日本化粧品検定1級とは?試験の概要やおすすめの勉強方法とあわせて取得のメリット・活かせる職業も紹介
美容関係者や、美容に関心の高い人に認知度の高い「日本化粧品検定」ですが、今回は1級に特化した内容を紹介します。
日本化粧品検定1級の資格の概要や、受験までのフロー、おすすめの勉強方法などを詳しく解説しますので、日本化粧品検定1級の受験を考えている人は参考にしてくださいね。
日本化粧品検定1級とはどんな資格なの?
日本化粧品検定は、文部科学省の後援を受けた公的資格です。1級を取得すると、化粧品の成分表示が解読できるようになり、日常の化粧品選びや接客などに活かすことができます。
また、美容に関する幅広い分野の知識を得ることで、専門家としての活動も可能です。
日本化粧品検定は、2013年に第1回が開催され、受験者数はのべ146万人を突破しました。受験者の4割以上は美容関係者で、美容業界への就職を目指す学生や、美容に関心のある主婦層なども受験しています。
2020年開催の「化粧品開発展」で行ったアンケート調査では89%の認知度で、美容業界で多くの人に知られている資格です。
合格率と出題範囲
2024年6月時点で、過去5回の合格率の平均値は68%です。1級の試験は、2級・3級にくらべて、より広く深い知識が求められるため、ほかの級よりも難易度は上がります。
出題範囲は、2級・準2級・3級の試験範囲も含まれます。
さらに、化粧品の成分や効能を読み解く化粧品科学、ボディ・ネイル・オーラル・ヘアなどの構造や、それぞれのトラブルとケアの方法、香りやサプリメントの基礎知識、化粧品に関する法律やPR表示のルール、安全性を保つために必要なことなどが問われます。
試験は公式テキストをもとに出題されますが、出題される分野が2級・3級よりも広くなるため、より専門的な知識の習得が必要です。
より具体的な出題範囲は、日本化粧品検定のサイトに掲載されています。
出題範囲における移行措置|2025年5月実施分のみ
日本化粧品検定試験の公式テキストと問題集は、2024年12月より改訂されます。そのため、2025年5月に実施される試験に限った移行措置として、改訂前の「第2版」の教材でも対応可能な試験内容です。
2025年11月以降は、改訂版のテキスト「第3版」に準拠した試験が行われます。
引用元
日本化粧品検定協会|日本化粧品検定 公式教材-公式テキスト・問題集に関する重要なご案内
日本化粧品検定1級試験の受験までの流れと試験概要
日本化粧品検定1級と2級の試験は年に2回、5月と11月に実施されています。ここからは受験までの流れと試験概要について紹介します。当日の持ち物や注意事項も紹介しますので、しっかりと目を通してください。
受験までの流れ
日本化粧品検定1級の試験を受験するためには、日本化粧品検定公式サイトから申し込みが必要です。クレジットカードか銀行振り込みで、受験料を支払ってください。
申し込み後の変更やキャンセル、払い戻しは一切できないため注意が必要です。
試験の約2週間前に、申し込み時に記載した住所に受験票が発送されます。受験票が届かない場合は、未着問い合わせ期間内にかならず問い合わせてください。
試験当日は、受験票に書かれてある試験会場で受験することができます。
受験当日の持ち物と注意事項
受験には以下のものが必要です。
・受験票
・顔写真付きの本人確認書類
・えんぴつ(またはシャープペンシル)・消しゴム
・腕時計
ボールペンや、消せるボールペンは使用できません。また、スマートウォッチの持ち込みも不可とされています。腕時計は必須ではありませんが、試験会場によっては時計がないところもあるため、持っておくことが推奨されています。
試験概要|受験資格・試験方式・試験時間・合格ライン・受験料
受験資格は、年齢・男女問わず、美容に関心のある人は誰でも受験できます。2級・1級を併願することも可能です。その場合は、同日受験となりますので、それぞれの試験開始時間を確認しておきましょう。
試験方式はマークシート方式で、60問出題されます。解答時間は60分で、問題の難易度によって合格ラインは若干異なりますが、70%前後の正答率とされ、およそ42問以上正解すれば合格です。
受験料は1万3,200円で、2級と併願する場合は1万9,800円で受験できます。。
試験に向けたおすすめの勉強方法
試験に向けた勉強方法は2つです。1つは独学で勉強する方法、もう1つは通信講座やスクールを受講する方法があります。ここではおもに、独学で勉強する場合におすすめの勉強方法を詳しく解説します。
日本化粧品検定1級は、2級・3級にくらべると難易度は高いものです。専門的な知識や、幅広い分野の知識を問われる内容ですから、試験に向けた勉強は欠かせません。
