福祉用具専門相談員の筆記試験とは? 難易度や合格率はどれくらいなの?
福祉用具の専門家である福祉用具専門相談員になるには、指定講習を受けて、受講最後におこなわれる修了評価試験に合格する必要があります。しかし、修了評価試験は難しいのではないか、合格率はどれくらいなのだろうかと思う人もいるのではないでしょうか。
今回は、福祉用具専門相談員の修了試験の概要や指定講習会を開催しているスクール、修了試験の難易度や合格率などについてご紹介します。
福祉用具専門相談員の筆記試験とは?
福祉用具専門相談員の指定講習会では、受講最後に筆記試験である修了評価試験がおこなわれ、合格すると資格を取得することが可能です。まず、はじめに福祉用具専門相談員の筆記試験についてご紹介します。
福祉用具専門相談員指定講習の最後に受ける修了試験のこと
修了評価試験とは、福祉用具専門相談員の指定講習を受講したときに、講習の最後に実施される試験のことです。都道府県が指定した研修機関において、50時間の講義を受講したあとに実施されます。
修了試験を受ける方法|福祉用具専門相談員指定講習会を受講しよう!
福祉用具専門相談の修了試験を受けるには、指定講習会の受講が必要です。受講資格はとくにないため、通えるスクールに申し込みをすれば、誰でも受講できます。
申し込む前に|社会福祉士・介護福祉士・看護師などは資格を取得しなくてもお仕事ができる
指定講習会は誰でも受けられますが、以下の国家資格をすでに持っている人は指定講習や修了評価試験などを受けることなく、福祉用具専門相談員として仕事に従事できます。
・介護福祉士
・社会福祉士
・保健師
・看護師
・准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・義肢装具士
これらの国家資格がある人は福祉用具に関する知識があるとみなされるため、指定講習会の受講は必要ありません。
指定講習はどこで受けられるの?|都道府県指定の研修機関
指定講習は全国の都道府県が指定した研修機関で受けることが可能です。在住地で指定講習が受けられるかどうかは、それぞれの都道府県のホームページの情報から検索する必要があります。
ただし、都道府県のホームページでも研修機関が網羅されていない場合もあるため、自身でインターネット検索をしたり、行政機関の担当者へ直接確認したりするようにしましょう。ここでは指定講習が開かれている機関をご紹介します。
未来ケアカレッジ|福祉用具専門相談員指定講習
介護資格専門スクールの「未来ケアカレッジ」では、指定講習会を全国の校舎で開催しています。東京以外にも校舎があるので、関西地方などでも受講することが可能です。受講期間は週1回・7日間、テキスト代込みの受講料はキャンペーンで税別34,500円となっています。
C-ライフラボ|福祉用具専門相談員指定講習会
東京・秋葉原に校舎があるC-ライフラボでも、指定講習会を週1回の講義で仕事と両立をしながら受けられます。仕事で欠席した日があっても、別のコースで振替ができるサポートもあるので安心して講習を受けられるでしょう。
修了試験の問題はココから出る! 指定講習ではどんなことを学ぶの?
指定講習ではどんなことを学ぶのか気になる人も多いのではないでしょうか。修了試験の試験範囲となる、指定講習で学ぶ内容について解説します。
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割
福祉用具とはなにか、どんな種類があり、高齢者はどのような場面で福祉用具を使うのかを理解しなければなりません。さらに自立支援の立場や考えから、福祉用具専門相談員に求められる役割や仕事内容を把握していきます。
介護保険制度等に関する基礎知識
介護保険制度の仕組みや地域包括ケアの考え方を捉え、介護サービスを提供する側として、どのような視点が必要なのかを学びます。介護保険制度のもと、地域包括ケアの一員としての自覚も養うのです。
高齢者と介護・医療に関する基礎知識
適切な福祉用具を提供するために、高齢者などの心身の特徴や認知症利用者への理解、リハビリテーションの考え方を理解していきます。具体的には、高齢者を取り巻く生活やADL・IADLの考え方、利用者にとってどの福祉用具が最適なのかを学ぶのも大切なポイントです。さらに利用者の住環境に対するとらえ方や、住宅改修の目的・手続き手順なども勉強します。
個別の福祉用具に関する知識・技術
ADLや日常生活に応じた福祉用具の種類や機能・構造を学び、対象者にとってどの福祉用具が最適かを知り、心身状態に応じた利用方法などを習得します。
福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識
この項目では、福祉用具を利用者に供給するときの流れや貸与計画の作成・活用方法などを学びます。貸与計画だけでなく、それを他職種と活用していく方法や計画の評価や変更など、モニタリングの方法も勉強していくのです。
福祉用具の利用の支援に関する総合演習
事例を通して福祉用具貸与計画などの作成から活用まで、一連の流れの演習をおこないます。利用者や利用者家族へ向けて、またサービス担当者会議などでの説明とモニタリングなどをロールプレイングや演習形式で支援技術を習得できるようになっているのが特徴です。
修了試験の難易度や合格率はどれくらいなの?
