ホテルコンシェルジュとは?年収・必要なスキル・キャリアアップの方法・おすすめ資格まで解説
一流ホテルや高級ホテルで見かけることも少なくない「ホテルコンシェルジュ」。フロントとは別の窓口でお客様対応をしており、困りごとや要望を快く受け止め、解決策や案内などを行っています。
この記事では、そんなホテルコンシェルジュにスポットをあて、気になる年収やスキル、キャリアアップの方法、おすすめの資格などを紹介します。魅力や適性についてもお伝えしますので、関心のある方はぜひ最後までご覧ください。
ホテルコンシェルジュとは?

ホテルコンシェルジュとは、ホテルに宿泊するお客様の要望を聞き入れ、さまざまなサポートをする接客のプロです。高級ホテルなどでは、フロント係とは別にコンシェルジュを配置しているところもあり、お客様がより快適に過ごせるようおもてなしをしています。
仕事内容
ホテルコンシェルジュは、お客様の要望に可能な限り応えることが仕事です。その業務は多岐にわたり、あらゆる手を尽くします。以下は、ホテルコンシェルジュが受けるお客様からのリクエストの一例です。
・荷物の運搬・受取・発送
・記念日や誕生日のサプライズ演出
・観光地や周辺エリアの案内
・交通機関やレストランの予約代行
・コンサートや舞台のチケットの手配 など
このほかにもさまざまな要望があり、最善を尽くしても応えられない場合は、代替案を提案することが求められます。
ホテルコンシェルジュの年収や月給はどれくらい?

厚生労働省が運営する「job tag」によると、ホテルコンシェルジュを含む「接客担当(ホテル・旅館)」の年収は、338万3,000円です。ただし、このデータには、ホテルや旅館の接客係やドアマン、ベルスタッフなども含まれています。
また、令和6年の賃金構造基本統計調査では、接客担当(ホテル・旅館)は「身の回りの世話従事者」として、フロントや客室清掃員などと共に分類されています。
このデータによれば、毎月きまって支給する現金給与額は25万9,500円。年間賞与額(ボーナス)は26万8,800円です。専門性の高いホテルコンシェルジュの月給や年収は、もう少し高い可能性があります。
また、地域や経験年数、ホテルのグレードによっても大きく異なるでしょう。
引用元
job tag|接客担当(ホテル・旅館) - 職業詳細
e-Stat|賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
日系と外資系でも違いがある
日系ホテルでコンシェルジュを専任で配置しているのは、老舗・高級ホテルなどごく一部で、それ以外のホテルのコンシェルジュは、フロントと兼務するところが多いです。
そのため、幅広い業務を担うコンシェルジュの仕事をしながらも、役職は一般スタッフ(フロント)として扱われ、給料が低めの傾向にあります。
一方外資系ホテルは、フロント係とは別にコンシェルジュを配置しているのが一般的。フロント係よりも給料がいい分、対応力や語学力などが高いレベルで求められます。
また、外資系のホテルでは、お客様にチップをもらえることもあり、給料に影響を与えるケースも少なくありません。ただし、チップ制度はホテルによって決まりがあるため、コンシェルジュが受け取れないこともあります。
ホテルコンシェルジュになるには?どんなスキルが必要?