美容の基本的な知識がある人で1~2ヶ月程度、美容知識が全くない人は3ヶ月程度の勉強時間が必要になるため、計画的に取り組みましょう。
独学で学ぶ
独学での学習方法について、具体的な取り組み方を紹介します。
試験までの学習計画を立てる
仕事や家事・育児・学校などと並立させるため、学習をはじめる前に学習計画を立てましょう。試験日から逆算して、1日何時間・1週間でどの分野まで勉強するか、具体的な目標を立てることが大切です。
公式の対策テキストと問題集を購入する
化粧品検定の出題範囲は、公式テキストから出題されます。そのため、1級のテキストや問題集はマストアイテムです。また、1級の試験は2級・準2級・3級の内容も含まれるため、必要に応じて各級のテキストも購入しておくとよいでしょう。
公式テキストは公式サイトのほか、書店や通販サイトなどでも購入できますが、公式問題集は公式サイトでの限定販売となっているため注意が必要です。
なお、先ほどもお伝えしたように、2024年12月より公式テキストと問題集が第3版に改訂されます。12月半ばまでは予約販売となっており、テキストは12月中旬から順次発送されるとのこと。問題集は2025年2月以降の発送予定です。
テキストには通常のA5版とA4拡大版があります。通常サイズのテキストは2024年12月13日以降に、問題集は2025年1月29日から通常販売されます。A4拡大版のテキストは2024年12月18日以降の販売です。
改訂前の【第2版】1級対策問題集と【第2版】2級対策問題集は、今ある在庫がなくなり次第販売終了です。
引用元
日本化粧品検定協会|日本化粧品検定 公式教材-公式テキスト・問題集に関する重要なご案内
インプット(テキストを読む)とアウトプット(問題集を解く)を繰り返す
知識を習得するためには、インプットとアウトプットを繰り返しおこなう反復学習が有効です。
日本化粧品検定では、公式教材が用意されており、試験範囲も公式テキストの内容から出題されます。テキストを読み、問題集を解くという、「インプットとアウトプットを繰り返しおこなう」ことが基本の勉強方法です。
問題集で分からなかったところに印をつける
問題集で分からなかったところや、間違えた問題には、印をつけましょう。印は、「全く分からなかった」「勘違いしていた」「なんとなく正解した」といった理解度に合わせて色やマークを変えておくと、見返すときに役立ちます。
はじめのうちは、テキストを読んでいても、問題集を解いてみると分からないことが多いはずです。解答を見たり、解説を読むだけではなく、印をつけることで復習するときに役立ちます。
テキストや問題集は1章ごとにテーマが区切られているので、1章ずつ解き、解答と解説を確認してから印をつけるとよいでしょう。
問題集で出題された部分とテキストを照らし合わせ印をつける
問題集で出題された部分と、テキストを照らし合わせ、テキストに印をつけたり、下線を引いたりしましょう。問題集で出題された内容が該当するところを、テキストでおさえておくことで、出題傾向をつかみやすくなります。
テキストは、重要な内容や単語がオレンジ色の文字で書かれてあり、赤シートで隠して勉強できるようになっています。しかし、必ずしもオレンジ色で書かれた単語や内容だけが問われるわけではありません。
問題集とテキストとを照らし合わせることで、オレンジ色の文字以外(黒字で表記されている箇所)の出題されている内容もインプットできます。
通信講座やスクールを受講する
試験勉強のため、通信講座やスクールを受講する方法もあります。対策講座がおこなえる認定スクールが全国にあり、自宅で受講できる通信講座も用意されています。
化粧品だけでなく、美容に関わる知識や技術を習得したい人は、試験対策講座を導入したスクールの受講もおすすめです。
認定スクールについては、日本化粧品検定のホームページから検索できます。
化粧品検定1級を取得するメリット
ここからは、化粧品検定1級を取得するメリットについて紹介します。
化粧品や美容に関する知識を身につけられる
資格取得に向けて学習するなかで、化粧品や美容について正しく理解できるようになります。美容業界で活躍したい人にとっては、取得して損のない資格といえるでしょう。また、身につけた知識は、仕事で役立つだけでなく日々のケアにも活かすことができます。
就職・転職に有利に働く可能性も
日本化粧品検定は、履歴書に記載できる資格です。美容業界では認知度が高い資格であり、なかでも1級は上位の資格でもあるため、就職や転職の際に有利に働く可能性があります。
キャリアアップや収入アップにつながることも
