大人女性のニーズに応えるトータルビューティーサロンをオープン「ulu.」大平結花さん
2023年6月、神奈川県の大倉山駅の駅前に「ulu.」をオープンさせた美容師の大平結花さん。美容師であるご主人と一緒に独立することを夢見ていたという大平さんは、お子さんがまだ1歳というタイミングで開業に踏み切ります。出産後、仕事のスタンスや生活リズムが大きく変わった大平さん。長く美容師として仕事を続けるためには夫婦で協力して子育てと仕事が両立できる環境を早く整えたい、と考えたからだそうです。
またサロンの大きな特徴がトータルビューティーサロンを掲げていること。大倉山に多いファミリー層や、大平さんの顧客層である忙しい大人女性のニーズを満たす、同時施術を可能にしたそうです。
今回、お話を伺ったのは…
大平結花さん
美容師
専門学校卒業後、「GLAMOROUS」に入社し、14年間に渡って美容師の腕を磨く。専門学校在籍時からコンテスト出場経験を重ね、2012年 「KBKカットコンテスト」優秀賞、2016年、2017年「NAKANO コンペディション」決勝大会進出、2018年「WELLA TREND VISION award」GOLD AWARDなど受賞経験も多数。
2023年6月には夫とともに「ulu.」を立ち上げ。ネイルとの同時施術が可能なほか、パーソナルカラー診断、着付けなどのメニューも提供する、トータルビューティーサロンをコンセプトにしている。
夫婦で協力して子育てと仕事が両立できる環境を整えるため、独立を決意
――2023年6月に独立されたそうですが、お子さんはまだ1歳と手がかかる時期でもあるかと思います。この時期に開業した理由は?
元々、夫と付き合っていた頃から、2人でいつか独立したいと考えていました。2年ほど前からそろそろ、と思い本格的に計画を進めていて。今回たまたまいい物件が見つけられたことが大きいのですが、子どもが産まれたことによってさらに、長く美容師として働くには夫と協力しながら子育てと仕事を両立できる環境を整えることが必要だと思うようになり、独立に対する思いが強くなりました。
というのも妊娠・出産を機に、仕事のスタンスや生活リズムが大きく変わって。以前働いていたサロンではそれまで務めていた店長を続けることが難しくなり、今後の働き方について考えるようになったんです。夫婦で独立すれば子どもの体調不良のときも協力できますし、休みも一緒に過ごすことができます。子どもは今確かに手がかかりますが、私も夫も35歳を過ぎていて子どもの成長を待つのは難しいですし、環境を整えるなら早いほうがいいと思い、オープンに踏み切りました。
――「ulu. 」はどんなコンセプトで作られたサロンなのでしょうか。
「ulu.」はハワイ語で成長する、広がるという意味が込められています。お客さまとともに自分たちがいつまでも成長し続けて、関わるすべての方々との繋がりを大事にし、心を豊かにするアットホームサロンをコンセプトにしています。大きな特徴としてはネイルサロンを併設していることです。ヘアスタイルだけではなくネイル、着付けなどを提供する、トータルビューティーサロンを目指しており、今後もメニューを拡大したいと思っています。
出産後に気付いた、同時施術のニーズ
――トータルビューティーサロンを目指した理由は?
忙しい女性に確実に需要があると思ったからです。私自身、子どもが産まれてから、美容にかける時間を捻出するのが難しくなり、美容室×ネイル、美容室×アイサロンなど同時施術できるサロンがあればと思うことが増えてきました。新しくサロンを構える大倉山が、ファミリーの多い地域で子どもが小さいママ層が多いのと、私のお客さまのコア層は大人女性だということもあり、とくに忙しいこの層には絶対にニーズがあると思っています。
――確かに、ネイルとヘアカットの同時施術は需要が高そうです。
そうなんです。しかも美容室にネイルサロンが併設されていて同時施術ができるサロンって、ありそうでないので、差別化にもつながると考えました。ネイリストとして入ってくださるのが、私のネイルを5~6年くらい担当してくれていた方で。お互いにお客さまを紹介しあっていたりと、信頼がおける方ということもあり、一緒に働いていただくことになりました。
パーソナルカラーの資格を取得することで、お客さまからの信頼度もアップ
――パーソナルカラーの資格もお持ちとのことですが、それもトータルビューティーサロンに関係があるのでしょうか?
はい、元々パーソナルカラー診断は自分の身近な方やお客さまから希望があれば行ってきましたが、近年はパーソナルカラーがブームになり、認知度もあがってきたので、「ulu. 」では本格的にメニューの1つとして加えようと思っています。自分がパーソナルカラー診断の資格を取得してから気が付いたのですが、自分に何が似合うのか知りたいというニーズは根強くあるので、それを満たせるのではないかと思っています。
――ちなみにパーソナルカラーの資格を持っていることは、美容師の仕事にも役立ちますか?
コミュニケーションのなかでファッションの提案が理論的にできるようになり、美容の分野を安心して任せられると、お客さまからの信頼感が強まったのかなと思います。たとえば「○○さんの服、すごく素敵ですね」と伝えるより、「○○さんの肌はこういう色味だから、これが似合うんですよ」と伝えられた方が、説得力があると思うんです。パーソナルカラーの資格を取得する前もコンテスト経験によって、感覚的な似合わせができていると思っていましたが、より理論的な説明できることは大きな強みになっていると思います。
「ulu.」ではヘアスタイルだけではなく、ファッションからメイクもトータルで提案していきたいと思っており、この強みがより生きてくるのではないかと思います。
大平さんの独立をスムーズにした3つのポイント
1.子どもの成長を待つのではなく、子育てと仕事が両立できる環境作りに着手した
2.忙しい女性のため同時施術が可能になる、トータルビューティーサロンをコンセプトにした
3.パーソナルカラー診断や着付けなど、提供できるメニューの幅を増やした</3h
後編では14年美容師としてキャリアを積み、2018年には「WELLA TREND VISION award」で優勝をおさめるなどコンテスト入賞経験も多数ある大平さんの、美容師としての強みを掘り下げます。10年以上通う顧客も数多く抱えているという大平さんは、コンテスト出場やパーソナルカラーの資格取得など常に新しいことを取り入れ、長く通う方も飽きないような工夫をしているそうです。後編もお楽しみに!