コロナ禍でも高い需要を得る「復元パーマ」の作り方【美容師のパーマ技術 MAGNOLiA SHINさん #2】

前編に続き、パーマに定評のあるヘアサロン『MAGNOLiA』の表参道店 代表・SHINさんインタビュー。

前編では、MAGNOLiAのパーマへのこだわりと、コロナ禍で高いメリットを感じたという「復元パーマ」について教えていただきました。

後編では、そんな「復元パーマ」の詳しい作り方をSHINさんがレクチャー。2カ月後のカットでパーマが復活するという「復元パーマ」のポイントは、アップステムで作るSカール! トレンド感をおさえた顔周りのデザインも必見です。

MAGNOLiA
SHINさんにインタビュー


表参道店 代表。美容師歴13年。日本美容専門学校卒。MAGNOLiA新卒第一号として入社。現在は表参道店の代表を務める。長く楽しめるパーマ技術を武器に、ファッション誌の撮影やセミナーの講師活動にも携わっている



SHINさんのインスタグラム

MAGNOLiA SHINさん流『復元パーマ』とは?



次回来店時にカットしてもパーマが戻るという「復元パーマ」。ポイントは、ミドルセクションに入れた、中間から動きの出るSカール。ダウンステムとアップステムを混ぜて高低差を作ることで、パーマならではのフォルムが楽しめるデザインに仕上がります。

顔周りと前髪のリッジ強めのカールが、トレンド感バツグン!

そんな今回のデザインについて、まずは施術のポイントをチェックしましょう!

『復元パーマ』の施術ポイント


1. ミドルセクションの内側にオンベースで2回転のカールを入れる

2カ月後にカットしてもパーマが残るように、アップステムで2回転のスパイラル巻きをプラス。中間から動くSカールは、カット後も上のカールが残ってくれます。

2. セクションごとにスライスの厚みを均一にする

キレイなカールを作るためには、スライスのピボットポイントの厚みをセクションごとに揃えることが大切。厚みによって、形状やボリューム感がコントロールできます。

3. カールに高低差を作り、ズレを生み出す

全体のフォルムをキレイに見せるコツは、カールにズレを作ること。隣り合うカールがぶつかると形状が乱れるので、スライスをジグザグに取り、ダウンステムとアップステムを交互に組み合わせて、高低差を持たせましょう。

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ポイントを押さえたら、HOW TOをチェック! 今回のスタイルの全工程を詳しく解説します。

HOW TO

BEFORE

柔らかい髪質で、ややクセがあり膨らみやすい。トップはペタッとしがちなタイプ。

カットのポイント


アウトラインはスクエアで、外ハネになるようにカット。表面は低めにレイヤーを入れて丸く角を落とし、パーマをかけたときにズレが生まれるようにする。毛量調整は、パーマで曲げたい中間から間引く。ミドルセクションは毛先を軽くし過ぎないように注意して、中間からスライドカット。

顔周りは、もみあげに奥行きが生まれるように、インナーレイヤーを入れる。前髪の延長でサイドバングと内側のもみあげを取り、つなげてカット。

1.セクショニング

イヤートゥでフロントとバックに分ける。バックサイドは、オーバー、ミドル、アンダーでセクショニング。

オーバーセクションは質感と根元の立ち上がりを作るところ、ミドルセクションは耳うしろのボリュームとフォルムの要、アンダーセクションは長さを決めるところ。それぞれの役割を踏まえたセクショニングと巻き方で、再現性も高くなる。

2.アンダーセクションを巻く

重要なセクションから巻き始める。今回はボブなのでアンダーセクションから。
三角ベースで、スライス線と平行にパネルを取る。14mmロッドを使用し、上段は2回転、下段は1.75回転のリバース巻きに。
上段はくびれのある外ハネSカール、下段は外ハネCカールになり、広がりのあるシルエットに。

3.ミドルセクションを巻く

フロントオーバーセクションを取っておき、顔周りから巻いていく。
サイドバング~もみあげをまとめて取り、17mmロッドでリバースに中間巻き2回転。まとめて巻くことで、インナーレイヤー部分は1.5回転と同じ形状に。リバースにすると顔周りに空間が生まれ、マスクとも相性◎。

耳うしろから、三角ベースでジグザグにパネルを取る。17mmロッドを使い、下段はダウンステムでフォワードに2回転の中間巻き、上段はアップステムでリバースに2回転のスパイラル巻きに。

後頭部の3パネルは、ロッドを20mmにしてボリュームを出す。

4.オーバーセクションを巻く

オーバーセクションは、23mmロッドを使用。サイドバングと顔周りの髪をまとめて取り、ダウンステムでフォワードに2回転の中間巻き。顔周りに毛が落ちて、そのまま後ろに流れるフォルムに。

後ろ側2本は、アップステムでリバースに2回転の中間巻き。今回はアンダーのボリューム感がメインのため、表面は動かし過ぎない。ボリュームがない人は根元まで巻き込んで。

5.前髪を巻く

パーマがかかりやすい前髪は最後に。2段で巻く。表面は20mmロッドを使用し、毛先から根元まで平巻きで巻きこむ。内側は17mmロッドを使用。動きがつくように、同じ厚みで3本に分ける。両端は2回転の毛先巻き、中間は縦に2回転巻く。

6.薬液を塗布してエアウェーブをかける

1液を塗布し、10~15分自然放置して軟化チェック。流してトリートメント後、エアウェーブに入る。ラップをして5分湿熱、チュービングして12分乾燥。乾燥しやすい前髪はチュービングしない。その後、2液を塗布して形状固定し、シャンプー。

巻き上がり


スタイリング

ムースを表面にまんべんなく置き、もみあげ、襟足、インナーから触って内側にしっかり揉み込む。手にあまった分を集めて、前髪をくしゃっと握り、顔周りを整える。ドライヤーで水分を飛ばしてあげると、ベタッとせず潤い感も残った質感に。

仕上がり

夏はウェットなスタイリング剤も◎。乾かし方でフォルムが変えられるので、外ハネも内巻きも楽しめる。

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「毛先に動きが出るダウンステムと、中間から動くアップステムで、高低差によるズレを作るのが、パーマをキレイに見せるポイントです。サイドバングともみあげのインナーレイヤーを一緒に巻くことで、髪を結んだ時にこぼれる毛もいい感じに。これからの季節にぴったりですよ」(SHINさん)

アップステムで巻いたSカールのおかげで、2カ月後にカットしてもパーマの質感が楽しめるという「復元パーマ」。Sカールの重なりで作るパーマデザインは、トレンド感もバツグン! ぜひ参考にしてみてくださいね。

▽前編はこちら▽
「復元パーマ」でリピーター続出! クセ毛風をロジカルに作り上げる『MAGNOLiA』のパーマの秘訣とは【美容師のパーマ技術 MAGNOLiA SHINさん #1】>>

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア:SHIN(MAGNOLiA)
メイク:HINATA(MAGNOLiA)
モデル:青木葉新


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MAGNOLiA Omotesando

住所:東京都渋谷区神宮前6-14-17 2F
TEL:03-6451-1540

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