資格によって美容の深い知識が得られるため、化粧品や美容に携わる仕事の人なら、提供できるサービスの質や量も変わることでしょう。その仕事ぶりが、人事評価につながる可能性も十分にあります。
また、職場によっては資格手当がつくこともあるため、収入アップになるかもしれません。
日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュが目指せる
1級取得後、日本化粧品検定協会に入会し、認定プログラムの受講と課題の提出によってコスメコンシェルジュの資格が取得できます。
コスメコンシェルジュとは、肌の性質や好み・悩みに合わせた化粧品選びの専門家のことです。
資格を取得すると、自身の化粧品選びに役立つだけでなく、お客様に合った化粧品の提案や的確なアドバイスができるようになります。知識の幅も広いため、販売や施術、情報の発信など、活躍の場をさらに増やせることが期待できます。
引用元
日本化粧品検定協会|日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ
化粧品選びの専門家として信頼度アップ
コスメコンシェルジュは化粧品選びの専門家として、信頼度がアップします。なぜなら、化粧品の成分表示を読み解き、特徴を理解できるので、肌の悩みやメイクの要望など、化粧品に関することは、どんなことでも応えられるようになるからです。
活動の協力が得られる
コスメコンシェルジュになると、活動に役立つ協力が得られます。たとえば、コスメコンシェルジュの認定証やバッジがもらえるほか、ロゴの使用許可も得られ、自身で活動する場合に役立てられるでしょう。
ほかにも、資格取得者限定のサービスに登録することで、コスメコンシェルジュを必要とする企業とマッチングしてもらうことも可能です。
企業とマッチングすることによって、メディアへの出演やTV・雑誌などの美容企画、美容ライターとして執筆業務などの依頼を受けることができます。
日本化粧品検定1級が活かせる職業は?
日本化粧品検定1級の取得によって、美容業界で役立つことをお伝えしましたが、実際にはどんな職業で役立つのでしょうか。以下でその職業をいくつか紹介します。
美容部員
美容部員は、百貨店やドラッグストアなどの化粧品売り場で、商品を販売する職業です。商品販促のため、実際にお客様にタッチアップを行うこともあります。
化粧品検定1級を取得していれば、美容全般の知識が豊富なだけでなく、化粧品の成分も理解できているため、お客様の相談に応じたり適切なものを提案したりできるでしょう。
美容師
美容師は、お客様の髪のカット・パーマ・カラー・ヘアセットなどをする職業です。お客様の希望や好みにあわせて施術を行います。化粧品検定1級では、ヘアケアについても知識が身につくため、髪の悩みの解決に一役買うことができるでしょう。
なお、美容師になるためには、美容師免許が必要です。
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エステティシャン
エステティシャンは、マシンや手技を用いて、お客様の肌や体の悩みに応じた施術を行います。施術内容は、フェイシャル・ボディ・痩身などさまざまです。
2級の試験範囲に含まれる、筋肉・ツボ・リンパの知識を活かしてボディのケアをしたり、スキンケアの知識を活かしてフェイシャルの施術をしたりと、幅広く役立ちます。
メイクアップアーティスト
メイクアップアーティストは、メディアで活躍する人や、結婚式を挙げる新郎新婦などにメイクを施すプロです。お客様の顔立ちや骨格を活かして、その人の魅力を引き出します。
お客様の肌質なども見極めてメイクをするため、日本化粧品検定で身につけた知識をそのまま活かせる職業のひとつです。
化粧品メーカーなど
日本化粧品検定1級の資格が活かせるのは、接客業ばかりではありません。たとえば化粧品メーカーは、お客様が手にする化粧品の企画や開発を行っており、資格取得のために学んだことをそのまま活かすことができます。
営業部門でも、知識にもとづいて提案ができるのは強みになるでしょう。
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日本化粧品検定1級は美容業界での認知度が高く、化粧品や美容に関する正しい知識を持っているプロとして誇れる資格です。自身の化粧品の見直しに役立ったり、友達や家族にアドバイスすることができるようになり、自信にもつながります。
また、科学的根拠に基づいた幅広い分野の専門的な知識を持っていることで、美容にかかわるさまざまな職種に活かすことができるでしょう。
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