指が痛い!セラピストの指の痛みの対処法とは
仕事柄、おもに手や指を使って施術をおこなうセラピスト。なかには、業務中に手や指を痛めてしまう方も少なくないようです。
今回は、セラピストの指の痛みに焦点を当てて、痛みの原因から対処方法、予防策などをくわしくご紹介します。
セラピストの指の痛み
セラピストの指が痛くなるのは、セラピストとして長く働いたからというわけではありません。むしろ経験の浅いセラピストのほうが身体をうまく使って施術できなかったり、無駄に力を入れすぎたりして、指に痛みが生じてしまうことが多いようです。
正しい施術方法でマッサージをおこなっていても、お客様の体格が大きかったり、強めの施術をリクエストされたりした場合は、普段より指に負担がかかってしまうため、指の痛みの原因となることもあります。そのため、さまざまなシチュエーションを考慮して、負担の少ない施術方法を心がけることが大切です。
セラピストの指の痛みを事前に防ぐには?
指が痛いと感じているのに施術を続けると症状が悪化してしまいますが、予約が入ってしまっている場合、指の痛みぐらいでは休めないことも多いでしょう。
セラピストとして活躍するためには、痛みが生じてから対処するのではなく、 つねに万全な状態で働けるように、日頃から痛みを生じさせないように心がけることが重要です。ここでは、セラピストの指の痛みを事前に防げる具体的な方法をご紹介します。
手だけでなく体全体を使って施術する
指が痛くなるというのは、指や手首に負担が集中していることが原因なので、できるだけ負担を分散できるようにしなくてはいけません。
たとえば、マッサージでは体のツボを押すことも多いですが、 手や指だけでなく身体全体を使って圧力をかけると、指や手首に負担をかけることなく施術をおこなえます。
凝った筋肉をもみほぐす際も、指先だけなく手全体を使うようにすると、負担が分散されるでしょう。手全体を使えばバランスよく筋肉が鍛えられ、より安定した施術がおこなえるはずです。
指や腕のストレッチをしておく
指や腕のストレッチをおこなっておくことで柔軟性を高められ、痛みやケガを未然に防げます。指と腕のストレッチ方法は、次のとおりです。
<指のストレッチのやり方>
1.手のひらを上にする
2.反対の親指で中央(手首から指一本分のところ)を軽く押す
3.指を一本一本内側に曲げでストレッチする
4.血行がよくなるのを感じるまで続ける
<腕のストレッチのやり方>
1.90度に肘を曲げる
2.反対の手で肘にあるくぼみを見つける
3.指がちょうど入るくぼみが見つかったら指でおさえる
4.この状態で90度に曲げた腕の曲げ伸ばしを数回おこなう
強い指圧が好きなお客様には
お客様のなかには、早く改善したい、強いほうが気持ちいいなどの理由から、強い指圧を希望される方もいます。しかし、指圧は強さと成果が比例するわけではありません。
強く指圧するとセラピストの指に負担をかけるだけでなく、リンパの流れが滞ってしまうので逆効果です。強い指圧を希望するお客様には、優しくさするだけでも効果が期待できることを説明し、強い指圧のデメリットを理解してもらうとよいでしょう。
セラピストの指の痛みの対処法
手術中に指に負担を与えないように心がけていても、疲労が溜まっていたり、なんらかの衝撃を受けたりして痛みを生じてしまうこともあります。
痛みが激しい場合は速やかに病院で受診する必要がありますが、多少の痛みであれば自分で処置することで痛みを和らげることも可能です。ここでは、指の痛みを感じているセラピストのために対処法をご紹介します。
冷やして安静にする
無理に動かすと症状が悪化してしまう可能性もあるので、まずは氷や保冷剤を使って20分ほど冷やして様子をみましょう。
保冷剤がない場合は、ポリ袋などの袋状のものを使うのがおすすめです。ポリ袋に氷を入れて、口を閉じます。準備ができたら患部を冷やし、安静にしておき、痛みが引くのを待つことが大切です。
ストレッチをする
指を使いすぎて指が痛いときは、血流の改善と筋肉の緊張緩和が必要ですが、もっともかんたんな対処方法が指のストレッチです。
指のストレッチ方法は前項でもご紹介しましたが、痛みを感じる指を広げたり、閉じたりするだけでも、効果が期待できます。ストレッチをするときは、根本を伸ばすようにおこなうのがポイントです。
血行をよくするためには、ハンドクリームやオイルを塗って、一本一本丁寧に擦るようにマッサージするのもよいでしょう。
テーピングをする
テーピングとは、テープなどを使って患部を固定することです。施術の予約が入っているのに指の痛みが治まらない場合は、テーピングをするのがおすすめ。
テーピングで患部を固定すると動きを制限でき、痛みが和らぎます。ただし、テーピングをするのは、肌に触れない施術をおこなうときのみ有効です。
サポーターなどを使用する
サポーターも動きを制限して痛みを軽減するためのものですが、テーピングより動かしやすいので、指関節や手首、足首などが痛いときはサポーターを使用したほうがよいでしょう。
サポーターはテーピングより値段が高いですが、汚れても洗って何度も使えるので経済的です。また、サポーターは装着するだけなので、テーピングとは異なり、専門知識も不要となります。
痛みが継続する場合は病院へ
単なる指の使いすぎであれば、かんたんな対処で痛みも改善することがあります。しかし、痛みが継続し、腫れや赤みなどの症状が出ているときは、自分でどうにかしようと考えずに、速やかに病院で診察を受けることが大切です。
痛みが出ない施術方法とは?
セラピストとして長く活躍するためには、つねに手首や指に負担の少ない体勢、指の使い方や角度などと追求し、痛みの出ない施術を心がけることが大切です。つづいては、どのような点に注意して施術をおこなうとよいのかを解説します。
手首を曲げすぎない
手首には手の動きをコントロールしている神経が集中しているため、手首を傷めると手首が痺れたり、指に痛みが生じたりすることがあります。手首はとても重要な部分なので、手首に負担がかかってしまうような施術方法はよくありません。
とくに手首を極度に曲げて体重を乗せるような施術をすると、手首を傷めてしまうことがあります。施術をする際は、手首を曲げずにおこなえる体勢を心がけてください。
指をそらさない
オイルマッサージなどの施術をする場合、手のひらにオイルをとって施術をするため、手のひらのみを使ってオイルを伸ばす人も多いです。
この方法でオイルを伸ばすと指が反ってしまい、指の関節や手首に負担がかかり、痛みを生じやすくなります。このことから、オイルを伸ばすときは 手全体がお客様の肌に密着するように心がけるとよいでしょう。
セラピストの指の痛みを事前に防いでいこう
施術をするために手や指を使うセラピストは、仕事中に指を痛めてしまうケースも少なくありません。どんなに正しい方法で施術をおこなっていても、セラピストとして働き続ければ手や指に負担がかかってしまうこともあるからです。そのため、セラピストとして活躍するためには、体に負担がかからない施術で、施術の効果をしっかり出せるかが重要なポイントとなります。
セラピストとして働いている方も、これからセラピストを目指す方も、セルフケアで痛みを未然に防いだり、痛みを感じたら適切な対処をおこなったりして、痛みが長引かない工夫を続けていくようにしましょう。