美容室を開業するまでの流れを紹介|開業費用はどれくらいかかるの?

美容師として独立し美容室を開業する場合、事前にさまざまな準備が必要です。そのため、提出する書類にはどのようなものがあるのか、申請までになにをすればよいのかなどは開業前に身につけておきたい知識でもあります。

また、開業にあたって、もっとも重要ともいえる準備のひとつに、開業費用の用意があります。開業費用は、開業にかかる費用だけでなく、当面の運営資金も視野に入れる必要があります。

そこで今回は、美容室を開業するまでの流れや必要な手続き、美容所の検査をクリアするためのポイント、必要な開業費用などを、実際に美容室を経営する、株式会社オニカム代表 槇野 光昭さんにお話を伺いながら紹介します。

美容室の開業を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

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美容室を開業するまでの流れを紹介


まずはじめに、美容室を開業するまでの大まかな流れについて見ていきましょう。

槙野さん

開業前に大切なのは、本を読んだりセミナーに参加したりして、知識を得ることです。
 
ただし、セミナーの選び方には注意が必要です。実績のないところが無料で開催しているセミナーだと、参加者のリストを集めて何かしようとしているんじゃないか、といった裏の目的を見極めないといけません。
 
その点、大手の内装業者が開催しているようなセミナーは、極めて信頼性が高いと言えるでしょう。
そういったセミナーに参加することで、たとえば、経費について
・水道光熱5%
・人件費は50%以下に抑える
・広告宣伝費20%
が標準である、といった、美容業界で開業するにあたって基本となる知識を学ぶことができます。
 
私は、まず本で業界のスタンダードを学びました。
美容商材卸の「ビューティーガレージ」が発行している、「最新 失敗しない美容室開業BOOK」という本は、美容室を開業するにあたって何をすべきかという王道がしっかりまとめられていますよ。

引用元
ビューティガレージ:最新 失敗しない美容室開業BOOKの卸・通販

美容所登録しなければならない業種とは?

美容室を開業するためには、美容所登録をしなければなりません。美容室以外に登録が必要な施設として、まつ毛パーマやまつエクをおこなうアイサロンがあります。これらの業種では、施術をおこなうのに美容師免許が必要となるため、登録が必須です。

また、2人以上のスタッフが所属する美容室では、衛生責任者として管理美容師の資格所持者の在籍も必要です。

サロンオープンまでの流れを紹介

開業前におこなう手続きを事前に知っておくと、その後の手続きがスムーズになるでしょう。ここでは、美容所開設からサロンをオープンさせるまでの流れをご紹介します。

1. 事業計画書を作成する|融資の相談

美容室に限らず、新しく事業を開始するには、事業計画書を作成しましょう。事業計画書とは、事業の内容やどんな戦略で運営していくのか、収益の見込みはどれくらいかなどを記した計画書のことで、客観的に見直したり、外部に説明するときに役立ちます。

また、金融機関などの融資を利用する際には、事業計画書の提出が必要となる事が多いです。

槙野さん

店舗展開の戦略は、ブランド型か地域型かで全然変わってくるんですよね。
 
ブランド型戦略の場合、自分(オーナー)が出したいところに出店すればいいのですが、競争は激しいです。電車に乗って、わざわざそのお店に来店したいと思っていただけるようなマーケティングが重要になります。
 
一例を挙げると、
①出店したい駅の乗降客数
②Googleでその駅を検索して、周辺の美容室を調べて出てきた店舗数
③美容院の予約アプリで最寄駅をその駅に設定したうえで、カットやカラーなどで検索し、出てきた美容室数(徒歩5分圏内)
 
3つ程までエリアを絞り込めているのなら、上記の①〜③を踏まえたうえで、1番競争の少ないエリアに出すのが成功のセオリーです。
 
対して地方型の美容室は、お客様の生活圏内での経営になるので、生活動線の中で勝負するようなマーケティングが重要になるんですよ。たとえば、Googleマップで上から見たとき、住宅地の片側に海・片側に駅があると、人の流れは駅に向かうので、駅前は美容室にとっていい立地といえますよね。
 
出店したいと思っているエリアで活動している中心世代に合わせたメニューをメインに据え、すでにその地域に出店している同業他店の価格帯と同じくらいかそれ以下で、あとは、ある程度の内装イメージまで作成しておきましょう。

