右に小刻みに動かしながら、おへそに向かって移動させる。
・②③も同様に行う。

もう一つは、大腸をデトックスするセルフチネイザンです。お通じが滞っている人はぜひトライしてみてください。お腹を下している時は控えた方がいいですが、そうでなければいつ行なってもかまいません。快便だと思っていても、実は便が排出しきれていない時もあるので、いつも以上にスッキリが期待できるかもしれませんよ。

【大腸をデトックスするセルフチネイザン】

・上の写真の①の位置で、右上の写真のように両手を重ね、その場で円を描くようにくるくる押す。
・押し当てていた圧を少し緩め、少し上へ移動。先ほどと同様に、その場で円を描くようにくるくる押す。これを繰り返して②まで移動する(角にあたるポイントは、特に入念に押す)。
・②まで進んだら、拾い集めた老廃物を持ち上げるイメージで両手を③まで移動させ、その場で円を描くようにくるくる押す。
・最後は老廃物を排出するイメージで直腸へ押し流す。
・「②→③→直腸」は3回繰り返す。

ぜひこれらをやってみてください。ただ、いくらセルフチネイザンをしているからといって、不規則な生活や暴飲暴食をしていてはいけません。普段から生活習慣に気をつけつつ、食事にも気を配るようにしてくださいね。

今後は東洋医学で学んだことを生かして
チネイザン以外のケアやアドバイスも行っていきたい

――今後力を入れて行きたいことや、新たな目標などはありますか?

チネイザンは、まだまだ「知る人ぞ知る」という感じなので、もっといろんな人に知ってもらいたい! 施術を受けに来ていただきたいのはもちろんですが、先ほどお伝えしたように、セルフチネイザンも効果的です。何といっても、自分の体を一番理解しているのは自分ですから。

そのために、不定期ではありますが、セルフチネイザンやセルフカッサのワークショップを開催しています。この活動は今後も続けていきたいです。

また、東洋医学で学んだことやその知識を活かして、チネイザン以外のケアやアドバイスも行っていきたい。例えば漢方茶のブレンド。今は季節に合わせたブレンド茶を、サロンに来ていただいた方にお出ししたり販売したりしていますが、いつかは個々に合わせたブレンドもしていきたいと思います。

――これからセラピストを目指す人が学んでおくといいこと、経験しておくといいことなど、アドバイスをお願いします!

私自身もまだまだセラピストとしての経験は浅いですが、「人の体を相手にしている」という点では、看護師と共通点があり、その経験がすごく生きています。人の体は複雑で、私も未だにわからないことだらけですが、基本的な働きや解剖学は知っておいて損はないと思いますよ。

――最近は倉田さんのようにWワークでセラピストをされている方も増えてきているように感じます。そういった方へのアドバイスもいただけますか?

仕事量をコントロールすることが大切だと思います。私は、潰瘍性大腸炎で仕事を休んでいた時、自分の体は自分でしか守れないことを痛感しました。そして何より、自分自身の体調が整っていないと、ベストな施術はできません。チャレンジするのは素晴らしいことだし、セラピストは人に喜ばれる、人のためになるお仕事ですが、まずは自分自身に負荷がかかり過ぎないように、気をつけていただきたいです。

――ありがとうございました。最後に「セラピストの心得3箇条」を教えてください。

・お客さまの要望を把握する
初回のカウンセリングでも伺いますが、ただ癒しを求めていらっしゃっているのか、本気で何とかしたい悩みがあって、セルフケアまで知りたいのか。お客さまが求めていることとセラピストが思っている施術に食い違いがあると、継続していただけないので、注意してヒアリングしています。

・お客さまの体の状態に合わせた施術する
チネイザンはお腹の施術がメインではあるものの、タイ古式マッサージも行います。股関節の開きなどは個人差が大きいので、気をつけていますね。お腹を押す圧も、お腹の固さに合わせて調整します。

・お客さまとの程よい距離感を大切にする
セラピストはどうしてもお客さまに尽くしすぎるというか、優しい方が多いので、自分のことよりお客さまを優先することが多いと思うんです。その点は看護師も同じなのですが、ベストな施術をするためには、自分のことも大切にしなくてはいけません。お問合せに答える時間は決めておくとか、休みと決めた日の予約はお断りするとか、ある程度の線引きは必要だと思います。

取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄

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