美容師の人事異動とは|メリット・デメリットや異動後もお客様についてきてもらう方法を解説
美容師として働く中で他店に異動するかもしれないという状況になることも。今回の記事では、そんな時のために「美容師の人事異動」について詳しく解説します。
美容師としての人事異動のメリット・デメリットや異動したくない時のための事前準備の方法なども具体的に紹介していきます。
美容師の人事異動とは
美容室で勤める中でチェーン店を展開している場合などは人事異動の可能性があります。個人サロンや他に店舗を持たない店ではその可能性はほぼないと考えてよいでしょう。
では美容師の人事異動はどのような時に起きるのでしょうか。実際の異動の理由などについて解説します。
美容師の人事異動はなぜ起きる?
美容師の人事異動は、おもに新規オープンなど、店舗が増える場合や、なんらかの問題が起きた場合、スキルアップのためなど経営者が判断することにより起こります。
美容師の人事異動のおもな理由
・多数店舗を展開
・新規オープン
・スキルアップ
・不祥事など
具体的にどのような状況で美容師の異動が起こるのかみていきましょう。
多数店舗を展開している
まず、勤めている美容室が多くの店舗を抱えるチェーン店だった場合です。その場合は、あらかじめ入社の段階で異動の可能性があることを確認できるかもしれません。
多数店舗を展開している場合は、人手が足りていない店舗や集客力の高い店舗に異動になることもしばしばあります。
新規でオープンする店舗がある
次に、新しく店舗がオープンされる時に異動となるパターンです。新店舗の出店の際は、人員が必要になるので、今の店舗で人手が足りている場合などに異動となることがあります。
オープニングスタッフとして、お店づくりの準備の段階から携わることも多く学びが多いのも特徴的です。また、これまでの経験から新店で役職が上がることもあります。
新規オープンの際は、経営者から命じられる異動もあれば、スタッフ自ら手を挙げて異動となるパターンもあるでしょう。
更なるステップアップのため
スタッフのスキルアップを見込んだ異動も美容室ではあります。もっと技術を習得したい、ゆくゆくは独立したいなどの高い志を持つスタッフに対して、新しく活躍できる場として新たな環境へと異動を告げることがあります。
また、異動となる店舗の売上があまりよくないなどで異動を命じることもあり、この場合は、スタッフの技量に期待を持っているという意味での異動です。
時には不祥事などが原因となることも
これまでの異動は、経営上の理由やスキルアップなどポジティブな理由でしたが、時にスタッフの素行などが原因で異動となることも。
人間関係でのトラブルやお客様からのクレームなど理由はさまざまです。また、特にトラブルは起こしていなくても、技術的な面で、他店のスタッフと入れ替わるというパターンもあります。
美容師が異動して働くメリット
美容師が異動して働くことになにかメリットはあるのでしょうか。経営者は、経営上の都合だけでなく、一人ひとりの素質を見て適切な環境へと導いています。しかし、慣れ親しんだ環境から新しい場所へ行くのは不安に感じる人も多いでしょう。
新しい環境に飛び込むことは、人として、美容師としても新たな経験を積むチャンスとなります。異動するメリットを知ることで異動に対して構えずに対応できるようになります。
メリット
・新しい人間関係や環境
・スキルアップ
・新規顧客の獲得など
新しい人間関係
異動することで新しいメンバーとの仕事がはじまります。職場の人間関係が新しくなることで、美容師として新たな刺激を受け、成長できます。
また、新たな顧客の獲得を見込めます。新しいお客様との出会いは美容師としてもさらに活躍の場を広げるチャンスとなります。
技術のスキルアップが見込める
新しい店舗に異動するということは、新しい業務を任されるチャンスです。今までやったことのなかった役職や仕事を任されるかもしれません。常に新しいことに挑戦したい人にとっては、魅力的な環境といえます。
カットの技術はもちろん、新しいお客様との接客の中でコミュニケーションスキルが向上するなど多くのことを学べるメリットがあります。