融資を利用する予定がなくても、事業計画書はさまざまな場面で役立つことがあるので、作成をおすすめします。ここからは、事業計画の立て方について紹介します。

2. 市場調査|コンセプトに合うエリアを探す

事業計画書を作成する過程で自サロンのコンセプトやターゲットを明確にしたら、出店候補のエリアを探し、市場調査をおこないます。市場調査をおこなうには、候補エリアの人口や活動の中心世代・人口の増減・交通量・周辺の施設などを調べることで、見込み顧客の具体的な像が見えてくるでしょう。

槙野さん

人によって規模やコンセプトが違うからこそ、初めに自分がどんなサロンを開きたい
か、というイメージを明確にすることが一番大切なんですよね。
 
どのエリアで開業するのかを決めたら、どんな店でどんな服を買って、どんな雑誌を読んでいるお客様を集客するのか、といった人物の細かいイメージ(ペルソナ)の設定をしてみてください。
 
そのお客様が気持ちよく過ごせるにはどんなお店を作ったらいいのか、ということをイメージすることで、具体的なコンセプトを把握できるようになります。
 
私が実際におこなった調査を紹介します。
 
ショッピングビルに来る女性客をターゲットとして、まずはそのショッピングビルに入っているアパレルブランドをデータベース化し、Instagramのフォロワー数が多い上位3ブランドをリストアップするんですよ。
その後、実際に各店舗の店員さんを見に行って、ファッション傾向や雰囲気などを具体的にイメージしていきました。
 
もちろん他美容室の競合調査も重要なんですが、美容雑誌を読み込んだり、ターゲット層に合ったアパレルショップを見に行ったりといった、実地の市場調査を充分におこなうことこそ重要です。

3. 物件選定|居抜き物件・スケルトンなど

エリアを選定したら、いよいよ物件選びです。美容室の物件は、大きくわけると居抜き物件とスケルトン物件の2種類があります。

居抜き物件とは、内装や備品や設備などを残したまま、売ったり賃貸に出している物件のことを指します。以前も美容室が使っていた物件であれば、シャンプー台や鏡といった設備や備品をそのまま使用できるため、初期投資が抑えられるでしょう。

対してスケルトン物件とは、設備や備品はおろか内装もなく、柱や壁や梁といった、建物の骨組みだけの物件です。内装や設備を一から揃えなければならないため、コストや手間が必要になってしまいますが、すべてを自由に設計できるため、コンセプトに合わせたイメージ通りの空間を作ることが可能です。

4. 業者選定&契約

物件が決まったら、内装工事などをおこなう業者を選び、契約をします。こういった業者を選定する際、一番大切なのは、美容室・理容室などの施工実績が豊富な業者を選ぶ、ということです。

なぜ美容室の施工実績が豊富な業者を選ぶべきかというと、美容室は保健所から、店舗の面積をはじめ床材や照明、換気設備など、保健所が定める規定を満たしているか審査を受ける必要があるからです。

保健所の基準を満たすことができる建材の選定や間取りなどのノウハウがあるため、美容室の施工実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。

槙野さん

施工会社が出している施工事例を、どれだけの量を見ることができるかが勝負です。また、女性モード社のサブスクサービスで、「美容の経営プラン」という雑誌を過去の分までさかのぼって見ることができるので、他サロンの内装を参考にしてみてください。
 
施工例や他サロンの内装をたくさん見て、ときには施工会社に相談をすることで、施工にかかる費用感やイメージを知ることができます。
 
あとは、実際に美容室を開業している美容師の仲間から直接、生の声を聞いて情報収集をすることも大切です。

5. 保健所・消防署に事前相談

美容所の開設では、法律や条例にもとづいた構造設備および衛生管理上の基準が適用されます。基準を満たさなかった場合はオープンできないため、失敗しないようにするためにも、まずは申請前に保健所へ相談することが大切です。

また、消防署にも相談し、消防設備が店舗の大きさやスタッフの人数などによる基準を満たしているかといった指導を受けなければいけません。

タイミングはなるべく早めがよいですが、遅くとも工事前には、サロンの平面図などを持って、事前に保健所と消防署へ相談するようにしましょう。

6. 保健所へ必要な書類を揃えて提出

開設手続きに必要な書類を確認し、すべて揃えてから提出します。漏れがあると何度も相談する手間が発生してしまうため、最初から漏れなく準備するようにしましょう。必要書類の詳細に関しては、のちほどくわしく解説します。

