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介護・看護・リハビリ 2020-10-15

【介護レクリエーションvol.11】チームで楽しめる「遊びレクリエーション」

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」の企画。

普段の生活の中で体を動かす機会が少なくなる認知症の方にとっては、レクリエーションは体を動かすことができる大切な時間。加えて、個人で取り組むだけでなく、ペアやチームになって実施することで、和気あいあいとした雰囲気も楽しめます。そこで今回は、チームで楽しめる「遊びレクリエーション」をピックアップしました。

みんなでまきまき

【対象者】ラップの芯を握れる方
【レクの目的】上肢筋群の筋力効果、集中力の向上、脳の活性化、コミュニケーション力の向上
【人数】8~10人
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】ラップの芯(チーム数分)、ロープ、ビニールテープ(チームごとに色を変えられると尚良し)
【制限時間】個別の場合は1分程度、チームの場合は最後まで巻きとるまで
【レクリエーションの内容】チームで協力しながら、ラップの芯に繋がれたロープを巻いていくゲームです。上肢筋群の筋力向上をはじめ、参加者同士のコミュニケーションを深めるきっかけづくりにもぴったりです。

レクを始める前の準備

・スタッフは、ロープを床にまっすぐ伸ばし、ビニールテープで留めます。ロープ1mごとに、テープで印をつけていきます(チームの人数が5人の場合は、5箇所に印をつける)。ロープの先に、ラップの芯を巻きつけます。これを全チーム分行いましょう。
・ラップの芯の先に、参加者が待機するラインを引きます。

遊び方

1. 同じ人数になるように参加者をチームごとに分けます。順番を決め、設置したラインに一列に並んでもらいます。
2.各チームの先頭の参加者は、ラップの芯を持ちます。スタッフの合図が聞こえたら、ラップの芯をぐるぐると回し、印のついている部分までロープを巻きながら進んでいきます。
3.ロープを巻き終えたら、ラップの芯をその場に置き、次の人と交代します。
4.2と3を繰り返していき、一番早く最後まで巻き終えたチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・ロープがピンと張っていると巻きやすくなります。スタッフはロープの端を少し持ち、サポートしてあげましょう。
・片麻痺の方が参加される場合、スタッフは巻く動作を手伝ってあげてください。

注意点

・集団のレクリエーションは、どうしても個人差が見えてきます。スタッフは個人差が気にならないような順番や配置を考え、参加者全員に大きな声援を送ってあげましょう。

輪送りゲーム

【対象者】棒を持てる方
【レクの目的】腕の運動、交流
【人数】1チーム5人×2~4チーム
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞紙でつくった棒(人数分)、新聞紙を棒状に丸めて輪にしたもの(チーム数分)、椅子
【制限時間】1セット5分程度
【レクリエーションの内容】新聞紙の輪を、棒を使って隣の参加者へ渡していくゲームです。息を合わせないと輪が落ちてしまうので、自然と参加者同士のコミュニケーションを深められます。

レクを始める前の準備

・スタッフは、新聞紙で参加者人数分の棒とチーム数分の輪を作っておきましょう。

遊び方

1. 参加者を5人1チームになるように分け、チームごとに一列に椅子を配置して座ってもらいます。
2.参加者は棒を持ち、先頭の人は棒に輪を引っかけます。
3.スタッフの合図が聞こえたら、先頭の人は棒を使って隣の人(2番目の人)に輪を移します。輪を落とさないように慎重に渡しましょう。
4.2番目の人も先頭の人と同様に隣の人(3番目の人)に輪を移していきます。

5.輪が最後の人(5番目の人)まで行き渡ったら、今度は前に戻していきます。一番早く先頭まで輪を戻したチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・椅子と椅子の感覚は30cmくらいが目安です。狭くなるほど難易度が高くなるので、慣れてきたら感覚を縮めていってもOKです。
・スタッフは各チームの状況を積極的に実況し、場を盛り上げましょう。

注意点

・スタッフは、棒が隣の人にぶつからないように目を配っておきましょう。

「集団で一つのレクリエーションを楽しむ」「大勢の参加者と触れ合い、コミュニケーションをとる」ことで、脳が刺激を受け、心身が活性化されるそう。まずは雰囲気を楽しんでもらえるよう、機会があれば是非現場に取り入れてみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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