技術チケット販売とSNS強化で休業明けから右肩上がりに!/Gigiグループ 間島勇大さん #1

コロナ禍により、これまでと同じ働き方が難しくなってきた美容業界。そんなwithコロナ時代を生き抜くために、他のサロンはどんな取り組みを行っているのか、そのプラス効果は?

今回は、表参道と代々木にあるヘアサロン「Gigi」に加え、昨年渋谷に「Chill」をオープンした間島勇大さんにインタビュー。「Gigi」は昨年の1回目の緊急事態宣言中、サロンの休業が余儀なくされるなか、ネットショップサービスを活用した施術チケットの販売という独自の取り組みが注目を集めました。

前編では、昨年の休業中の様子などを振り返りつつ、ECを活用した取り組みの背景と効果について深掘りしていきます。

お話を伺ったのは…

Gigiグループ
CEO 間島勇大さん

茨城県内のサロンを経て、都内有名店に入社。スタイリストデビューから2年後に独立し、表参道と代々木に「Gigi」、2020年9月「Chill」を渋谷にオープン。ヘアサロン以外にも不動産や内装、ウェディングヘアメイクなど、ライフワークスタイル企業として多方面で事業を展開。2021年7月、三軒茶屋にドライヘッドスパ専門店「お隣さんが寝かせてくれない」オープン。
Instagram:@majimayudai

緊急事態宣言を受け、スタッフの安全のため営業休止を決定

2020年4月時点で、表参道と代々木に2店舗を経営。
緊急事態宣言を受け、
スタッフの安全のため休業を決定した間島さん

―まず昨年、新型コロナウイルスが流行し始めた時期の様子を教えてください。

サロン営業に影響が出たのは、1回目の緊急事態宣言が出てからです。宣言を受けて、Gigiは1カ月休業することを決めました。当時は未知の部分が多かったし、まずは危険を回避して、対策を考えることにしたんです。

休業中サロンのスタッフには、自宅で課題をしてもらいました。それぞれの課題を決め、ウイッグを持って帰ってもらって、オンラインで練習を見たりしていましたね。カラーなどの材料が足りなくなれば、僕がお店に取りに行って接触がないように渡して。その間のお給料は、基本的には満額、歩合分は半年間の平均を出しました。

―スタッフの反応はいかがでしたか?

どうしようもないって感じですよね。スタイリストで売り上げのある子は、お客さんが離れてしまう可能性もあるので、できれば営業したいという子が多かったです。経営側としては、営業する・しないの線引きが難しいところでした。最終的には、医療従事者の方だけ希望があれば対応することにして、それ以外は「お給料はきちんと出すので我慢してください」とするしかありませんでした

その代わり、技術の課題やSNSの強化など、オンラインでできることを今は重点的にやりましょう、と伝えました。

休業中の売り上げを補填するため施術の前売りチケットを販売

GigiのECでは、
通常より10%オフの前売りチケットなど、
様々な施術チケットを販売

―休業中、施術の前売りチケットや、オンラインを活用したサロン向けセミナーチケット、一般向けメイク・スタイリングアドバイスチケットなどをECで販売されていました。背景を教えてください。

もともとサロンのECはあったので、休業中はそこに技術系のチケットを用意しました。何が当たるかもわかりませんでしたが、できることをやっておこうという気持ちでしたね。

サロン以外の事業もあるんですが切り離して考えているので、サロンはサロンである程度売り上げを出したかったんです。4月は満額お給料を出せたけど、5月以降はどうなるかもわからない。チケットで少しでも取り返せれば、みんなの負担が軽くなるんじゃないかと考えました。

―効果や反響はいかがでしたか?

