【フリーランスのライフスタイル】EMIさんの夢を実現した軌跡
シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきたフリーランス美容師。「どのようにして生計を立てているのか?」興味がある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランス美容師にインタビュー。今回は、2017年の1月からフリーランスとして働いているEMIさんに登場していただきました。
ヘアメイクをメインに活動しているというEMIさん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?「オフの行動が仕事につながることもあります」とEMIさん。プライベートの過ごし方も気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの経緯などについて伺いました。
学生の頃から憧れていたヘアメイクの道
――――まずは、フリーランスになるまでの経緯について教えてください。
「美容学校を卒業後、都内のサロンで10年ほど腕を磨き2017年にフリーランスに転身しました。転身した理由は『ヘアメイクアーティストになる』という夢があったからです。私は学生の頃からヘアメイクに興味があり、いろいろな方の話を聞いたところ『美容師の仕事もできたほうが、選択肢が増えるよ』と。
そこで美容室に就職しスタイリストデビューもできましたが、ヘアメイクへの想いは消えませんでした。そのため2016年頃にスクールに通い勉強を始めて、フリーランスに転身した後は主にヘアメイクとして仕事をしています」
――――転身する時に大変だったことはありましたか?
「お客さまとのつながりを保つことが大変でしたね。私は、丸3年ほどスタイリストとして働いていたので、ありがたいことにたくさんのお客さまから指名をいただいていました。そのため、周りの美容師からは『もっとスタイリストとして活躍できるのにもったいない』と転身を止められることもありましたね。多い時は月300万円ほど売上げていたので。
それでも『ヘアメイクになる』という目標があったので、サロンを辞める気持ちは変わりませんでした。そこで、フリーランスになった後でもお客さまとスムーズに連絡を取るために転身する少し前からLINE@を活用するなど、個人的なつながりを持つことを意識していました。
しかし、なかなかやりとりがうまくいなくて…。転身後に継続できたお客さまは数えるほどでした。正直に言うと『全員手放す覚悟でいた』というか…。『以前勤めていたサロンに託そう』という気持ちもありました。また、『ヘアメイクに力を入れよう』と思っていたので、新規の方を集客する考えもありませんでした。今振り返ると、転身した直後はかなり大変だったと思います(笑)」
早朝から深夜までヘアメイク漬けの日々
――――それでは、フリーランスになった当初について教えてください。
「フリーランスになって直後の活動は、ヘアメイクのアシスタントとサロンワークの2つで比率は8対2でヘアメイクがメインでした。
ヘアメイクのアシスタントは通っていたスクールの先生のもとについて現場を経験しながらスキルを身に付けました。仕事内容がなかなかハードで、まずスケジュールが大変でした。早朝の5時に現場に行って、さまざまな現場を転々として深夜まで働いていましたね。
また、美容師との違いに戸惑うことも多かったです。美容師の場合はリピーターの方であれば来る前から性格やスタイルのイメージができていますが、ヘアメイクは毎回違います。現場も違えば、周りのスタッフも違い、もちろんメイクをする方も違います」
サロン時代よりも忙しい…無意識のうちに涙が流れることも
――――その他に、ヘアメイクの大変だったことはありますか?
「適応力を求められることがとても大変でした。たとえば、こだわりの強いアーティストさんがいたとします。『その方のアイラインの引き方はこう』というのが決まっているけれど、編集さんからは『今回はナチュラルな感じで』と言われた時に、臨機応変にどうまとめるか。はじめは苦戦しましたが慣れてきてからは楽しくなってきて、コミュニケーション力にも幅が出たのでよかったかなと(笑)。
ちなみに、アシスタント期間は2017年から2019年の半ば頃までです。今振り返ると、この頃はサロンで働いていた時よりも忙しかったと思います。無意識のうちに涙が流れてくることもあったので、かなり無理をしていたのかもしれません(笑)」
――――サロンワークはどのように取り組んでいたのでしょうか?
「サロンワークは継続のお客さまを担当していました。ある程度、お互いのことを理解できているので余計なストレスがなく安定していたと思います。また、美容師としての収入もあがったので、かなり助かりましたね。ヘアメイクアシスタントの収入は、それほど高くなかったので。サロンで働いていた時とフリーランスになった直後の収入は、だいたい同じくらいだと思います」
後編では、プライベートの過ごし方に迫ります。
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