注意点としては、事務処理に時間がかかることがあるため、営業開始予定日に間に合うように余裕を持って提出することが大切です。

7. 運営に必要な契約を行う|ネット・事業ゴミ

サロンでインターネットを利用する場合は、インターネット事業者との契約が必要です。さらに、事業ゴミやキャッシュレス決済など、店舗の運営にはさまざまな業者やサービスを利用することが想定されます。

こういった契約は、契約が成立してすぐ利用できるようになる、というものではないことがほとんどなので、早めに必要な契約をおこないましょう。

8. スタッフの採用

自分以外にスタッフを雇う場合は、求人を出して採用業務をおこなったり、美容学生時代の繋がりなどの仲間内から集めたりする方法があります。

従業員を雇用する場合、税務署や労働基準監督署、ハローワークでさまざまな書類を提出し手続きしなければいけません。また、従業員が5人以上の場合は、年金事務所での手続きも必要です。

オープンが近くなったら、採用スタッフと業務内容やスケジュールなど、運営の流れをあらかじめ打ち合わせしておきましょう。

槙野さん

美容師の採用で一番いいのは、同期や美容学生時代の同級生など、知り合いに声をかけることです。昔一緒に働いていた先輩や後輩といった、世代プラスマイナス5期くらいの関係性まで広げて集めることができます。
 
たとえば、銀座にある大手サロンは、美容学校の同級生6人が創業しました。ひとりずつが3人に声をかけることができれば、それだけで18人集めることができますよね。美容室は一昔前から友人知人を集めてというイメージが強かったと思いますが、今もそれが主流なのは変わりません。
 
求人を出すなら、まず競合他社の求人データを見て、標準的なものを出してみてください。それで結果が出なければ、効率のいいところに絞っていく、ということを繰り返します。
 
求人サイトや求人広告のような媒体を利用するのもいいですが、たとえば予算の10%必要、となると割高になってしまいます。
 
ですので、美容室の開業を目指すのであれば、伝手(つて)があって自分の美容師仲間を呼べる、という人がオーナーになるのが望ましいと考えています。(※あくまでも槇野さん個人としての意見です)

9. 施設の検査を受ける

サロンが完成したら、営業する前に必ず、保健所と消防署の検査を受けなければなりません。検査の内容については、サロンが衛生基準に達しているか、消防設備は規定を満たしているかなどの項目が中心にチェックされます。

検査では、大きな問題ではない程度の改善点についても指摘してもらえるので、指摘されたところは営業前に対応するようにしましょう。どのような基準なのかについては、のちほど解説します。

10. サロンオープン

検査に合格したあとに保健所長の確認を得ることで、サロンがオープンできるようになります。後日、適合確認済証という検査を通過した証が交付されるので、なくさないよう保管しておきましょう。

受け取りについては、認印持参で取りに行くか、郵送請求するという方法があるので、希望する方法を選ぶようにしましょう。

サロンによっては、本格的に営業を開始する前にプレオープンし、業務の流れを確認したり、設備や備品の問題点を改善したりすることもあります。

11. 税務署に開業届を出す

美容室を開業したら、開業してから1ヶ月以内に税務署へ開業届を提出しましょう。また、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」を提出すると、確定申告時に青色申告ができるようになります。

青色申告をすることで、赤字の繰越や家族への給与を経費とすることができるようになります。

各届出は、国税庁のホームページからそれぞれダウンロードすることが可能です。

国税庁:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
国税庁:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続
国税庁:[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続

美容所開設に必要な書類とは?


