ヘアメイクという仕事の楽しさに気づいたブライダルとの出会い【MY DRESSER代表 竹本実加さん】#1

美容業界で働く上で「独立」という目標を持つ人は多いはず。そんな方へ成功している先輩オーナーの経験談を全2回でお届けする本企画。

今回お話をうかがったのは、ブライダルヘアメイクとして多くの花嫁さんたちから支持を集めている「MY DRESSER」の竹本実加さんです。

23歳でフリーランスのヘアメイクとして活動を始めた後、26歳で会社を起業した竹本さん。現在は7名のスタッフを抱え、たくさんの「一生に一度のご依頼」に応えています。

前編では竹本さんのこれまでの道のりと、経営が軌道にのったきっかけ、独立前のアドバイスをお聞きします。

お話をうかがったのは…
MY DRESSER代表 竹本実加さん

株式会社ドリート・クリエーション代表取締役。ブライダルヘアメイク・講師。広告ヘアメイクからブライダルヘアメイクへ転身。海外花嫁のようなエレガントさ、シンプルなリラックススタイルまで、人と差をつける幅広いテイストを提案。また艶感や立体感のあるスタイリングが得意。花嫁様に寄り添ったサポートで支持を集める。
Instagram:@mika.mydresser

挫折からヘアメイクへ。新たな目標を探すなかブライダルと出会う

「ヘアメイクの仕事を始めたのは成り行き任せな部分が大きかったんです」

——まずは開業までの道のりをお聞きします。

中学生のころからずっと美容師になりたくて、20歳で美容師になりました。だけど体育会系の世界にしがみつききれず、1カ月で挫折してしまったんです。

退職してから次の目標が見出せずにいたところ、友人からヘアメイクをしてくれないかと頼まれました。そのとき初めて、美容師以外の美容の仕事に向き合ったんです。でも自分の技術が本当に足りなくて、そこに少し悔しさが生まれて。その悔しさがヘアメイクの道に進むきっかけになりました。

でもその時点では、「ヘアメイクという仕事を極めたい」というところまでは至っていなくて。ヘアメイクサロンに入社して勤務と並行しながら、自分に何が合うのか模索するために、さまざまな美容の資格を取得しました。

——そこからヘアメイク1本になった理由は?

働いているなかで、だんだんヘアメイクの仕事が好きになっていきました。接客の仕事が好きで美容の世界に入ったことを思い出して、そこにやりがいを感じられました。

ただ、ずっと目指していた美容師を超える目標にはなっていなくて。美容師を超える目標を見つけたくて、次のステップアップのために別の美容を学んでみようと転職を考えていたんです。

でもそのタイミングで、指名してくれていたお客様から「ヘアメイク以外の道に進むのはもったいない」という言葉をいただきました。それがきっかけで、フリーランスのヘアメイクとして活動するようになったんです。

——それから3年間フリーランスとして活動し、26歳で会社を興されたんですね。

はい。お客様からきっかけをいただいて、出張ヘアメイクの仕事をするようになり、そこから徐々にフリーランスとして収入を確立できるようになりました。

でもフリーランスとして挑戦していくなかで、自分のキャリアや女性としてのライフプランを考えたときに、少し不安がよぎったんですね。いつまでこういうかたちで働いていくのかという不安と、仕事には挑戦していきたいという気持ちで、葛藤した時期がありました。

そして、「そんな不安の受け皿になるような女性が輝ける場所があったら、自分ができるところまで頑張ってもいいと思えるかもしれない。そんな場所が作れたらいいな」と思うようになりました。

——そのころはまだブライダルヘアメイクではなかった?

はい。ちょうどそのころ海外に行く機会があって、滞在先のカフェで新郎新婦さんが撮影をし始めたんです。カメラマンさんとヘアメイクさんが同行されていたんですが、その2人の笑顔がすごく素敵だったんですね。

それを見たとき、私はそんなに楽しそうにヘアメイクの仕事をしてきたことがなかったと気づきました。美容師を挫折して、そこからどうにか這い上がらなきゃという気持ちが、大きな枷になっていたんですよね。