実際400万円近くチケットが出ました。もちろん各店のひと月の売り上げには全然届きませんが、前売りチケットなので先の売り上げにもつながりますし、現実のところ目の前の現金化もできます。

休業していなかったサロンのなかには、もっと売り上げを出しているところもあったと思います。でも1カ月休業したうえ初めての試みで、400万という数字が出たのは、すごくよかったなと思います。

休業中の1カ月の措置ですし他の月との比較もできないので、実際の効果を知ることは難しいところがあります。ただ、おもしろい試みでしたし、きちんと構築できればこの先もっと店舗が増えても使えるなという肌感は、スタッフ全員が感じていました。

―現在もいろいろなチケットを販売されていますね。

そうですね。ただ施術のチケット販売をしてみて、問題もいっぱいありました。定額にしたら月に何回も来れちゃったり…僕の書き方も悪かったんですが(笑)。そこは勉強になったなということで、チケットの種類を減らしたり、新たなチケットを追加したりしながら続けています。

休業中はECの活用で収入減少を最小限に。
再開後は右肩上がりをキープ

Gigiグループのヘアサロン売り上げ変動イメージ
(2020年3月~2021年2月)

―2020年の売り上げの変動はいかがでしたか?

4月は8日から約1カ月休業していたので、サロンとしての売り上げはほぼゼロに近い数字でした。ECでのチケット販売分で少し取り返したかたちです。でも休業明けの5月は、4月に来られなかった方の来店もあり、グンと売り上げが伸びました。当時はまだ2店舗でしたし、正直「ちょっと密だな」というくらい稼働していましたね。

それから7月以降は、ずっと右肩上がりです。昨年対比も5月以降ずっと超えていましたね。

―売り上げがすぐに戻った理由は何だと思いますか?

5月6月は、単純に4月分のお客様が上乗せされたんだと思います。7月以降も継続的に売り上げが伸びたのは、休業中にSNSを強化したことが大きいかもしれません。

―SNSの強化とは?

それまで集客のためにポータルサイトにかけていた広告費を減らし、その分を各スタイリストがSNSで個人広告を出す費用に回しました。今まではSNSの勉強はしていたけど、直接お金はかけていなかったんです。そこに会社からお金を出して、しっかり集客までコミットできるようにしていきました。

ある程度きちんと投稿に力を入れていれば、あとはどんな人に届けるか。SNSの個人広告は地域や届ける層も選べます。少ないお金で、いろいろなパターンで広告を出して比較して…。会社から広告費を出すことで、スタッフ間でも数字が伸びる投稿についての情報共有がされるようになり、実際にフォロワー数や売り上げの数字も上がってきているので、個人的にはすごくよかったなと思います。

あとはコロナ禍でのECでのチケット販売を受けて、ECをさらに強化しました。マーケティングの専任スタッフも雇って、しっかり構築していこうと思っています。

―コロナ禍で物販やECの重要性を感じたというサロンも多いですよね。

そうですね。経営者としてサロン以外でマネタイズできる場所があるというのは基本だと思います。Gigiは元々自社製品も作っていましたし、ネットショップサービス「the base」を利用することで人件費を極力かけずにECを運営していました。

サロンの営業時間内に、営業とは別のところで売り上げが上がっていくのはすごくいいですし、既存のお客様の囲い込みという面でも大きいと思います。店販を買ってくれたお客様のリターン率は、購入しないお客様と10%以上の差があります。

GigiがECや自社製品を運営していた元々のベースはそこなんですが、コロナ禍があったことでより加速しましたし、休業中の補填にもつながったと感じます。ECや物販を通じてお客様とより強いつながりができていたことが大きかったですね。

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スタッフの安全を守りつつ、サロンの売り上げ減を最小限に食い止めるため、技術チケットの販売という新たな試みに取り組んだ間島さん。1カ月の取り組みながら、今後の店舗展開でも活用できそうだと実感したそう。休業中のSNS強化の取り組みも、多くの美容師の参考になりそうだと感じました。

後編では、コロナ禍で新しくオープンした「Chill」についてインタビュー。アフターコロナでの美容師の在り方についても、間島さんの考えをお聞きします。

▽後編はこちら▽
コロナ禍だからこそ新店舗オープン! 密を回避して売り上げをのばす戦略とは/Gigiグループ 間島勇大さん #2>>

取材・文:山本二季
撮影:米玉利朋子(G.P. FLAG)

Salon Data

Chill(チル)

住所:東京都渋谷区神宮前5-30-3 澁谷ニューアートビル3F
TEL:03-6434-1181

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