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特集・コラム 2023-05-25

理学療法士の就職先はどんなところがある?就職活動の流れや選び方のポイントとあわせて紹介!

理学療法士とは、ケガや病気などによる身体的な障害がある人に対し、ひとりひとりに合ったリハビリなどの治療計画を立て、体の動きを回復させる支援をおこなう仕事です。

この記事では、理学療法士の就職先や就職活動の流れ、就職先を選ぶときのポイントを紹介します。

理学療法士の主な就職先|7つの分野を紹介


理学療法士は、専門的な知識や技術によってさまざまな分野で活躍することが可能です。理学療法士の主な就職先を7つの分野に分けて紹介します。

医療機関|病院・クリニック・診療所

多くの理学療法士が、病院やクリニック、診療所などの医療機関へ就職しています。その中でも、整形外科や脳神経外科など、さまざまな診療科目の患者が対象です。

急性期病院では、病気の発症や手術直後の患者を対象に、短期間で最適なリハビリをおこないます。急変に備えたリスク管理や、リハビリ前後のバイタルなどのチェックが重要です。

回復期病院では容体が安定した患者を対象に、歩行訓練やマット運動などのリハビリをおこないます。患者の回復を実感しやすく、急性期病院と比較して理学療法士の人数も多いのが特徴です。

療養期病院では、主に高齢者や療養を目的とした患者を対象に、運動能力の維持や日常生活をスムーズに送るためのリハビリをおこないます。高齢者や介護が必要な患者が多いため、介護分野に関心のある人にも向いているでしょう。

福祉施設|介護老人保健・身体障がい者・児童

理学療法士は、次のような福祉施設でも活躍することができます。

介護老人保健施設<対象者:要介護認定を受けた65歳以上の高齢者>
身体障害者福祉施設<対象者:身体的に障害をもつ人>
児童福祉施設<対象者:障害をもつ子ども>

介護老人保健施設

自宅での生活復帰を目的としている福祉施設です。ケアマネジャーやソーシャルワーカー、介護職員と連携し、自宅で日常生活をおこなえるようなリハビリをおこないます。

生活するうえで必要になる福祉用具や、日常生活を送るときに注意すべき点などのアドバイスもおこないます。

身体障害者福祉施設

日常生活動作(ADL)を維持したり、体のしびれや痛みを緩和させることを目的とした福祉施設です。目的に合ったリハビリだけでなく、施設全体での行事や、レクリエーションなどの運営にも携わります。

児童福祉施設

子どもが生活するうえで必要な訓練などを目的とした福祉施設です。児童福祉施設にもさまざまな種類がありますが、理学療法士としての就職先は放課後等デイサービスや児童発達支援センター、児童発達支援所などです。

医師や子どもの家族と連携し、身体能力や脳の発達をうながすリハビリをおこないます。子どもの個性に寄り添える対応能力が必要です。

リハビリテーションセンター|通所型・訪問型

リハビリテーションセンターには、通所型の施設と、訪問型の施設があります。

通所型は、普段は自宅で生活している人が通院する施設です。日常生活を維持できるよう、必要なリハビリをおこないます。

訪問型は、寝たきりの場合やあまり自分で動くことができないなど、通院が困難な人の自宅を訪問しリハビリをおこないます。

寝返り・起き上がり・立ち上がりや歩行などの身体機能や、食事・着替え・排泄などの日常生活動作のリハビリ、麻痺した部位のマッサージ、褥瘡(じょくそう)という、いわゆる床ずれの予防などをします。

1人で訪問することが多く、急変リスクやトラブルに備えることが大切です。

教員

理学療法士を目指す学生を養成する、教員を目指すことも可能です。教員になるには、5年以上の現場経験が必要とされます。さらに、大学・大学院で教育学の科目を4単位以上履修するか、専任教員養成講習会を修了しなくてはなりません。

学生に講義をするだけでなく、国家試験への対策や就職に向けたサポート、保護者とのやりとりや郊外活動など、業務は多岐に渡ります。

行政機関|保健所・その他行政機関

保健所や市役所、社会福祉協議会の職員として仕事をしている理学療法士もいます。

地域に必要な事業企画をおこなう場合や、地域住民と直接かかわることのできるリハビリ教室や生活習慣病予防の指導、乳幼児健診での身体機能の評価など、理学療法士の資格を活かして臨床とは違った仕事ができます。

スポーツ分野|フィットネスジム・スポーツチーム

フィットネスジムでは、運動能力の向上を目指したり、ケガを予防するためのマッサージを指導したりするトレーナーとしての仕事や、ケガの回復を目指したリハビリをおこないます。

