オールウェーブとは?美容師国家試験でのチェックポイントを押さえよう

オールウェーブは、美容師の国家試験で課題になる可能性のあるヘアスタイルです。美容師を目指すなら習得しておかなければならないテクニックで、やり方やコツをしっかり覚えなければなりません。この記事でオールウェーブについて詳しく解説するので、試験対策に活用してみてください。

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オールウェーブとは

オールウェーブとは、髪全体にローションをつけ、コームと手指を使ってカールを作り、ウェーブ上に仕上げたヘアスタイル。戦後~1960年代頃に流行りました。

オールウェーブはパーマの基本とされながらも、きれいに形作るのは難しく、高い技術力が求められる施術です。習得するためにはしっかりと練習を積まなければなりません。

しかし現在では、オールウェーブを実際にお客様に対して施術することはほとんどないという現実もあります。

美容師試験の課題のひとつ

美容師の実技試験の第2課題として、オールウェーブが課されることがあります。毎回必ずというわけではなく、回によってワインディングとオールウェーブのいずれかが出題されますが、出題される可能性を考えると練習はしておかなければなりません。

廃止の意見も出ている

前述のように、オールウェーブは今では需要が少なく、ほとんど現場で使われない技術のため、廃止を検討する動きもあります。詳しいことは後述するので、あわせてご確認ください。

美容師国家試験のオールウェーブ対策ポイント

美容師の国家試験では、筆記試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。そこで、オールウェーブが第2課題になったときの試験対策・施術のポイントをお伝えします。

なお、オールウェーブ課題はノーパートの7段構成で施術。試験の制限時間は25分で、時間内にすべて仕上げることが必要です。

フィンガーウェーブ

フィンガーウェーブとは、指とコームを使ってウェーブを作り上げる技術。髪全体をローションで濡らし、利き手ではないほうの指で髪を押さえながら、利き手側のコームでシェープして髪をうねらせていきましょう。

フィンガーウェーブは頭部の左右に作ります。割れや重なりは減点対象になるため、気をつけなければなりません。

ピンカール

前述のとおりオールウェーブは7段構成で作る必要があり、各段に指定通りの4種類のカールを作ってピンで留めていきます。各カールについて、以下で詳しく解説しましょう。

1. スカルプチュアカール

スカルプチュアカールはフラットカールの一種。1段目に、ウェーブ幅の2/3サイズのカールを5つ作っていきます。1つ目はループの1/3程度が額にかかる位置に。残り4つも規定通りに配置しなければなりません。

さらに、3段目にも真ん中に5つのスカルプチュアカールを配置しましょう。

2. リフトカール

リフトカールとは、頭皮から立ち上がった、ボリュームのあるカール。地肌から45度で立ち上がるようにステムを作りましょう。4段目中央に右リフトカール、5段目中央に左リフトカールを配置します。

ループ同士をつなげるようにピニングすれば、リフトカール部分の完成です。

3. メイポールカール

メイポールカールは、毛先がループの外側になるように根元から巻き上げて作ります。やや厚みは出ますが、フラットカールの一種です。

「メイポール」とはイギリスでメーデーに使われる「5月柱」のことで、「メイポールカール」はメイポールの周りを巻くようなイメージからつけられた名称。6段目の中央に3つ作り、オニピンとボビーピンでクロスピニングします。

4. クロッキーノールカール

クロッキーノールカールは、指の根元から指先に向かって投げ縄のようにひと巻きで作り上げるカールです。オールウェーブの仕上げとなる7段目に配置します。メイポールカールとは対照的に、毛先が内側に入るのが特徴。毛先に強いカールがかかる巻き方です。

ピニング

ピン留めがきちんとできているかも重要な点。同じ列のカールは、きちんと同じ方向にそろえてピニングしましょう。また、ピンカールはボビーピン1本で留めているか、メイポールカールのクロスピニングがきちんとできているかもチェックされます。

全体的なバランス

オールウェーブの全体的なバランスも審査対象です。フィンガーウェーブは頭部の左右縦1/3ずつになっているか、ウェーブの幅のバランスが取れているか、耳上部のウェーブが耳にかかっていないかなどを自分でもチェックしましょう。

その他のポイント

その他のポイントとして、モデルウィッグや使う道具が規定通りであるか、きちんと最後まで仕上げられているか、作業後の処置に問題はないか、試験内容に即した仕上がりになっているか、などもしっかり確認することが大切です。

また、美しく仕上げながらも時間内に終わらせる必要があります。些細なミスが結果に大きな影響を与える可能性もあるので、最後まで気を抜かずに仕上げましょう。

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オールウェーブ試験は廃止される?

記事の前半で「オールウェーブ試験を廃止する声が挙がっている」ということをお伝えしましたが、ここで、現在どのような状況なのかを解説します。

2022(令和4)年に、厚生労働省によって、美容業界の有識者を集めた「美容師の養成のあり方に関する検討会」が開かれました。その結果、美容師国家試験の実技試験をより実践的なものにするため、オールウェーブを課題とすることの見直しを行う方向に。

さらに、2023(令和5)年7月には厚生労働省より、2024(令和6)年中に検討して報告書をまとめるなど、今後の段階的な検討の方向性が発表されました。

引用元
「美容師養成の改善に関する当面の方針」に係る令和5年度以降の対応|厚生労働省

まつエクは必修化&実技試験に課される可能性も

上記のように美容師試験の内容が見直されるなか、まつエクを必修化する・実技試験に取り入れることを検討してはどうかという意見も出ているのが事実です。

まつエクに関するトラブル(感染症・角膜障害など)は、美容師免許が必須化されてから減っているものの、安全性の確立が叫ばれています。現状では美容師試験の筆記試験でのみ問われている内容ですが、養成段階からの見直しが提言されました。

まつエクの実技試験には課題も

実は、現在のところまつエクの扱いは美容学校によって異なり、必修としている養成施設はわずか42.5%しかありません。このような状態で公正・公平な試験を行うのは現実的に難しいという課題があり、慎重な検討が求められています。

オールウェーブをしっかり習得しよう

美容師試験ではオールウェーブは廃止の動きもありますが、ヘアセッティングの技術を磨くという意味では習得しておいて損はありません。

なお、今回はオールウェーブが試験で課されたときに備え、スタイリングの方法とあわせて試験時にチェックされるポイントもお伝えしました。内容を参考にしながら練習を重ね、しっかり身につけましょう。

引用元
美容師実技試験第2課題 オールウェーブセッティング 審査マニュアル|理容師美容師試験研修センター

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