ホテルコンシェルジュになるために、必要な学歴や資格はありません。しかし、就職後すぐにコンシェルジュになれるわけではなく、さまざまな部門で段階的に経験を積み、コンシェルジュを目指すのが一般的です。
また、必須資格はなくとも、お客様に接するプロとしてさまざまな能力が求められます。次項でホテルコンシェルジュに必要なスキルについて、詳しく見ていきましょう。
接客スキル|正しい言葉遣いやおもてなしなど
お客様の要望を聞き取り、それに応えるプロとして接客スキルが必要です。正しい言葉遣いはお客様に安心感を与え、ホテルマンとして信頼してもらうことができます。また、お客様が話しやすい雰囲気を作ることも大切です。
そして、お客様がより快適に過ごせるように工夫したり、喜んでいただくための最善の方法を考えたりするほか、応対時の心遣いなどおもてなし精神も欠かすことができません。
語学力
ホテルには、日本人以外にもさまざまな国の人が訪れます。近年はインバウンド需要も高いため、英語や中国語をはじめとした語学力が必要です。語学力といっても単なる日常会話レベルではなく、ホテルコンシェルジュには観光案内ができる堪能さが求められます。
さらに、お客様の意図や感情を汲み取り、丁寧かつ適切な表現で多様なリクエストに対応できるとなおよいでしょう。
コミュニケーション能力
お客様の要望を的確に把握し、最適な提案をするためにはコミュニケーション能力が必須です。会話のなかでお客様の好みや予算などを聞き出し、お客様の期待を上回る提案ができるように努めなければなりません。
コミュニケーション能力は、お客様との信頼関係を築くことにも役立つため、どんなお客様でも円滑にやり取りができるようにしておきましょう。
柔軟な対応力
お客様のなかには遠慮がちな人や言葉にするのが苦手な人もいて、本来の要望をうまく伝えられないこともあります。ホテルコンシェルジュはそういった人たちの心情を察し、柔軟に対応しなければなりません。
ほかにも、なにかトラブルが起きたときや、要望通りにはできないときなど、臨機応変な対応が求められる場面は多いです。急な予定の変更や難しい要望に対しても、できる限りの手を尽くします。
お客様に満足してもらうために、迅速に代替案を考えたり、スケジュールを調整したりする力も必要です。
情報収集力
周辺施設や観光名所、お客様に合ったレストランなどといった情報を収集する力も、ホテルコンシェルジュに欠かせないスキルです。飲食店は移り変わりが激しいので、常に新しい情報を収集しておく必要があります。
また、目的地までのルートや混雑する時間帯なども把握しておくと、お客様にとって有益な情報となるでしょう。その日の天候やニュースなど細かな情報も、役立つ場面があります。
ホテルコンシェルジュが年収アップ・キャリアアップを目指すには?

ホテルコンシェルジュは、フロントや一般スタッフからキャリアをスタートし、多くの経験を積んでから昇格するのが一般的です。
そこからさらにキャリアアップし、年収を上げるにはどのような方法があるのでしょうか。ホテルによってキャリアパスは異なりますが、以下で年収アップやキャリアアップの目指し方をいくつか紹介します。
チームリーダーやサービスマネージャーを目指す
ホテルコンシェルジュとしてさらに経験を積み、コンシェルジュチームリーダーやサービスマネージャー(サービス部門長)を目指す方法があります。
チームリーダーは、若手コンシェルジュの育成や、サービス品質の向上などに携わり、マネジメントのスキルを身につけていくポジションです。コンシェルジュを率いる人材として、収入アップが狙えるでしょう。
サービスマネージャーは、コンシェルジュの仕事だけでなく、ホテル全体の業務を知る必要があるため、ホテル内の他の部門でも経験を積む必要があります。サービス全般を統括する管理職として、キャリアアップにつながるでしょう。
専門性を高めてスペシャリストになる
特定の分野におけるコンシェルジュとしての専門性を高め、スペシャリストになる方法もあります。
イベント演出に強いコンシェルジュや海外ゲスト・VIP対応を得意とするコンシェルジュなど、自分に合ったスキルを磨くことで、ほかのホテルでも必要とされる人材になりうるのです。
外資系ホテルや一流ホテルに転職する
より高度なスキルを必要とする外資系ホテルや一流ホテルへの転職で、自身のスキルアップやキャリアアップが狙えます。とくに外資系ホテルは、海外にキャリアを広げられる可能性があるため、コンシェルジュとしてさらにスキルを磨けるでしょう。
ホテルコンシェルジュのキャリアアップに役立つ資格

必須資格がないホテルコンシェルジュでも、仕事に活かせる資格が多数あります。キャリアアップにも役立つため、取得しておくのがおすすめです。
接客やマナーに関する資格
ホテルコンシェルジュに欠かせない接客やマナーのスキルを習得できる資格は、次のようなものがあります。
実施団体 |
資格名 |
日本ホテル・レストランサービス技能協会 |
レストランサービス技能検定 |
実務技能検定協会 |
サービス接遇検定 |
日本サービスマナー協会 |
接客サービスマナー検定 |
日本マナー・プロトコール協会 |
マナー・プロトコール検定 |
実務技能検定協会 |
秘書検定 |
ホテルの実務に関する資格
ホテルマンとして、仕事に役立つ資格で代表的なものは以下の2つです。
実施団体 |
資格名 |
日本ホテル教育センター |
ホテルビジネス実務検定試験 |
サーティファイホテル実務能力認定委員会 |
ホテル実務技能認定試験 |
語学に関する資格
語学力を証明する資格は、次のようなものがあります。
実施団体 |
資格名 |
国際ビジネスコミュニケーション協会 |
TOEIC |
中国政府教育部 |
HSK(中国語検定) |
韓国教育財団 |
TOPIC(韓国語能力検定) |
全国語学観光ビジネス教育協会 |
観光英語検定 |
ホテルコンシェルジュのやりがいや魅力