スポーツチームに携わる場合は、選手のケガのケアやリハビリ、食事や睡眠の指導などをおこないますが、スポーツトレーナーの側面も持つため、理学療法以外の知識や資格も必要になるでしょう。

一般企業|医療機器・リハビリ器具のメーカーなど

リハビリに関する専門知識を必要としている、一般企業に就職する道もあります。理学療法の専門家という立場から、医療機器やリハビリの器具を開発するためのアドバイスが求められる仕事です。

理学療法の知識を活かした適切なアドバイスをおこなうには、ある程度の経験も必要となるため、一般企業で働く理学療法士は、医療機関などで臨床経験を積んでから就職しています。

理学療法士の就職活動方法


ここからは、就職活動の流れとポイントを紹介します。一般的には国家試験を受けるよりも前に就職活動が始まるため、国家試験に合格することを前提に、勉強と並行して就職活動をしなくてはならないことを意識しておきましょう。

実習修了後に本格化|求人情報のチェックをこまめにおこなう

理学療法士の求人は、臨床実習修了後の夏から秋にかけて増加する傾向にあります。この時期から就職活動が本格化するため、求人情報のチェックをこまめにおこない、キャリアプランを考えておくことが大切です。

説明会への参加や見学の依頼

気になる求人情報が見つかったら、説明会へ参加したり、施設の見学を依頼したりと、積極的に動きましょう。

このとき、身だしなみやマナーには注意が必要です。指定の服装がある場合はそれに応じ、そうでなければリクルートスーツで参加します。清潔感のある格好と、誠実な対応を心がけましょう。

施設について事前によく調べ、質問事項をまとめておくと安心ですね。

面接を受ける|事前準備が要

就職先の希望が決まったら、面接を受けます。事前に施設のことを調べるだけでなく、施設の理念や大切にしていること、それに対する自分の考えを整理し、面接の練習をしておきましょう。

面接では、志望動機や自己PRのほかに、理学療法士として大切なことは何かを問われたり、将来設計やその施設で何を達成したいかといった自身の展望を聞かれたりすることがあります。

希望先を併願することを禁止している学校もあるため、事前に確認してから希望先を決めましょう。

国家試験の受験|卒業・合格が必須

理学療法士の国家試験は毎年2月におこなわれ、3月中旬から下旬までには合否が出ます。

あたり前のことではありますが、内定をもらっていても卒業できない場合や、国家試験の結果が不合格だったときは、内定が取り消しとなる可能性が高いです。就職活動と並行して国家試験対策にも尽力し、合格を目指しましょう。

就職先を選ぶポイント3つ|対象者・将来性・待遇


就職先を選ぶポイントは次の3つです。

1. 対象者(どのような人を相手にリハビリをしたいのか)
2. 将来性(長期的視野を持ったキャリアプランを考える)
3. 給与や待遇

ポイントを1つずつ詳しく解説します。

1.対象者|どのような人を相手にリハビリをしたい?

リハビリの対象者を明確にしておくことで、自分の希望に合う就職先を見つけやすくなります。対象者が高齢者なら介護老人福祉施設やリハビリテーションセンター、子どもなら児童福祉施設など、ある程度絞ることができます。

医療機関であれば、たくさんの症例を経験するのか、ひとりに対してじっくりと経験したいのかによって選択が変わってくるでしょう。

2.将来性|やりたいことや長期的なキャリアプランは?

自分のやりたいことや長期的なキャリアプランを考えておくことも大切です。就職先を探すにあたって、数年後どんなふうに働いていたいのか、理学療法士としてどのように社会に貢献したいのかまで見据えておきましょう。

働いてみないと分からないこともありますが、自分の目標が叶えられそうな就職先を選ぶことが大事です。

3.給与や待遇

給与や休日・福利厚生などの待遇は、就職先を選ぶうえでとても重要です。満足のいく収入や待遇であるかどうかは、モチベーションを保ったり、心身の健康を維持したりすることに直結するため、手当や残業の有無なども含めて確認しましょう。

理学療法士として働ける分野はさまざま。キャリアプランや携わりたい相手を考え就職先を選ぼう


理学療法士は病院以外にも、福祉施設やリハビリテーションセンター、行政機関などさまざまな分野で活躍できます。

就職先を考えるときは、自身の目指すキャリアプランや、貢献したい相手を明確にして、長期的な視点を持つことが大切です。

国家試験に向けた勉強にもしっかりと取り組み、自分に合った就職先を選びましょう。

引用元
厚生労働省:理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改正概要

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