デメリット
では人事異動に関してデメリットはあるのでしょうか。覚悟を持って新しい店舗で働くには、事前にデメリットとなりうることを確認して、上司に相談しておくことをおすすめします。
デメリット
・勤務地が変わり遠方になることも
・忙しい店舗への配属
・慣れるまでのメンタル面など
勤務地が変わる
異動ということは、勤務地が変わります。引っ越しの手続きが必要なのかや通勤距離はどれくらいになるのかなどはしっかりと確認する必要があります。
もし結婚して家を建てたなど引っ越しが難しい場合はそれを伝える必要があるでしょう。場合によっては、通勤距離が遠くなるなどデメリットとなる可能性があります。
新規オープンなど忙しい店舗の場合も
人手が足りていない、お客様の数が多いなど、異動するにあたってなんらかの理由があるはずです。忙しい店舗に配属されることもあるかもしれません。
その場合は前にいた店舗よりも忙しく、肉体的にきつくなってしまうというデメリットがあるかもしれません。自分の経験値を上げるにはよい環境ですが、覚悟して異動する必要があるでしょう。
既存のお客様についてきてもらうには
これまでに何回か異動を繰り返してきた美容師の方は、また1から顧客を獲得するのに苦労した経験はありませんか。もし、近隣での異動であった場合は、既存のお客様に新しい店舗の顧客としてついてきてもらうのも1つの方法です。
もし、系列でない店舗への異動や新しく独立する場合の異動では、お客様に事前に連絡するのが難しいかもしれません。
しかし、事情的に伝えられる状況であれば積極的に伝えることでついてきてもらえる可能性が上がります。
技術や会話で信頼関係を築く
ついてきてもらえるほどのお客様とは必ず信頼関係が築けています。まずは、美容師としての技術面や会話の雰囲気などを気に入ってもらい「この人から切ってもらいたい」と思われるような信頼関係の構築が必要です。
お客様のとってかけがえのない美容師となることで、異動して少し遠くなったとしても、新しい店舗に足を運んでくれるようになります。
異動することを伝える
信頼関係が築けていたとしても異動することをはっきりと伝えなければお客様は異動することに気づけません。異動が決まり公表してもよい状況になったらすぐにお客様に伝えていきましょう。
1番印象に残る伝え方は、「直接伝えること」です。その方が細かい事情や熱意などが伝わりやすいでしょう。しかし、直接伝えることができそうにない場合は、メールなどで個別で伝えるのも1つの方法です。
異動したくない場合の対策法
ここまで美容師の異動に関して詳しく解説してきましたが、そうはいっても異動したくないと考えている美容師の方もいるはずです。
今の環境が気に入っていたり、家庭の事情などで異動はできないと考えている方もいるはずです。その場合はどのように対処したらよいか解説します。
その店舗で抜けては困る技術の習得
異動をしたくない場合の対策として、今いる店舗で抜けてなならない存在になることを目指しましょう。今の店舗を抜けるとお店にとって大きな損失になる場合は、経営者も異動を命じることはできません。
唯一無二の存在となれるよう、いろいろな技術を身につけ、顧客を獲得するように行動していくことが大切です。
上司に伝えておく
異動をしたくないと考えている場合は、事前に上司にはっきりと伝えることが大切です。どのような事情で異動したくないのかを説明しましょう。
もし、異動が必要なチェーン店で異動できないと伝えた場合は、昇給などに影響がある場合もあります。自分の中で異動してでもスキルアップや昇給を目指したいのか、今いる環境を1番に大切にしたいのか日頃からよく考えておく必要があります。
美容師としての異動はチャンスと捉えよう
美容師として人事異動が告げられる場合、不祥事など大きな理由がないかぎりは、美容師として期待されていると捉えてよいです。
異動することは、不安に感じることもありますが、新しい技術の習得など自分のスキルを上げていくことができます。
異動の可能性がある店舗で勤める場合は自分はどのような方向性で進みたいのかを事前に考えて上司に伝えるなど自分から発信していくことが大切です。