子育てと仕事を両立するため、実家のある京都で独立 「yuk」・関根舞子さん

子育てをしながら働く美容師が増えていますが、独立を考えると躊躇してしまうという方も多いのではないでしょうか。今回お話を伺ったのは、美容師の関根舞子さん。夫婦ともに東京でキャリアを積んできたそうですが、育児と仕事を両立させるために、ご主人の実家である京都を選んで独立されました。前編では京都で独立しようと思ったきっかけや、独立後の変化、夫婦経営のメリットについて伺いました。

今回、お話を伺ったのは…

関根舞子さん

美容師
東京「Of hair表参道」で17年の経験を積む。夫婦で独立の夢を叶えるため、2021年10月、京都に「yuk」をオープン。デザイン性の高いヘアスタイルや、丁寧なカウンセリングにより、開業から1年で予約の取りづらい人気のサロンに。5歳と3歳のふたりの子どもを育てる母でもある。

子育ても仕事も大事にできるように。独立に選んだのは夫の実家がある京都

独立する夢を叶え、「yuk」を開業した関根さん夫妻

――ご夫婦ともに東京のサロンで働かれていたそうですが、なぜ京都で独立されたのでしょうか?

東京で独立することももちろん考えましたし、最後まで悩んでいたのですが、当時子どもたちがまだ2歳、0歳と小さかったので、体調を悪くして急遽お休みをもらうようなことも多かったんです。

お店で働いている頃はフォローをしてくれるスタッフもいましたが、夫婦でサロンを経営するとなるとそれも難しいと思い…ましてや私のお客さまは私と同世代でお子さんのいる方も多く、その日サロンに来るためにいろいろと段取りをしてくれているのに、私の都合でキャンセルするのは申し訳なさすぎると思ったんです。子どもが体調不良になっても預かってもらえるように、夫の実家はある京都で独立することにしました。

その頃東京ではマンションで暮らしていたのですが、「一軒家もいいな、でも都心を少し離れないと難しいかな」とも思っていたので、京都に引っ越して家を建てることにしました。子ども達と暮らす環境を考えても、京都の方がいいと判断したんです

――独立のタイミングはどのように決めたのでしょうか?

上の子が2歳児まで通える小規模保育園に通っていたので、保育園を卒園するタイミングで開業しようと思いました。親の都合で保育園を変えるのは子どもにも申し訳ないと思い、その区切りのタイミングを狙いましたね。

夫婦間の役割分担ができ、時間の融通もきくように

「yuk」の店内。洗練されつつも、温かみを感じさせる空間となっている

――実際にお店をオープンしてみて、子育て面でよかったと思うことはありますか。

これは夫婦で働いているメリットになるのですが、早く帰ることに対する申し訳なさがなくなりましたね。いつも17時まで働いているのですが、それより前の時間でもお客さまの対応と掃除が終わっていれば早めにあがれるようになりました。「ちょっとスーパーに寄って帰りたいから、先にあがるね!」みたいな感じで(笑)。レジ締めなどは夫に任せ、私は子ども達のケアができるのも、夫婦で独立した利点だったかなと思います。

あとは日曜日の朝にヘアセットのお客さまが入ることが多いので、そのときは主人の実家に子ども達を預けて、対応できるようになりました。東京で働いていたときは、日曜日にセット希望のお客さまがいても、保育園は日曜日が休みで子ども達を預ける先がなく、対応できなかったので、そこはメリットかなと思います

――1日のタイムスケジュールに変化はありましたでしょうか?

さっきお話したように時間の融通がきく部分はあるのですが、毎日のスケジュールでいくと基本的には東京で暮らしているときとあまり変わらないですね。というのも東京で働いているときは、サロンが駅から近いなどアクセスもよかったのですが、今は自宅とサロンがちょっと遠くて、40分くらいかかるようになってしまったんです。

保育園に関しても東京時代はサロンと家の間にあったので、ピックアップがスムーズでした。でも京都では子どもふたりが一緒に通える園を探したら、希望園にはなかなか入れず…。お店と家の間ではなく、家の先に保育園があるという立地なんです。子どもひとりであればまた違ったと思うのですが、保育園選びはなかなか難しかったですね。

子どもと過ごす時間に集中できるように。休日はスマホに触らない

お子さんとの時間を大切にするため、休日はスマホには触れないという関根さん

――仕事と子育てを両立させるために、心がけていることはありますか?

休みの日はスマホに触らないようにしています。独立後、最初は集客で苦労をしたこともあって、インスタや集客サイトのブログの更新に力を入れるようになりました。そうするとどうしてもスマホに触る時間が増えてしまって。東京にいた頃は一切そういう時間はなかったので、自分としてはやめたい、でもそうすると発信が止まってしまうというジレンマに悩んだことがありました。

そこで、メリハリをはっきりつけようと決めたんです。投稿は夜子どもたちが寝ている間に下書きしておいて、朝投稿ボタンを押せばすむようにしました。休日はスマホには触らず、子ども達との時間を楽しむようにしています。


ママ美容師・関根さんの独立が成功した3つの理由

1.頼れる実家が近くにある、京都で開業した

2.夫婦で独立することで、時間の融通がきくようになった

3.スマホに触る時間にはメリハリをつけて、子どもとの時間を大切にした

後編では開業したばかりの頃は集客で苦労したこともあるという関根さんに、どのようにして人気のサロンに成長させたのかを伺います。集客サイトの営業さんから「写真が格好良すぎる」というアドバイスを受けて写真を変更したことが大きな転機になったと関根さん。また美容師を絶対に辞めたくないという関根さんに、美容師として心がけていることもお聞きしました。後編もお楽しみに!

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Salon Data

yuk
住所:京都市中京区三坊大宮町150-7
電話:075-285-1203
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