先輩を観察し続けた新人時代。技術のいいとこどりで能力アップ！「♢at’LAV♢by Belle」美容師・宇梶祐市さん
表参道に店を構えるヘアサロン「♢at’LAV♢by Belle」で店長を務めながら、プレイヤーとしても活躍している宇梶祐市さん。前編では、女性の悩みに寄り添うことが難しくメンズ特化を決断したこと、お客さまに居心地の良い時間を過ごしてもらうためカウンセリングに力を入れ、信頼と安心感を提供していたことなどを伺いました。
後編では、宇梶さんの新人時代の技術の磨き方やデビューまでに意識して取り組んでいたこと、入社前にやっておくといいこと、入社したばかりの方へのアドバイスなどを伺います。
今回、お話を伺ったのは…
「♢at’LAV♢by Belle」美容師・宇梶祐市さん
栃木県出身。栃木県にある「足利デザインビューティ専門学校」を卒業後、「♢at’LAV （現：♢at’LAV♢by Belle」に2014年入社。現在は、スタイリストとして活躍しながら店長としてスタッフの指導や統括を行なっている。メンズカットに特化しており、骨格補正カットに定評がある。
入社前にやるべき！SNSと自己ブランディングで重宝される存在に
学校は情報の宝庫と語る宇梶さん。業界誌を読み漁ることは効果的だそう
――入社を控える方へのアドバイスをお願いします。
もし僕が今の時代に改めて就職活動をして入社が決まったとしたら、入社前にはSNSで発信したり、自己ブランディングを考えたりすると思います。入社の段階で自分を磨けていると、どこのサロンでも重宝されますし、集客や売り上げにも大きく影響が出るのでおすすめです。
――ほかにも入社前にやるべきことはありますか。
学校には業界誌がたくさん置かれていて、美容業界の最前線で活躍する方の作品や情報を簡単に見ることができる環境が整っています。そのため、できる限り多くの専門誌を見て、自分の好きなスタイル、好きなスタイリスト、サロンを理解しておくべきです。
――理解することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
自分の理想の美容師像が分かるので、入社後に進む道が明確になって挫折しにくくなったり、サロンの雰囲気が分かることによって、実際の現場とのギャップが起こりづらくなります。また、これは就職活動においてですが、働きたいサロンが見つかりやすくなるメリットもありますよ。
先輩の技術をノートで可視化。自分に合った技術を吸収してレベルアップ
デビューから1年後に先輩にお願いしてメンズ特化になったそう
――技術の磨き方は学生時代と変わりましたか。
ものすごく変わりました。美容学生の頃は主にウィッグを使い、授業内でも、国家試験でも、正解の仕上がりというものが明確にあったんですが、入社後は人の髪を相手にします。さらに仕上がりの正解もありません。そのため、お客さまのイメージに対して様々なスタイルを提案できるように、カットだけではなく、シャンプー、カラーにおいても技術を磨くようになりました。
――具体的にはどのようにして磨いていましたか。
先輩たちの技術を盗んで自分のものにするという磨き方をしていました。まず同じサロンで働くたくさんの先輩にお願いして、施術を観察させてもらったんです。やはり十人十色、先輩方の施術やアドバイスはそれぞれ違いました。そのため、カットやシャンプー、ブローなど施術工程ごとに吸収したい先輩の技術をノートにまとめ、自分の理想の施術を完成させたんです。その後は、部分ごとに異なる先輩からの指導と実践を繰り返し技術を自分のものにしていきました。
――デビューに向けてやっていたことは何ですか。
今回お話しさせていただいたように施術対象をメンズに絞って考えていたので、メンズスタイルはものすごく研究したんです。業界誌を読んだり、メンズのヘアデザインを調べたりしました。僕の場合、アシスタント時代からメンズに特化した美容師になりたいという理想像を明確にもっていたので、デビュー後も方向性がブレず、精神的に苦しむことも少なかったと感じています。
何よりも大切なのは自分のペース。周りを頼るのは逃げではない
周りの人達に支えられてきた分、現在は支える立場を全うしたいと語る宇梶さん
――新人時代の自分と現在の自分の違いは？
新人時代は先輩に教えてもらってばかりで、ひとりでは何もできなかった僕が、現在は教える立場になったというのがわかりやすい違いですね。新人時代に先輩に幾度となく助けてもらった分、いま新人として頑張ってる方を助けることが先輩への恩返しになると考え、個人面談の時間を設けるなど積極的にコミュニケーションをとるようにしています。
――新人時代を振り返って学びになったことは何ですか。
人間性の大切さを学びました。技術や売り上げに関しては、スピードは違っても回数や時間をかければ絶対に上がっていくんです。つまりは、誰でも手に入れられるもの。一方で最終的に必要とされる美容師というのは、技術以外のものを持っている人です。先輩方が接客する姿を通して、大切なのは人に愛される人間性をどれだけ持っているかだと新人時代に学びました。
――これから美容師を目指す新人さんへのアドバイスをお願いします。
目標を持って、自分のペースで諦めずに頑張ってください。他人と比較してしまうと精神的にも辛いと思います。壁にぶつかることもあるかもしれませんが、ひとりで無理に頑張ろうとせず、周りの人を頼るのも手です。それは逃げではありません。自分の身体、精神、目標を大切に、諦めずに頑張っていけば、その先には楽しい未来が待っていますよ。
宇梶さんが考える入社前にやっておくべき3つのポイント
1.SNSや自己ブランディングに取り組み自分を磨く
2.業界誌を読み、理想の美容師像を見つける
3.サロン情報を引き続き調べ、イメージと現場のギャップを減らす
自分のペースで取り組むべきなどのアドバイスから優しい人間性がみえる宇梶さん。新人時代に悩みを多く抱え、先輩から助けていただいた経験があるからこそ具体的なアドバイスを伺えた取材となりました。入社を控えている方、入社したばかりの新人の方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
Salon Data
住所：東京都渋谷区神宮前3-28-3
電話：03-6432-9103
