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特集・コラム 2022-08-24

介護福祉士の資格取得は意味がない? 取得のメリットと目指せる方法を解説

介護の仕事として介護福祉士という資格は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。介護福祉士は国家資格でありながら、取得しても意味がないといわれることもあります。
この記事では、どうして介護福祉士の資格をとる意味がないなどといわれるのか、その理由についてや実は多くのメリットがあることを解説。介護福祉士を目指す方法なども紹介していきます。

介護福祉士の資格取得は意味がないの?


介護のお仕事として唯一の国家資格である介護福祉士。資格取得を目指して勉強に励んでいる方も多いのではないでしょうか?

そんな介護福祉士ですが、資格をとっても意味がないという声が聞こえてくると不安になりますよね。はたして今頑張っている勉強に意味があるのか、時間と労力が無駄にならないか・・・。

そこで、介護福祉士の仕事内容ややりがい、資格取得の意味がないという声がある理由などを解説していきますので、参考にしてみてください。

介護福祉士のお仕事とは?

まず介護福祉士の仕事内容について紹介していきます。資格取得を目指している方はすでにご存じの内容もあるかもしれませんが、資格取得に意味がないといわれる理由を整理するためにもおさらいしておきましょう。

1. 直接介護|身体介助など

ひとつめは直接的な介護の仕事です。介護福祉士の一般的なイメージとして広く知られている役割といえるかもしれません。

利用者の自宅や老人ホーム、障害者施設などで入浴や食事の介助・その他生活に必要な場面での身体介助などを行います。

2. 利用者や家族の相談役・アドバイザー

もう一つ重要な仕事として、利用者や利用者のご家族にアドバイスをしたり、相談役として悩みや困りごとに対応したりといったものがあります。

利用者の生活での困りごとや自宅での介護におけるアドバイスなど、プロの視点と経験や知識が求められます。

3. スタッフの指導やマネジメント

他のスタッフをまとめるリーダー役として、指導や管理も大切な業務です。国家資格の有資格者として、専門的な知識がある介護福祉士は、スタッフチームをまとめ、理論に基づく適切な介護の判断・指導も行います。

ナゼ? 「意味がない」と言われてしまう理由とは

介護福祉士は介護の現場で重要な役割をはたしていることがよくわかります。ではなぜ、介護福祉士の資格取得は「意味がない」といわれてしまうのでしょうか?

ここからは前項までの内容を踏まえつつ、介護福祉士の資格の意義が疑われる理由を紹介していきます。

1. 取得しても仕事内容がほとんど変わらない

理由の一つとして、介護福祉士の有資格者と無資格者で仕事内容があまり変わらない、という点があげられます。資格取得のために少なくない時間を勉強にあて、専門知識を得た介護福祉士ですが、現場では一見すると無資格者と変わらない業務内容だと感じる人がいるのが現状です。

しかし介護にはさまざまな専門知識やなぜその支援が必要か?という統計や理論に基づく知識が必要です。一見すると同じように見えても、この理論や知識を元にしたより高度な介護を提供している点で、無資格のスタッフとは大きく異なります。

2. さらに仕事を任されて忙しくなってしまう

資格取得をすることで担う役割や責任が増え、さらに忙しくなることを敬遠するというのもあります。無資格であれば言われた業務をこなしていればよかったという人も、スタッフの総括やマネージメント、スタッフの指導などを兼務しなければなりません。

負担が増えるだけだと感じるかもしれませんが、それらはリーダーとしてのスキルアップに欠かせない経験です。管理業務は、介護福祉士としての経験値だけでなく、管理者としてキャリアアップすることにもつながります。

3. 給料が安め

介護福祉士の平均年収は312万円。全国平均年収が480万円ほどなので、確かに低賃金といえるかもしれません。専門的な知識を持った国家資格保持者の給料として見合っていないと感じる人もいることでしょう。

しかし厚生労働省は介護従事者の処遇改善に向けて動き出しており、条件を満たした介護福祉士には特定処遇改善加算が適用されます。特定処遇改善加算は勤続10年以上の介護福祉士の給与を月額8万円アップするか、年収を440万円以上になるよう改善するとしています。

さらに介護福祉士の業務を足がかりにケアマネジャーとしてキャリアアップする方法もあります。ケアマネジャーは介護職の中では比較的給与が高いため、目指してみるのもいいでしょう。

ケアマネジャーについては、下記記事で詳しく解説しています。資格取得の流れなども解説しているので、参考にしてみてください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)ってどういう仕事?仕事内容や資格取得の流れを解説

介護福祉士の資格を取得する5つのメリットとは?