ここでは、美容所開設に必要な書類をご紹介します。東京都を例にしているので、実際に開業する場合は、必ず開業予定の自治体の情報を確認するようにしましょう。

1. 開設届

開設届は、誰がいつどこにサロンを開設したかを税務署に届け出るために必要な書類です。管轄する保健所で、用紙を入手できます。

記入項目は開設者の住所・氏名、施設の名称と所在地、開設予定日などです。記入した内容が変更になった場合は、変更になった時点で保健所へ相談し、最新化するようにしましょう。

2. 構造設備の概要|施設の平面図

開設届と同様に管轄する保健所で入手でき、店舗の建物構造や規模・床材・作業椅子・シャンプー台の数などを記入する書類です。ほかには、消毒設備の数・器具の有無・消毒剤の種類なども記入します。

施設平面図については、内装工事を担当する業者からもらったものを提出しても問題ありません。平面図に関しては、工事前に保健所の職員や内装工事業者とともに設備設置箇所を相談をしながら作成するのがおすすめです。

3. 従業者名簿|美容師免許・診断書など

保健所で入手できるもので、無資格者の勤務者も含めたすべての従業員の氏名・免許取得日や番号を記入する書類です。なお、美容師免許を持っている場合は、本証提示が必要となります。常時2名以上の理美容師で営業する店舗については、管理美容師の設置義務がありますので、注意しましょう。

また、美容師として従事する従業員全員分の健康診断書も用意する必要があります。保健所によって診断書の指定期間は変わってくるものの、1~3カ月以内に診断した診断書を提出しましょう。

4. 検査手数料

開設届を含む書類を提出する際には、検査手数料を納付する必要があります。検査手数料については管轄の保健所によって変わってくるため、事前に問い合わせておくとよいでしょう。

東京都の場合は、2万4,000円がかかります。検査手数料の支払いは窓口でおこなうことになるため、現金で用意しておきましょう。

5. 開設者によっては必要なもの

開設者が法人だったり、外国人だったりする場合は、事前に準備が必要となる書類があります。ここでは、法人と外国人、それぞれのケースで必要な書類を確認しておきましょう。

開設者が法人の場合

開設者が法人の場合は、登記事項証明書(原本)が必要です。提出する保健所によって有効期限の指定が変わってくるため、注意しましょう。基本的には6カ月以内に取得したものを提出すれば問題ありませんが、事前に保健所に確認しておくことをおすすめします。

開設者が外国人の場合

開設者が外国人の場合は、国籍が記載された住民票の写しを提出しなければなりません。住民票に記載されている内容が不足した際は再度取得しなければならないので、こちらも保健所に事前に確認しておくことが大切です。

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検査をクリアするためのポイントとは?


事前に検査をクリアするためのポイントを押さえておくことで、開業までの道のりをスムーズに進められるようになるでしょう。ここでは、検査を無事にクリアするためのポイントをご紹介します。

1. 構造設備の基準とは?

構造設備はクリアできないと変更することが大変なため、事前にクリアするためのポイントを理解しておく必要があります。大まかな基準は、以下のとおりです。

・作業所面積が13平方メートル以上
・作業所内に作業用以外の椅子は置かない
・作業所と待合所は明確に区別する
・作業面の照明は100ルクス以上にする
・じゅうぶんな換気設備があること

これらは、あくまで一例のため、必ず事前に確認するようにしましょう。

気をつけるべきポイントとは?

床材には畳やカーペットが不可で、コンクリートやタイル、リノリウムなどの不浸透性材料を使用する必要があるなど、気をつけるポイントは多岐に渡ります。そのため、店舗のデザインをする際には、基準をクリアできるような設計を検討しなければなりません。

このことから、美容室設計や施工経験のある業者に依頼して、相談しながら進めるのがおすすめです。不明な点については後回しにせず、適宜保健所に相談しましょう。

2. 衛生設備の基準とは?

美容業界はお客様の肌に直接触る作業も多いことから、ウイルス感染に対する注意を含む衛生管理が大切です。

使用する器具はお客様ごとに交換して消毒しておくこと、薬品や化粧品などを適切に保管することなどの衛生管理が求められます。これらの衛生管理をおこなうために必要な衛生設備の基準は、以下のとおりです。

・水道設備があること(シャンプー台とは別に用意)
・消毒済物品と未消毒物品をわけて管理できるよう、容器や戸棚などを準備
・応急薬品とガーゼなどの衛生材料を備えること

検査項目はほかにもあるので、事前に確認するようにしましょう。

気をつけるべきポイントとは?

消毒方法についてもルールがあるため、実行できる設備や材料はあらかじめ備えておく必要があります。以下の器具は自分で手配する必要があるので、忘れないようにしましょう。

・薬液用容器
・メスシリンダー
・消毒液(消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、逆性石けんなど)
・煮沸消毒器や紫外線消毒器

メスシリンダーは50~500ml程度で、大きさの違うものを2種類用意すると便利です。

美容室の開業費用はどれくらいかかるの?

