【SNS活用術】メンズのヘアセット動画は朝にサクッと見られる「3分前後」がベスト！【Hairsalon BREEN Tokyo 鎌田なぎささん】#1
「センター分け」や「マッシュヘア」を得意とするメンズヘア特化美容師・鎌田なぎささん。YouTubeでもメンズのヘアセットを発信しており、チャンネル開設から１年でチャンネル登録者数約2.6万人（2022年2月現在）を誇ります。そもそもYouTubeをはじめた理由が「Tik Tokで詳しく伝えるには限界があったから」とのこと。
前編では、メンズヘアの「ナチュラルスタイル」に絞り込んだ狙い、男性に動画を見てもらいやすい最適な尺について教えていただきました。
教えてくれたのは…
Hairsalon BREEN Tokyo 鎌田なぎささん
メンズヘア特化美容師。センター分けやマッシュヘアなどのナチュラル派スタイルを得意としている。YouTubeチャンネル「鎌田なぎさ【美容師】メンズヘア」では女子ウケをテーマにメンズヘアセットを打ち出しており、チャンネル登録者数は約2.6万人（2022年2月現在）。顧客・視聴者ともに大半が男性で、「モテたい」「おしゃれになりたい」という声が日々殺到。
Instagram：＠nagisa_kamada
YouTube：鎌田なぎさ【美容師】メンズヘア
Tik Tok：nagisa_kamada
ボブよりメンズスタイルの方がSNS上で反響が良かった
──なぜメンズカットに特化したのですか？
以前はボブなどを打ち出していたのですが、なかなか成果が出なくて。しかし、Tik Tokにメンズカットを上げてみたところ、思いのほか数字が伸びたんです。試しにもう一度女の子ヘアを上げてみたんですけど、やっぱり数字が伸びず…。それでメンズスタイルに特化してみることに。
メンズスタイルに特化した経緯としてはSNSの反響をもとにしたことだったのですが、サロンにメンズヘアを専門にしている先輩もいたし、何なら自分も刈り上げなどをするのが好きだったので、メンズヘアには結構前向きでした。
──メンズヘアの方が反響が大きかったのが驚きです。
おそらく、メンズヘアに特化している女性スタイリストがあまりいなかったからだと思います。いたとしても束感をメインにしている方が多かったんです。実は、メンズヘアを打ち出すことにしたときに市場をリサーチして、まだ誰も手を出していない「ナチュラルヘア」に絞り込んだんです。
──メンズヘアの中でも差別化をはかったわけですね。今の客層はほぼ男性客でしょうか？
私の場合は98％が男性です。女性のお客様も数人いらっしゃいますが、カットモデルの頃から通ってくれている方や、マッシュヘアにしたいという女性がほとんどですね。
Tik Tokより詳しくヘアセットを解説したくてYouTubeを開設
ユニセックスなヘアスタイルを得意とする「Hairsalon BREEN Tokyo」。メンズライクなヘアスタイルを求める女性の来店も多く、お客様の男女の割合は5:5くらいなのだそう
──なぜYouTubeをはじめたのですか？
Tik Tokよりも詳しく解説した動画をつくりたくてYouTubeをはじめたんです。
──チャンネルのコンセプトは決めていましたか？
YouTubeではヘアセットをメインにしたかったんです。最初の1本目はカット動画を上げたのですが、よく考えたらカットって需要がないというか、お客様の役には立たないなと感じてやめました（笑）。私のお客様層的には「おしゃれになりたい」「女性に素敵に見られたい」という方が多かったので、そういう方面でヘアセットを推していこうかなと。
──男性は静止画よりも動画の方が見られやすいのでしょうか？
男性が…というよりも世間的にそうなっていますよね。例えば、料理もクックパッドとYouTubeが半々くらいの割合になってきていますし。メンズヘアのセットも同じで、文字で見るよりも動画で見た方が理解しやすいという声がお客様の間でも多いんです。
──ヘアアレンジをわかりやすく解説するコツはありますか？
私は女性なので、代わりにウィッグを使っていたのですが、「美容師がウィッグ（第三者）にヘアセットしても参考にならない、わかりにくい」というお声をいただきまして…。確かに素人さんがプロの手つきを真似するだけでも難しいのに、それを自分の髪の毛でやるわけなので、なおさらですよね。
だから動画の合間に、例えば「アイロンで前髪を巻くときはこう」などと、自分の髪の毛で再現して手本を見せるようにしています。お客様には最初から最後まで一方的にダラダラと説明するよりもわかりやすいと言っていただけます。
あとは、動画を短めにつくっています。
──3分前後と短めなのが良いですよね！
「朝、なぎささんの動画を観ながらヘアセットしています」という方も結構いらっしゃるんですが、実はそれを狙って朝のスタイリングと同じくらいの分数で動画をつくるようにしているんです。みなさんよく「朝は戦争だ」っておっしゃっているので（笑）。
収益がほしい場合は長い動画の方が良いのですが、私の場合はお客様にわかりやすく発信するためにやっていることなので、今のボリュームは変えないでいこうかなと。
アフレコで解説することで作業効率＆トーク内容がアップ
鎌田さんのお客様オーダーの内訳をお聞きしたところ「1位センター、2位2way、3位マッシュ」なのだそう。「センターもマッシュも両方楽しめるように」と、2wayスタイルもYouTubeで発信しています
──ところで、撮影や編集はすべて鎌田さんがお一人で？
そうです。撮影は手伝ってもらうことはありますが、基本は全て自分一人で撮影・編集・アップをしています。
──撮影からアップまでトータルでどのくらいの時間がかかりますか？
まず、撮影が30分〜1時間。ヘアセットの撮影はカットほど時間がかかりませんし、いつもは仕事終わりにパパッと撮影を済ませています。
編集作業は休日に行うことが多いです。私はいつも無駄なことばかり喋っちゃうので（笑）、カット作業だったり、音声を聞き取ってフリップをつける作業が少し大変なんですけど、基本はインドア派なので気分が乗れば1日で終わるときもあります。長くても10時間くらいですかね。絶対に明日アップしてやる！ってときは家にこもって必死に編集作業をしています。
──アフレコというスタイルにしていることも、編集作業の効率アップに役立っているのでしょうか？
自分で編集するのならアフレコの方が楽ですね。喋りながら撮影している動画を編集するよりも作業スピードは早いと思います。
あと、撮影中に喋りながらヘアセットするのが難しかったという理由も実はあります（笑）。3分くらいの動画に整えてから、アフレコで解説を入れた方がわかりやすく伝えられるんです。
メンズ向け動画で成功させるコツ
1.ヘアカットよりヘアセットの方が需要高め
2.ウィッグだけを使うのではなく、自分の髪の毛でも実践
3.朝のスタイリング時に観られるくらいの短い動画がベスト
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Tik Tok動画の延長としてYouTubeに発信の場を広げたようですが、鎌田さんの作る動画は「パッと見られる」というインスタントさをそのまま保っています。見る側にとっても、つくる側にとっても無駄を削ぎ落とし、効率を重視したことも成功の秘訣のようです。後編では「モテ」「女性ウケ」をテーマにした動画づくりのコツをお聞きします。
取材・文／佐藤咲稀（レ・キャトル）
撮影／喜多二三雄
イラスト／なとみ みわ