福祉用具相談専門員指定講習が受けられる、おすすめのスクール・教室をご紹介します。あわせて、修了試験の難易度や合格率も確認しておきましょう。
申し込む前に|社会福祉士や看護師は受講しなくてもお仕事ができる
スクールでおこなわれる指定講習会に申し込む前に注意したいのが、看護師や介護福祉士・社会福祉士などの国家資格保有者は、指定講習を受けなくても福祉用具専門相談員として仕事ができるということです。自分が該当する資格があるか、事前に必ずチェックするようにしましょう。
おすすめスクールを紹介!
指定講習会を実施している、おすすめスクールの一例を紹介します。ここに挙げた以外でも全国にスクールがありますので、各自治体の研修機関を必ずチェックするようにしてください。
未来ケアカレッジ|福祉用具専門相談員指定講習会
介護資格取得の専門スクールである未来ケアカレッジの指定講習会は、関東・東海・関西・九州地方で受けることができます。週1回通学で全7日間を学びますが、土・日に開講しているところもあり、働きながら通学することも可能です。
出典元:未来ケアカレッジ
お茶の水ケアサービス学院|福祉用具専門相談員指定講習会
東京・大阪で指定講習会が受けられるお茶の水ケアサービス学院は、テキスト代込・税込3万9,600円で受講できるのが特徴です。専門の講師陣がそろい、研修実績も業界首位となっています。なにより研修が終わってからも、フォローアップ研修が受けられるのが魅力です。
出典元:お茶の水ケアサービス学院
C-ライフラボ|福祉用具相談員指定講習会
東京・秋葉原にあるC-ライフラボは、校舎の立地もよく、働きながら楽に通学することができます。初任者研修や喀痰吸引研修なども教える講師が担当になるため、より実践的な講義や演習を受けることが可能です。
出典元:C-ライフラボ
日本キャリアパスアカデミー|福祉用具専門相談員 通学講座
埼玉・浦和駅近くに校舎がある日本キャリアパスアカデミーは、より実践的なカリキュラムで福祉用具のプロを目指せます。埼玉県社会福祉協議会が運営する「介護すまいる館」で福祉用具展示場の見学もできるので、さらに実践的な視点で学べるはずです。
出典元:日本キャリアパスアカデミー
三幸福祉カレッジ|福祉用具専門相談員養成講座(通学)
福祉教育の専門校である三幸福士カレッジでは、「学び・演習・習得」の3ステップで確実に実践力をつける講座が受けられます。介護職員初任者研修と同時に申し込むことで、福祉用具専門養成講座が20%割引で受けられる特典もあり、スキルアップを目指す人にもおすすめです。千葉・船橋クラスや愛知の名古屋駅前クラスなど、全国の教室で講座が開催されています。
出典元:三幸福祉カレッジ
今回ご紹介したどの指定講習でも、決められた50時間のカリキュラムを修了する必要があり、受講の最後には「修了評価」という筆記試験がおこなわれます。
この試験に合格すると福祉用具専門相談員として業務にあたることができますが、試験の難易度はそれほど高くはありません。
試験時間は1時間で、これまでの講習をしっかり受けていれば、試験に合格できます。合格率も公表はされておらず、あくまでも指定講習が習熟できているかの判定をする意味合いが強いと考えてよいでしょう。
福祉用具専門相談員の仕事内容を理解して資格を取得しよう!
今後、介護を受ける高齢者も増え、福祉用具専門相談員が活躍する機会も増えていくでしょう。
福祉用具貸与事業所にも、必ず2名以上の福祉用具専門相談員の配置が求められているので、将来性はじゅうぶんにあります。
福祉用具専門相談員を目指すなら、指定講習をしっかりと受講し修了評価試験に合格することが必要です。介護・福祉分野でスキルアップをするためにも、仕事内容をじゅうぶん理解して資格を取得していきましょう。
出典元:
一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会についてのQ&A
一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会 福祉用具専門相談員指定講習における目的、到達目標及び内容の指針