開業の流れと必要な手続き、審査のポイントについてはおわかりいただけたのではないでしょうか。ここからは、いよいよ開業費用について紹介します。

ただし、開業するエリアや規模によって非常に価格が幅広くなってしまうため、あくまで一般的な相場であることを念頭に置き、美容室の開業費用について見ていきましょう。

槙野さん

コロナの影響もあり、開業にかかる全体的な価格は、主に材料費の点でコロナ前と比べると高騰しています。内装なら、内装業者に説明・相談すれば、ある程度の抑え方は教えてもらえます。
 
ほかにも、
・備品を買うお店をブランド店ではないところにする
・壁を素材そのものではなく素材風の壁紙にする
などでも費用を抑えられることもありますが、こういったポイントは、集客したいターゲットによって調整するべきです。
 
たとえば、モルタルの壁はスタイリッシュでクールな雰囲気になりますが、職人が手作業で仕上げるため、工期が長くコストも高くなりやすいです。
 
これをモルタル風の壁紙にすることで、工期もコストもかなり抑えることができます。でも、光が当たったときに、反射の仕方でチープに見えてしまうんですよ。
 
高級サロンを目指しているのであれば、内装を安く済ませすぎるのは、ブランディングとして得策とは言えませんよね。
 
また、内装費以外にも、保証金が6カ月か12カ月かでも変わってくるなど、安くする要素はいくつかあるので、それぞれの業者に相談してみてください。

設備資金|工事費・備品費など

美容室の開業費用のうち、一番大きな割合を占めるのが、設備資金です。設備資金には物件取得費や工事費、備品や什器の購入費などが含まれています。

物件の広さと事業の規模にもよりますが、800万~1,000万円ほどかかるとされています。このうち、内装工事費は、前述した居抜き物件ですと多少は安く抑えられるでしょう。

また、美容室には大型の設備や専門機器を使用することもあり、こういった設備や機器の購入も費用がかさみやすい点です。ブランド品や新品だけでなく、中古品やレンタルも考慮に入れることで、費用を抑えることができる可能性があります。

運転資金|半年~1年ほど

オープンしてすぐに多くの顧客を集めることができれば安泰ですが、現実はそうとは限りません。美容室が軌道にのるまで、平均で6ヶ月ほどかかる、と言われています。そのため、1カ月に必要な固定費の6カ月分にあたる費用を、運転資金として準備しておきましょう。

助成金や補助金もチェックしよう

開業資金に不安がある場合は、融資のほかにも、助成金や補助金の利用を視野にいれましょう。美容室が利用できる助成金や補助金には、「創業助成金」「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などがあります。

助成金や補助金は、それぞれ受給できる要件や申請期間が異なります。詳しくは、それぞれのホームページを見て確認してください。

引用元:

独立行政法人中小企業基盤整備機構:創業者向け補助金・給付金(都道府県別)
小規模事業者持続化補助金事務局:小規模事業者持続化補助金
全国中小企業団体中央会:ものづくり補助金
一般社団法人 サービスデザイン推進協議会:IT導入補助金

準備を入念にしてスムーズなサロンオープンを目指そう!


美容室などのサロンを開業するためには、保健所の審査を受け、美容所としての登録が必要です。また、税務署への開業届や、設備・従業員に関する内容が記載された書類の提出、消防署へ消防設備の相談など、いくつもの手続きをしなければなりません。

これらの書類を入念に準備することで、スムーズなサロンオープンができるようになります。それぞれの工程を押さえて、1日も早い開業を目指しましょう。また、開業までの規定・基準は保健所によって異なります。そのため、必ずサロンを開く自治体の規定・基準をチェックするようにしましょう。

美容室を開業するにあたって、開業前にどれだけ知識を学び準備ができるかが開業までの流れ、さらに安定した経営を長く続けられるかにもつながります。今回紹介した開業までの流れをはじめ、必要な手続きや開業資金などを参考に、入念な準備をして美容室のオープンを目指してみてください。

引用元:

東京都西多摩保健所:美容所
東京都西多摩保健所:美容所のてびき
東京都西多摩保健所:理容・美容 構造設備の概要

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