【介護福祉士試験】2022年度から試験内容に変更あり!試験科目や難易度などを詳しく紹介
介護福祉士は、医師の指示の下であれば喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療的ケアが認められてる国家資格で、介護のプロを目指すなら取得して損のない資格です。
この記事では、試験概要や受験資格、難易度について紹介します。2022年度から試験内容に変更があるため、チェックしてみてください。
介護福祉士の国家試験とは?
ここでは、介護福祉士試験がおこなわれるようになった背景や、介護福祉士に関する法律について、解説していきます。
試験制度の概要
介護福祉士に関する法律を「社会福祉士及び介護福祉士法」といいます。ここには、介護福祉士は専門の知識と技術に基づいて、身体や精神に障害のある方に状態に応じた介護を行なうための資格であることが定められています。
この法律が制定された目的は、介護福祉士という職業を認めて医師や看護師以外に介護ができる人を増やし、社会福祉を進めることです。
この制定の中では国家資格に合格するか、養成学校を終了して指定の登録を受けることで介護福祉士の資格取得を可能としています。
「社会福祉士及び介護福祉士法」についての詳細は下記サイトからご確認ください。
e-Gov法令検索:社会福祉士及び介護福祉士法
令和5年1月実施|第35回試験の概要
つぎは、介護福祉士試験の概要についてです。2022年度の試験は一次試験が2023年の1月下旬、二次試験が3月下旬におこなわれ、2023年度の試験は2023年の8月上旬から9月上旬に受験申込みの受付が始まります。
2022年度の試験は3月に終了しており、2023年度の日程はまだ発表されていないため、2022年度の試験内容をもとに紹介します。試験内容がこれまでと変わった点もあるため、確認してくださいね。
試験の実施日|筆記・実技
介護福祉士の試験は年1回のみとなっていて、1月下旬に行なわれる一次試験である筆記試験、3月上旬の二次試験である実技試験の両方を合格することで、資格を取得できます。2023年1月におこなわれた、2022年度の試験実施日程は下記のとおりです。
なお、筆記試験の試験時間が、弱視等受験者は1.3倍、点字等受験者やEPA候補者などは1.5倍となっています。
引用元
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:第35回介護福祉士試験 試験日時と試験時間
試験科目|13科目
筆記試験は13科目です。試験科目と出題基準の一部を紹介します。
試験内容に変化|変更点は4つ
2022年度の試験では、4つ変更点があります。
試験地|筆記35カ所・実技2カ所
筆記試験は、次表の35カ所で実施しています。実技試験は東京都、大阪府の2カ所でおこなわれます。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 試験概要
申し込み手続き方法|2023年度は2023年7月上旬に案内予定
申し込み手続きの方法については、2023年7月上旬に案内予定となっています。
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 受験申し込み手続き
受験手数料
介護福祉士試験の受験料は、1万8,380円です。支払方法は「受験の手引き」に同封されている払い込み用紙を使用して、金融機関の窓口で支払います。
受験申し込みに必要な書類は?|受験申込書以外に必要なもの
介護福祉士試験の受験を申し込む際、申込書以外にも必要な書類が複数あります。申し込み区分によって必要書類が変わるため、よく確認しておきましょう。ここでは、実務経験者の必要書類を紹介します。
受験手数料払込受領証貼付用紙
受験手数料の支払い後に受け取る「A払込受領証」を、受験手数料払込受領証貼付用紙に貼り付け、提出します。このとき、受領日附印が押印されているかを確認してください。
顔写真|受験用写真等確認票のため
受験申込書には本人確認のための写真を貼付しなければなりませんが、以下のような決まりがあるので注意してください。
・受験申し込み前6カ月以内に撮影したもの
・サイズは縦4.5cm×横3.5cmのカラー写真
・肩から上の正面向きで脱帽し、両目が開いた状態で目がはっきりわかるように撮影したもの
・試験中に眼鏡着用の場合は、眼鏡を着用した状態で撮影
・スナップ写真や加工・修正されたもの、普通紙にプリントされたものは不可
・裏面に氏名を記入して全面にのりをつけて貼る
実務経験証明書と実務者研修修了書
勤務していた施設に実務者経験証明書を、研修を受けた施設に実務者研修修了書をそれぞれ発行してもらい提出します。
試験年度の3月末で実務経験3年を満たす場合でも申込みが可能です。その際は「実務者経験証明書」を、申し込み時と実務経験3年経過後の計2回、提出する必要があります。
試験年度の3月末までに実務者研修を修了する予定の場合は、申し込み時に「実務者研修修了見込証明書」を、研修終了後に「実務者研修修了証明書」を提出してください。
従事日数内訳証明書|掛け持ちで働いていた場合
受験時、同じ期間内にいくつかの事業所で働いていた場合は、「従事日数内訳証明書」という、実際に介護業務に関わった日数を証明する書類を提出します。
受験資格等確定済申出書|過去に確定済みの書類を提出済みの場合
過去に確定した証明書を以前に提出している場合は、申し込みのときに「受験資格等確定済申出書」を提出することで、証明書の提出を省くことができます。
戸籍抄本|受験申込書や証明書などの氏名が違う場合
家庭の事情や結婚などで申込書と証明書などの氏名が違う場合は、「戸籍抄本(戸籍の個人事項証明書)」が必要ですが、漢字の新旧で字体が異なるだけの場合は提出の必要はありません。
どうすれば受けられる? 受験資格について解説!
