行動力を武器に留学! 技術も考え方もアップデートできた海外でのサロンワーク経験 【フリーランスのライフスタイル 美容師・Chihiroさん】
シェアサロンの普及などに伴い、最近増えてきたフリーランスという働き方。今回は、2021年の4月からフリーランスの美容師として働いているChihiroさんに登場していただきます。
前編では福島と東京を往復しながら働くことでどちらのお客さまからも話題となり、集客や接客につながっていること、インスタグラムやYouTube、ライブ配信などそれぞれの特徴を活かしたコンテンツづくりをしていることなどをお伺いしました。
後編では海外の経験について掘り下げていきます。1年間カナダのサロンに勤務した際の貴重な経験談や、それが今どのように仕事に活かされているのかを教えてくださいました。
お話を伺ったのは…
Chihiroさん
福島県二本松市出身、国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。新卒で株式会社アライタダオエクセレンスの「FEERIE(フェリー)」に入社し、レディース限定のスタイリストとして働く。同時にネイリストやアイリストの経験も積む。2年半勤務した後「ALBUM SHIBUYA」に転職し、トップスタイリストとしてさらに約2年半多くのスタイルを手がける。退職後はワーキングホリデーの制度を利用し、カナダのバンクーバーに語学留学。同時に現地の美容室に勤務し、現地のお客さまの接客から施術まで担当する。1年間で知識や技術を習得し、2021年2月末に帰国。現在は地元福島と東京の2拠点でフリーランス美容師として働いている。
Instagram:@chiii_hair.arrange
YouTube:Chihiroちゃんねるワーホリ美容師
美容師としての経験値と強みを得るため海外のサロンに勤務
――――海外でのご経験について、留学された理由を教えてください。
20代のうちに新しいことに挑戦したいと思ったことがきっかけです。美容師として働き始めた頃の目標は、トップスタイリストになることでした。留学の直前まで勤めていた「ALBUM SHIBUYA」でその夢が叶い、次の目標を考えた時に、海外で働いてみたいと思うようになったんです。知り合いが誰もいない海外のサロンで挑戦してみたいという好奇心と、他の美容師にない自分だけの強みがほしいという気持ちがありました。
また、「ALBUM SHIBUYA」には、海外から来てくださるお客さまも多かったのですが、英語が苦手で、翻訳アプリを使った拙いコミュニケーションしかできませんでした。その悔しい気持ちが忘れられなくて、英語の勉強も兼ねて留学を決意。もともと海外志向だったわけではないんです。
――――海外経験ゼロからのスタートとのことですが、具体的な渡航先の決定や準備はどのように行ったのですか?
ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)の制度を使って、おすすめされたカナダのバンクーバーに1年間滞在しました。ビザや語学学校の手続きなどはエージェントで手配しもらえたので、私は雇っていただける美容院を検索。インスタグラムでいくつか候補を探してDMを送り、実際に見学してサロンを決めました。
――――海外でのサロン選びのポイントは?
オープンして日が浅く、私のやりたいことも受け入れてくれそうなサロンにすること。チェーンのサロンや有名店は、ワーホリビザだと日本人以外のお客さまを任せてもらえない可能性があると思ったからです。実際に、勤めていたサロンでは、最初からお客さまの担当をさせてもらえて、1年間とても充実した毎日を過ごすことができました。
留学先では自分の意見を持つことや想いを口に出すことの大切さを学ぶ
――――英語が話せない状態で、どのようにしてコミュニケーションを取られていたのでしょうか?
最初はカウンセリングに使う文章を丸暗記したうえで、翻訳アプリを使用して接客。自分の覚えた言葉が通じることがわかったら、単語をアレンジしたりアップデートしたり、経験と勉強を繰り返して少しずつ慣れていきました。後半の3ヶ月くらいは翻訳を使わず3時間会話するまでに成長できたんです。
ちなみに、日本の美容師は丁寧でレベルが高いというイメージがあるようで、日本人というだけでたくさんのお客さまに興味を持ってもらいました。自国の魅力に気づけたのもよかった点です。
――――留学時の経験で今活きていることを教えてください。
お客さまの希望のスタイルの再現度があがりました。言葉でうまく伝えられない期間が長かったので、技術でしっかりと見せなければという気持ちが強かったんです。希望のスタイルの写真を持ってきてもらった時はその通りにできるように必死で施術しました。
また、自分の欠点を見つけられたのもよかったです。サロンや語学学校で自分の意見を求められた際、うまく話せないことが多々ありました。それは語学力の問題ではなくて、自分の意見がなかったからなんです。たとえば自分のやりたいことやニュースについての考えなど、他の国の方はみな自分の中で突き詰めて考え、それを口に出すことをためらいません。その姿勢に感銘を受け、仕事もプライベートも自分だったらどうするかを常に意識しながら行動し、思ったことは口にすることができるようになりました。
――――語学力についてはいかがですか?
英語でのコミュニケーションもアピールしていきたいと思っているのですが、ちょうど留学に行った直後にコロナ禍となり……現地での仕事や帰国は問題なかったのですが、帰国後もコロナ禍が続いており、海外のお客さまを担当する機会は少なく、まだ効果は実感できていません。今後、自由に旅行ができる時勢になったときに、英語力という強みも活かせたらうれしいです。カナダで担当していたお客さまも来てくださるとのことなので、楽しみにしています。英語は美容師全員が必ずしも今後学ぶべきだとは思いませんが、話せることは大きな強みになると思います。
チャレンジ精神と行動力は美容師にとって最大の武器
――――最後に、今後留学したいと思っている方へのアドバイスをお願いします。
ちょっとでも興味があったらチャレンジしてほしいと思います。私も最初はまったく海外志向ではなかったのですが、実際行ってみて自分に自信がついたり、日本のよさを再発見できたり、考えや人生観がかわる出来事がたくさんありました。チャレンジ精神と行動力は今でも大切にしています。
ちなみに、DMなどで多くの方から「専門学校卒業後すぐに海外に行った方がいいか」というお問い合わせをいただきますが、私は一度日本のサロンに就職すべきだと思います。経験値がないと海外で雇ってもらうのは難しいですし、現地では日本の技術を求められるので、応えられる腕を持って行ってほしいです。一度サロンワークを経験していると、それぞれの国の違いやよさをより強く感じられると思いますよ。
経験を活かして自分らしく働くための極意
夢に向かってひたむきに努力するChihiroさん。経験を活かして自分らしく働くための極意をまとめると、下記の3つでした。
1. SNSを使い分け幅広く認知度をアップ
2. 英語力など他の美容師にはない強みを習得
3. 何事にもチャレンジ精神と行動力を持って生活をする
Chihiroさんは、SNSでの発信、2拠点でのサロンワーク、海外留学とさまざまな経験を通じて、自分に自信が持てるようになったそうです。思い立ったらすぐに行動する力と、どんなときも自分のためになることを全力で吸収する姿勢、ぜひ見習いたいと思いました。これからもその行動力と努力をもって、サロンをオープンするという夢を叶えてほしいです。
▽前編はこちら▽
福島と東京2拠点で活躍。幅広い層から支持を集めるSNSの使い分け術【フリーランスのライフスタイル 美容師・Chihiroさん】>>