お客様のリクエストに応えるホテルコンシェルジュは、とても魅力的な職業です。ここからは、ホテルコンシェルジュのやりがいや魅力について紹介します。
お客様を喜ばせることができる
お客様の要望や期待に応え、喜ばせることができるのは、ホテルコンシェルジュの大きなやりがいです。お客様の特別な日に関わることもあり、満足してもらえたときには達成感も得られます。「ありがとう」と直接言われることで、モチベーションにもつながるでしょう。
お客様の喜びが自身の喜びになる人は、ホテルコンシェルジュの仕事が天職になるかもしれません。
さまざまな人と関わることができる
年齢や性別、国籍の違うさまざまな人たちと関わり、自身の視野が広がったり、異文化や新しい価値観に触れたりすることができるのも、ホテルコンシェルジュならではの魅力です。
日々新しい出会いに恵まれ、自己成長のきっかけとなる出来事も多々あります。
誰かと関わることが好きな人にとっては、とても魅力的な仕事です。
幅広い知識やスキルが身に付く
お客様の要望を叶えるために、観光地や歴史、他国の文化、マナーなどあらゆるジャンルの情報を収集するため、幅広い知識が身に付くという魅力もあります。また、仕事を通じて接客マナーやコミュニケーションスキルを高めることもできるでしょう。
ホテルコンシェルジュに向いている人の特徴

ホテルコンシェルジュに求められるスキルは前述したとおりですが、学校で学んだり、仕事を通じて身につけられるものも多いです。しかし、そういったスキルを身につけるうえでは、向き不向きも少なからず影響します。
ここからは、どんな人がホテルコンシェルジュに向いているかを紹介しますので、自分に適性があるかをチェックしてみましょう。
人と話したり喜ばせたりすることが好きな人
お客様に関心をもって話を聞き、共感したりさらに話を引き出したりしながら応対することで、信頼関係を築きやすくなるため、人と話すことが好きな人に向いている仕事です。
また、相手を喜ばせることが好きで、最善の方法を考えたり、人に尽くしたりすることにやりがいを感じる人にも適しています。
勉強熱心な人
お客様のさまざまなリクエストに応えるには、幅広いジャンルの知識を学ばなければならないため、勉強熱心な人は適性があるといえます。
また、常に新しい情報にアップデートする必要があるので、あらゆる分野にアンテナを張り、自分で調べる力を持つ人にも適しているでしょう。
状況に応じて物事を柔軟に考えられる人
お客様の要望は1つとは限らず、不変でもないため、予定の変更や急ぎの調整が必要になることもあります。そういった場面に接した際に、迅速に次の案を考えたり、状況に合わせた対応ができたりする人にも向いている仕事です。
ホテルコンシェルジュの将来性

近年のホテル業は、セルフチェックインやAIによるサービスの活用が増えています。一方で、お客様に寄り添った対応が求められる場面も少なくありません。
とくに、観光ニーズが高い土地や高級ホテルなどは、柔軟で細やかな気配りができるコンシェルジュが必要とされています。インバウンドが増えている日本ではおもてなし文化が根強く、きめ細やかなサービスの需要はさらに高まる可能性大。
人の気持ちに寄り添った温かみのある対応は、AIにはできないため、将来性はあるといえるでしょう。
ホテルコンシェルジュはお客様の要望を叶えるプロ!スキルを磨いて年収アップを目指そう

ホテルコンシェルジュは、宿泊するお客様がより快適に過ごせるよう、さまざまな要望を叶える接客のプロです。老舗や高級ホテル、外資系ホテルでは専任として配置されることが多く、それ以外のホテルではフロント係などと兼務するのが一般的。
専任のコンシェルジュは、フロント係よりもさらに専門性が高く、対応力や語学力が高いレベルで求められる分、給料も高めの傾向があります。
経験を積んで若手の育成に携わったり、チームをマネジメントする立場になれば、年収アップも期待できるでしょう。また、コンシェルジュとして得意な演出やゲスト対応のスキルを磨けば、キャリアアップを目指すことも可能です。
ホテルコンシェルジュになるのに必須の資格はありませんが、さまざまなスキルが求められるため、役立つ資格を取得しておくとよいでしょう。