2017年の法改正により、第30回の試験から受験資格を得るためのルートが3つになりました。これからそれぞれのルートについて説明していきましょう。
①実務経験+実務者研修ルート
3年以上の介護などの実務経験と実務者研修を受けるルートです。2016年度に実施された第29回の試験からは実務経験だけでなく、実務者研修が必要となっています。
・従業期間3年(1,095日以上)かつ、従事日数(実際に業務に従事した日数)540日以上と実務者研修
試験年度の3月31日までに従業期間従事日数が指定日数をクリアできる見込みがある場合も、「実務経験見込み」で受験可能です。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験+実務者研修
②福祉系高校ルート
福祉系の高校の場合は、入学年度によって受験資格の取得条件が異なります。また、特例高校の場合も条件が異なるため、次表で確認しましょう。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:福祉系高校(平成21年度以降入学者)
ただし、上記以外にも細かい条件がある場合もあるので、自分がどこに該当するのかは、詳しく調べましょう。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:特例高校等
③養成機関ルート
2017年度の試験からできた新しいルートです。介護福祉士養成施設で一定期間学ぶことで、受験資格が得られます。必要な学習期間は高卒は2年以上、福祉系の大学や養成施設を卒業した場合は1年以上です。
また、養成施設の卒業年度によって、国家試験の筆記科目のみ受験が不要な場合があります。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:養成施設ルート図
自分にはなにが必要? 受験できるかどうか分からない!
自分が必要な受験資格を持っているか、また受検申し込みに必要な書類が不明といった場合は、社会福祉振興・試験センターのHP内にある以下のページで条件や必要書類を確認しましょう。
・よくある質問
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 よくあるご質問
・受験資格(資格取得ルート図)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)
介護福祉士試験の難易度はどれくらい?
介護福祉士試験の合格率はどれくらいなのでしょうか。受験者数などとあわせて紹介します。
第35回の受験者数・合格者数・合格率
厚生労働省の発表によると、第35回介護福祉士試験の受験者数は7万9,151人。そのうち合格者数は約6万6,711人でした。合格率は84.3%とされています。
筆記試験の合格基準は、総得点125点中75点以上獲得した人のうち、13科目すべてに得点があった人です。(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正)
実技試験の合格基準は、53.33点以上獲得した人が対象でした。(総得点の60%程度を基準とし、課題の難易度で補正)
引用元
厚生労働省:第35回介護福祉士試験合格発表
厚生労働省:第35回介護福祉士試験の合格基準及び正答について
第30~34回までの受験者数・合格者数・合格率
第30〜34回までの受験者数・合格者数・合格率は次のとおりです。
2023年度の試験の案内は7月上旬予定。これまでの試験や新たな出題科目をよく確認しておこう
2023年度介護福祉士試験の詳細は、7月上旬に案内される予定です。必要書類は受験者の区分によって変わってくるため、不備のないようしっかりとチェックすることが大切です。
2022年度から、チームマネジメントの問題が追加されたり出題の順序が入れ替わったりと、いくつか変更点がありました。何がどの順で出るのか、よく確認して試験に臨みましょう。
引用元
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:第35回介護福祉士試験 試験日時と試験時間
厚生労働省:介護福祉士国家試験科目別出題基準
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 受験申し込み手続き
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 試験概要
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 よくあるご質問
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験+実務者研修
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:福祉系高校(平成21年度以降入学者
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格:養成施設ルート図
厚生労働省:第35回介護福祉士試験合格発表
厚生労働省:第35回介護福祉士試験の合格基準及び正答について
厚生労働省:介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移
e-Gov法令検索:社会福祉士及び介護福祉士法