【先輩教えて! 独立への道筋 vol.1】スタジオレゾナンス代々木公園 院長 中込慶一さん「自分の経験が最も生かせる施設を」
柔道整復師、鍼灸師、スポーツトレーナなど、健康思考の高まりとともに注目を集める「ヘルスケア」のお仕事。いずれは自分も独立したい、と考えている方も多いのでは? 当企画はそんな方たちのために、すでに独立して活躍中の先輩たちに経験談やアドバイスをインタビュー。開業までの経緯から、開業後のメリットや問題の対処法など、経験したからこその話をお届けします。
お話をお伺いしたのは…
スタジオレゾナンス代々木公園
院長 中込慶一さん
柔道整復師だけでなく、国際基準カイロプラクティック資格<Doctor of Chiropractic(D.C.)>など、数々の国際資格をもつ。「国際基準のカイロプラクティック」と「パワープレート専門のパーソナルトレーニング」を2本柱に据えた「スタジオレゾナンス代々木公園」を2017年に開業。慢性的な痛み、自律神経失調症、運動パフォーマンスアップなど幅広いニーズに対応している。日本に800名程度しかいないという国際基準の技術とパワープレートとを掛け合わせた独自のスタイルが注目浴び、メディア出演も多数。
自身の経験を活かした独自性の高いサービスで勝負
――まずは、これまでの経歴を教えてください。
2008年に日本体育大学医療専門学校(旧 日体柔整専門学校)を卒業し、柔道整復師の資格を取得しました。Power Plate Tokyoに2年ほど勤めた後、より質の高い治療を目指して2011年にTCC(東京カレッジオブカイロプラクティック)へ入学。2014年にはRCU(スペイン王立マリアクリスティーナ中央大学)へ短期留学をしました。
2015年にTCCを首席で卒業すると同時に、国際カイロプラクティック資格(Doctor of Chiropractic)を取得。その後は2年ほどカイロプラクティック新御茶ノ水外来センターに勤めて、2017年にスタジオレゾナンスを開業しました。2019年からはPLT協会の講師も務めています。
――独立を決めた理由を教えてください。
親が経営者だったこともあり、自分も起業をするのだろうと思いながら学生生活を送っていました。会社員として働いている中で、色々な経験をさせて頂き、自分の中でやりたいことや社会に貢献できることが明確になり、今までに無いサービスが提供できるという確信が持てたので、目標としていた30歳で独立しました。
治療院の業界は独立する人が多い業界でしたので、先輩や同級生にも良い刺激を受けながら色々な情報交換ができたこともそれを後押ししてくれたと思います。
――ご自身のご経験が今のオリジナリティあるスタイルに直結しているんですね。独立まではどのような段取りで進められたんですか?
目標としていた30歳での独立となるよう、2017年の4月開業を目指して準備を進めていきました。2016年頭から具体的に必要な設備や費用、サービス内容を明確化する作業しつつ、9月頃から物件探しを開始。翌年1月に物件を契約して、2月から内装工事が始まり、並行してオープンチラシの作成もしていました。3月末に内装が完成して、3月最終週からプレオープンというスケジュールでした。勤めていた会社には、患者様の引継ぎなども含めて開業の前月まで在籍していたので、通常の勤務をしながらの開業準備でした。
――開業までに一番大変だったことは?
物件探しですね。これに関しては運の要素が強いですが、不動産屋さんとしっかりとコミュニケーションをとっていたことが良かったと思います。広さなど理想的な物件に巡り合えました。
「独立」とは、アイデアを形にできる挑戦の場
――独立後、苦労したことはどんなことですか?
お客様にお店やサービスを知ってもらうことがとても大変でした。私が開業しているエリアはポスティングの反応が非常に低く、安定した集客になるまでには予想よりも長い時間がかかりましたね。
――どのように対処されたんですか?
私たちのサービスや健康に関わる専門的なブログの更新、お客様の紹介を増やすということに取り組みました。健康のお悩みについて分かりやすく、かつ専門的な内容を発信していくことで、より身近に感じて頂くことができていると思います。
――ブランディングとも深く関わってくることですね。
そうですね。私たちの強みとしては、1つめに通常の治療スペースの約1.5~2倍の広さを確保した施術ルームとトレーニングスペースがあり、開放感がありながらパーソナル感のある施設であるということ、2つめに日本に約800人しかいない国際基準のカイロプラクティックの資格を持っている施術者だということの2点が挙げられます。ですからこの強みをホームページやSNSに発信しています。また、自宅でできるエクササイズの動画や健康情報を配信するチャンネルもつくっています。
――独立おいて大切だと思うことは?
これを自分でやりたいということを普段から考えて行動していくことで、自然とそれに必要な情報が集まり、その結果として独立になると思います。
――独立してみて感じたメリットは?
自分たちにしかできないことに挑戦できることは大きなやりがいを感じられるところです。 またオーナーになったことで、様々な業界の経営者の方々と知り合う機会が増え、意見交換やコラボレーションができるようになり、ビジネスの幅が広がっていることも独立して良かったと感じています。
中込さんの考える「開業準備に大切なこと」
「私たちの業種のようにお客様が実際にお店に来られるようなエリアビジネスなら、まずは提供するサービスの強みとターゲットを明確化することが大切です。」と話される中込さんに、しっかりと考えておいた方がよい開業準備のポイントを聞きました。
1.出店場所や地域の特徴、ホームページ、広告など
2.動線を考えた店内の設計、備品、お客様のマネジメントなど
3.経費や価格設定
1は、お客様をお店まで誘導するために必要なこと。集客の導線を予め描いておくとよいそう。2は、お客様が実際に来店された時に必要なこと。いざ開店した後に、お客様同士がぶつかる、あれが足りない……などのトラブルがないよう、事前にしっかりとシュミレーションした上での店内設計、備品発注が大切なんですね。3については、いわずもがな。実際に走り出してみたら……ということがないよう、かかる経費と価格設定のバランスを熟考しておくことことは必須のようです。
――最後に、独立を目指す人たちへアドバイスをお願いします。
「開業の準備は、このように要素を分けて準備をしておくと整理しやすいと思います。実際に独立してみると、予想もしないような出来事がたくさん起こりますが、初心を忘れずに挑戦しているとそれにも勝る楽しいことやチャンスに巡り合えるので、ぜひ熱意を持って取り組んでいただければと思います。」
(スタジオレゾナンス代々木公園 院長 中込慶一さん)
取材・文:細川光恵
Salon Data
スタジオレゾナンス代々木公園
住所:東京都渋谷区上原1‐7‐20サエグサビル代々木公園4F
電話:03-5453-8330
URL:https://powerplate-news.com/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC8Sv02sPxP9vJzNgYlho-_g