ここまで介護福祉士についてネガティブな内容が多かったですが、ここからは介護福祉士の資格を取得することで得られるメリットについて解説していきます。

1. 自分のスキルや知識の証明になる|介護のプロフェッショナル

介護福祉士は介護系の資格で唯一の国家資格であることはすでにお伝えした通りです。ケアが必要な方を直接介護するには、相応の知識や技術が必要であるということです。

現状では介護福祉士の資格を持っていなくても利用者の支援ができますが、この先もずっとそうとはいえないでしょう。介護福祉士の試験では、介護の基本のほか障がいや認知症の理解、こころとからだのしくみや医療的ケアについての内容が出題されます。

厚生労働省の社会保障審議会でも介護の実践者として、それぞれが有する知識・技術に応じた役割を担う必要性について報告されています。介護福祉士は介護の専門家としてのゆるぎない証しであるといえます。

2. 将来性が高くこれからも活躍できる

高齢化がすすむ日本ではこれからますます介護の需要は高まることが考えられます。特に介護のプロフェッショナルである介護福祉士はこれからさらに必要とされるでしょう。

介護業界の人手不足が叫ばれ政府も本腰を入れて改善をすすめています。介護福祉士は今後の将来性も高くキャリアアップも見込めるため、長く業界で活躍できる資格であるといえます。

3. 資格手当などで収入UPが見込める

たとえば同じ業務を担っている無資格の介護者と介護福祉士では、給与に差がでる可能性が高いことが上げられます。事業所によりますが、資格手当を設定しているところも多いです。

介護福祉士の資格があるだけで手当がつくこともあり、さらにリーダーなどの役職がつけばその分アップすることが期待できます。

さらに上述したように介護福祉士に適用される特定処遇改善加算もあります。

4. キャリアアップに役立つ

介護福祉士の資格を持っていれば、将来的に管理職への昇進も見込めます。無資格であればその可能性は低いでしょう。リーダーなどの役職を経て、施設長などへのステップアップもありえます。

上述したようにケアマネジャーも視野に入れることができます。ケアマネジャーの資格取得には指定の国家資格が必要ですが、介護福祉士も含まれるため介護福祉士として実務経験を積むことで介護以外の仕事も選択肢に入れることが可能になります。

5. 転職にも有利に働く|即戦力として働ける

介護福祉士は上述したように介護に関する専門的な知識・技術を持っているという証明でもあります。そのため、転職する際も有利になり採用されやすいことがいえます。

専門職のため即戦力として活躍できる介護福祉士は需要も高く、より良い条件の職場を探すのに役立つでしょう。

介護・リハビリなどの転職はリジョブケア

介護福祉士の資格取得を目指すには? 3つのルートを解説

 

介護福祉士の資格取得には将来性も含めたメリットも多いことがわかりました。これから介護福祉士を目指すにはどうすればいいか気になりますよね。

ここでは介護福祉士を目指すルートについて、3つ紹介していきます。

介護福祉士の資格取得についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
介護福祉士になるには?|国家試験の難易度やおすすめの勉強法を紹介

1. 実務経験ルート

すでに介護の仕事に従事されている方におすすめなのが、実務経験ルートです。

介護福祉士の試験には受験資格が必要であり、その一つが「従業期間3年以上、従事日数540日以上」です。この条件に加え、実務者研修を受けるか介護職員基礎研修を修了している者に限り喀痰吸引等研修を修了することで資格を得ることができるものです。

実務経験ルートについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
介護福祉士国家試験の実務経験ルートを解説|実務経験に認められるお仕事とは?

2. 養成施設ルート

2つ目は養成施設を経るルートで、養成施設とは厚生労働大臣指定の4年生の大学や短期大学・専門学校などを卒業することで受験資格を得ます。

養成施設ルートについては以下の記事で詳しく解説しています。学校に通う時間や費用がある方におすすめです。
介護福祉士の養成施設ルートとは?|養成施設の種類を紹介

3. 福祉高校系ルート

3つ目は福祉系の高校を卒業するルートです。福祉系の高校を卒業するか、学校教育法が定める学校で、文部科学大臣・厚生労働大臣指定の特例高校を卒業したのち、9か月以上の実務経験を積む方法です。

福祉系の高校を必要な科目・単位を取得し卒業している場合、実技試験が免除されます。

介護福祉士の資格取得はメリット多し! 自分に合ったルートで目指そう


介護福祉士は介護の専門知識を持った国家資格保持者であるにも関わらず、給与が低い、資格がなくてもできるというイメージのもと、資格取得をしても意味がないといわれることもありますが、やりがいがあり、将来性もあることがわかりましたね。

今後社会的に必要とされる仕事であることは間違いがなく、キャリアアップも見込める資格なので興味を持った方はぜひ資格取得を目指してみましょう。

引用元URL
令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省
介護福祉士国家試験 受験資格|社会財団法人 社会福祉振興・試験センター
受験資格 養成施設ルート図|社会財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士国家試験 福祉系高校|社会財団法人 社会福祉振興・試験センター

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