「仕事」と「家庭」の2つのおかげで今の充実感がある! mime テクニカルマネージャー 兒玉真侑さん#1
美容業界でキャリアを築きながら子育てにも手を抜かないワーキングママやパパに、その両立法を伺うこの企画。今回は、アイブロウ&アイラッシュサロンmimeで腕を振るう兒玉真侑さんのインタビューをご紹介します。
兒玉さんは小学6年生と1年生の男の子を育てるかたわら、mimeでテクニカルマネージャーとして外部スタッフや後輩の指導にあたっています。現在は時短勤務をしていますが、この「時短」の設定が意外と難しいようです。前編では第一子と第二子を授かるまでのお話しと、パートナーとご実家のサポートについて語っていただきました。
お話を伺ったのは…
mime テクニカルマネージャー
兒玉真侑さん
美容専門学校を卒業後、目もとケアを行うサロンへ就職。25歳のときアイブロー&アイラッシュ サロン「mime」に転職する。現在はサロンワークをこなしながら後輩の育成、外部スタッフへの技術指導にあたっている。
知人のネットワーク・ネット・区のお知らせをフル活用して産休後の情報を収集
――兒玉さんが結婚なさったのは何歳のときですか?
今、勤めているmimeに転職して間もない26歳です。友人の紹介で20歳のときに知り合い、お互いに「このままずっと一緒に年を重ねていけたらいいな」という気持ちでした。特に結婚願望が強かったワケではありませんが、一緒にいるときの空気感が心地よかったんですね。
――お子さんについては、計画していましたか?
自然に任せていました。長男の妊娠が分かったのは、スタイリストとしての経験を積んでいる時期だったんですよ。「まさかこのタイミング!?」って、自分でも信じられませんでした。貧血っぽくて体調があまり良くなかったので、「もしかして…?」と思いながら検査したところ、おめでたでした。
夫もビックリしていましたが、以前から子どもを欲しがっていたので、喜んでいました。
――兒玉さんご自身は?
もちろん嬉しい気持ちは大きかったのですが、漠然とした不安もありました。初めての妊娠ですし、これから仕事をどうするのか、いろいろ考えなくてはいけないことだらけで、不安も大きかったですね。
――兒玉さんの不安を解消したのは何ですか?
分からないことはネットで検索したり、住んでいる区からのお知らせを読み込んだり、子育てをしている方に聞きまくりました。引っ越ししたこともあって、ママ友をつくる時間がなかったんです。なので自分から情報を集めるようにしました。
私も夫も実家が遠いので、子育てのサポートを期待するのは難しい…と思っていました。それで自分たちでできることは用意しておきたかったんです。
――産休をとるまでは、どんな準備をなさったんですか?
お客さまの引き継ぎですね。いろいろ準備を…と思っていたものの毎日が忙し過ぎて、あっという間に産休の予定日になってしまいました。ただ臨月が近づくにつれお腹が重くて、「早く出したい」とは思っていましたね(笑)。
――復職は予定通りでしたか?
長男を産んだころは今よりも保育園の空きが少なくて、預けられるかどうか不安でした。いろいろ調べたところ、「0歳なら預けられる保育園が多い」というのを聞いていたので、育休を4か月で切り上げて復職しました。
実家は遠くて頼れない…と思っていたのが、いざとなったら頼もしい助っ人に!
――復職したときは、どんな勤務状態だったんですか?
18時までの時短勤務にしてもらいました。ゆとりがあると思っていたのですが、19時までに保育園へお迎えに行くにはギリギリで、毎日走って帰っていましたね。初めての子育てで慣れていないこともあって、長男のときは本当に大変でした。夜泣きがひどくて寝てくれないんです。毎朝ヘロヘロになりながら出勤していたような気がします。
身体も弱くて4歳になるまで、よく熱を出していたんですよ。私がどうしても休めないときは夫が会社を休んで息子の看病をしてくれました。これは共働き夫婦にはよくある問題ですよね。何とかやりくりしても、どうしても夫も私も休めないときは、静岡にある私の実家を頼りました。
――静岡はちょっと遠いですね。
車で2時間かかります。新幹線を利用しても2時間ですね。だいたい母が面倒をみに来てくれましたが、母に用事があれば代わりに父が来てくれることもあったんですよ。私が子どものころの父は、家事や育児を積極的にこなすタイプではなかったのですが、やはり孫は可愛いんですね(笑)。
――ご両親のサポートはありがたいですよね。仕事をしながらの子育ては、ワンオペでは負担が大きすぎます。
夫に「子どもが産まれたら、手伝ってくれないと私一人では無理だと思うから協力して欲しい」と伝えました。それ以来、言えばやってくれるようになりました。夫も私も結婚前までは一人暮らしをしていたので、夫も家事全般はひと通りこなせるので助かっています。
家事の分担を細かく決めずに、「やれる方がやる」というスタンスです。例えば、土曜日は私が出勤で夫はお休みなので、夫が洗濯、料理と後片づけを担当。その代わり平日は私が受け持っています。
――二番目のお子さんを授かったのは4年後ですね。
もう一人子どもが欲しい…とずっと思っていましたが、忙しすぎて気づいたら4年も経っていました(笑)。次男の時は産休を6週間、育休を11か月とりました。
――産休と育休で休んでいる間、「腕がなまる」不安はありましたか?
まったくありませんでした(笑)。研修期間を含め、数え切れないほどたくさんのお客さまの眉のお手入れをしてきたので、絶対に忘れないという自信がありました。きっと自転車のように、乗り方を覚えてしまえばいっとき離れていても乗り方を忘れないのと同じだと思います。
――お子さんが二人になると復職するのを諦めてしまう方も。兒玉さんは悩みましたか?
仕事に対する「やる気度」は、子どもを持つ前も今も変わりません。ただ、ベースが変わた気がします。以前は生活の中心が仕事でしたが、今は仕事と家庭の2つ。「ずっと仕事だけ」あるいは「ずっと家庭だけ」の生活は私には合わないことに気づきました。2つあるからこそ心にゆとりができて、仕事にも育児にもイキイキと向き合えていると思うんです。
子どもができるまで、こんな考え方になるとは思っていませんでした。子どもを持って、生活パターンを含めていろいろなことが変わったと思います。
兒玉さん流! 仕事と育児を両立させるための3つのポイント
1.居住する区や先輩ママたちの情報を集めて備えておく
2.家事や育児を一人で抱え込まず、パートナーと負担を分かち合っておく
3.いざというときは、遠方でも実家のサポートを頼る
技術者としての揺るぎない自信にあふれ、二人のお子さんのママとして充実した毎日を送っている兒玉さん。後編では、二人目のお子さんを産んでから時短勤務を見直したこと、お子さんたちに時間を守らせるために工夫していることなどを伺います。
撮影/古谷利幸(F-REXon)