そして「ヘアメイクって、もっと楽しい仕事なんだ」ということに気づきました。そこでブライダルの道に進もうと決心したんです。

この気持ち、チャンスを逃したくないと思って、会社設立を決意しました。帰国後すぐに司法書士の先生に相談しに行ったことを覚えています。

お客様のことを考えたサービス提案とSNS活用ですぐに経営が安定

竹本さんのInstagramは、カタログのように 美しい花嫁たちのアレンジ写真がずらり

——ブライダルをやろうと決めたタイミングで起業されたんですね。

そうなんです。本当は事業を考えてから起業すると思うんですが、起業しないとこのまま流れてしまうんじゃないかと思って、自分のおしりを叩くつもりで(笑)。自分が逃げないように、決心として会社を設立しました。

——会社を作るときに決めたコンセプトや指針を教えてください。

「自分が大切にしているマインドで幸せを創造し続けること」を目標に、自分の過去の経験からも「女性が輝けるステージを作り、夢を叶える女性を応援する」というテーマを掲げ会社を設立しました。

また、誰かを想う“おもてなし”という言葉がとても好きなんです。社名であるドリート・クリエーションの「ドリート」は、Dream(夢)× Treat(おもてなし)=夢のようなおもてなしという造語です(笑)。

——開業の不安や準備で大変だったことは?

小さくスタートさせたビジネスだったので、開業準備に大変と感じたことはそれほどありません。強いて言うなら、当初はまとまった資金がなかったこともあり、理想ばかりが先走る野望に対して「本当に目標を叶えられる会社にできるのか?」という不安がなかなか拭えず、自分のモチベーションを絶やさないことが一番苦労したことでした。

そういった不安はもちろんありましたが、経営者の大先輩からいただいた「人に喜ばれ人の役に立つことを、信念を持って貫けば失敗なんてしないから恐れるな」というエールの言葉に勇気づけられました。その言葉は本当だったなと、今振り返って感じます。

——経営が軌道にのったきっかけは?

集客に関しては、フリーランスの頃から見様見真似で計画×実行を繰り返してきた事例があったため、比較的スムーズにスタートを切ることができました。

なかでもInstagramは大きかったですね。早い段階からお客様の写真をアップしていたので、Instagramを集客ツールとして活用するのが広まるタイミングには、ある程度フェードができあがっていました。お客様もInstagramをブライダルに関する検索ツールとして活用する方が増えた時期だったので、すごくタイミングが良かったなと思います。

その後もお客様のメリットになる企画を発信していったことから、少しずつ口コミで予約をいただくようになりました。さらに今のメンバーが増えたことで、より多くのお客様からご支持いただけるようになり、今があります。私の力だけはここまで来ることはできなかったと思っています。

人とのご縁を大切に、信念を持ってスタートを

サロン内にはライト付きのドレッサーが2台に、 大きな全身鏡、たくさんのブーケが飾られる

——独立開業を目指す人が、独立前にしておくといいことは?

本を読むこと。本は情報の宝庫なので、成功例をたくさん読んでモチベーションを上げることや、知識を身につけておくことが大きな強みになると思います。

——ゼロから会社を始める上で大切なこと3か条を教えてください。

1.資金は重要ではない

どんなビジネスも最初は必ず0から、資金がなくてもスタートできます。少しずつ大きくなっていくからこそ楽しいのだと思います。

2.人との繋がりとご縁を大切にする

最初の2年は1人で会社をしていましたが、ご縁があってチームで活動するようになりました。今チームとして一緒に頑張ってくれているスタイリストたちは、みんなご縁のあった方々。紹介やクチコミをしてくれるお客様もご縁のあった方々です。たくさんのご縁がつながって今があるので、感謝の気持ちでいっぱいです。

3.モチベーションの核となる揺るがない言葉や信念を持っておく

私のモチベーションは、先輩が贈ってくださったエール「失敗を恐れずに挑戦すること」でした。それがあったから進んでこられたので、信念を持つことはとても大切だと思います。


「ヘアメイクの仕事は楽しい」という気付きを忘れないため、会社設立に踏み切った竹本さん。1人でスタートした会社も予約が取れないほどになり、現在はスタッフを抱えるようになりました。

後編では、開業後の苦労と業績アップの取り組み、スタッフ教育などについてお聞きします。

取材・文:山本二季
撮影:米玉利朋子(G.P.FLAG)

Information

MY DRESSER BRIDAL(マイドレッサーブライダル)
住所:東京都港区芝浦4-5-9-404
※お問い合わせはHP内CONTACT

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