何気ない出来事も売上に繋がるヒントに。「韓国ヘア」を武器にトップスタイリストへ【美容師 舩木 宏哉さん】#1
宮城県仙台市に11店舗のサロンを展開している「hair&make first」で、美容師として働いている舩木(ふなき) 宏哉さん。デビュー後は売上が伸び悩んでいましたが、いち早く「韓国ヘア」に目を付けたことで、サロン内でもトップの売上を達成。舩木さんが韓国ヘアを武器にするまでの経緯や、取り入れたことで変化した売上についてお聞きします。
お話を伺ったのは…
美容師 舩木 宏哉さん
宮城県仙台市出身。高校卒業後に仙台ビューティーアート専門学校へ進学し、卒業後は地元の個人経営のサロンに就職。半年で退職したのち、現在のサロン「hair&make first」に就職し、スタイリストデビューを果たす。現在は、「韓国ヘア」を取り入れた「くびれる女神レイヤーカット」を武器に、トップスタイリストとして活躍中。
自分に合うサロンに転職し、憧れのスタイリストデビューを果たす
――美容師を志したきっかけは何ですか?
高校生の頃に行ったサロンが美容師を目指すきっかけになりました。
僕はそれまで理容室で髪を切っていたのですが、なかなか流行の髪型にしてもらえず不満を感じていました。それから高校生になり、初めてサロンに行ってみたところ、僕が理想としていたヘアスタイルにしてもらえたことにすごく感動して、美容師に憧れるようになったんです。
高校卒業後は、仙台市にある「仙台ビューティーアート専門学校」に進学して、僕が憧れていた美容師が働く個人経営のサロンに就職しました。
――憧れて同じサロンに就職したのですね。どんな層をターゲットにしたサロンだったのですか?
今勤めている仙台市よりも郊外にある個人経営のサロンで、その地域に住む主婦の方や年配の方がターゲット。地域密着型でアットホームなサロンでした。
――では、そのサロンでスタイリストデビューを?
憧れて入社しましたが、実際に働いてみると経営方針に納得できない点があり、転職することに。その後入社したのが、現在のサロン「hair&make first」です。
――現在のサロンを選んだ決め手は何ですか?
僕は負けず嫌いな性格なんです。常に刺激し合って、高め合える仲間が欲しいタイプだと気づいたので、たくさん人数も採用している規模が大きいサロンで働きたいと思い、現在のサロンを選びました。
――実際に就職してみていかがですか?
規模が大きいため、カリキュラムもしっかりしていて、安心してスタイリストデビューができました。デビューまで厳しい道のりでしたが、ライバルとして、戦友として同期がいたから乗り越えられたと思います。
「くびれる女神レイヤーカット」誕生。韓国スタイルを打ち出して売上が安定した
――デビュー後、大変だったことは?
韓国スタイルを打ち出す前は、そのときのトレンドを毎回チェックして取り入れるなど、いろいろ試行錯誤をしていました。アシスタント時代からヘアアレンジやカラーリングに力を入れていたので、デビュー直後はそれをウリにしていたのですが、あまり売上に直結せず、安定しないことが悩みでした。
活路を見出したのが、「あざと毛」カット。当時から支持を集めていた前原穂高さんをチェックしていてヒントを得ました。
――「あざと毛」とは?
顔まわりのおくれ毛に動きをつけるようにカットし、顔まわりに落とした毛束のことを指します。
日本人は顔まわりの毛が長く、顔が長く大きく見えてしまう髪型が多い。反対に韓国ヘアは顔まわりの毛が短く、動きがあるのが特徴的。小顔効果もあり、女性が憧れる卵型のようなシルエットをかなえられるのです。
あざと毛を知ってからは極めるためにそれぞれの輪郭に合うカット方法を追求するなど、力を入れていました。
――現在の「くびれる女神レイヤーカット」を考案したきっかけは?
当時担当していた韓国好きのお客様から、韓国ヘアが流行っていると情報をいただいたことがきっかけ。当時の僕は特に韓国好きとかではありませんでしたが、韓国の美容師さんが発信している動画を見てカットしてみたところ、思ったより自分に「ハマった」感じがしたのです。そもそも「あざと毛」カットは顔まわりの髪を調整するカット方法のため、韓国のヘアスタイルと似ていたことで、すぐに習得できたのだと思います。
この「あざと毛」が、現在考案した「くびれる女神レイヤーカット」の元となりました。
――「くびれる女神レイヤーカット」について教えてください。
韓国ヘアの一種で「あざと毛」と同様に顔まわりの毛をカットし、横に流します。顔まわりの毛を横に回すことで顔だけでなく首までもが細く見え、自然にスタイルや姿勢が良く見えるといった効果もあります。
――売上に変化はありましたか?
ありましたね。だいたい2〜3倍くらいアップしました。
売上に直結する技術を…と思ってその時々の流行を追っていましたが、流行る前に韓国ヘアに目を付けて実践できたことが売上に繋がったと思います。
――売上をキープするために必要なことはなんだと思いますか?
リピートいただいているお客様を定着させることも必要ですが、売上を伸ばすためには、新規のお客様にご来店いただくことが大切だと思っています。新規のお客様に、自分を知ってもらわなければ来店していただけないです。
リピートいただいているお客様を定着させることや新規のお客様に自分を見つけてもらうために、インスタグラムの運用は欠かせないと思います。
学生時代に憧れの美容師と出会い、夢を追いかけた舩木さん。無事にスタイリストデビューを果たし、今度は自分の「武器」は何か悩みます。移り変わりの早いトレンドを素早く吸収し、しっかり自分の武器に仕上げて着実に売上を伸ばしてきた舩木さんが、売上をキープし続けるために必要だと話すのは、SNSツール。後編では、その活用方法や売上にどのように直結するのかなどについて伺います。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)
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