メイクセラピストになるには? 必須資格とおすすめ民間資格を紹介
化粧を施してお客様を美しくするメイクアップアーティストは、メイクサロンやブライダルサロン、エステサロン、美容室など、さまざまな場所で活躍しています。
そんなメイクアップアーティストのなかに、メイクをすることでメンタル面のケアもする「メイクセラピスト」という職業があるのはご存知でしょうか。今回はメイクセラピストに焦点を当て、メイクセラピストに必要な資格や、活躍できる場所について解説します。
メイクセラピストとは?

まずは、メイクセラピストとはどんな職業なのかについて見ていきましょう。
メイクセラピストとは、「メイク」と「セラピスト」の両面をあわせ持つ職業で、容姿を美しくするメイクアップの技法と、心や精神面にアプローチする心理カウンセリングの手法を合わせた「メイクセラピー」(化粧療法)をおこなう人のことです。
メイクでお客様を美しくする点では、メイクサロンなどのメイクアップアーティストと共通ですが、どちらかというと美容業界よりも看護や介護、リハビリといった業界で活躍する人が多い仕事です。
近年ではとくに、心のケアが重視される医療・福祉業界から注目が高まっています。
メイクセラピストになるには?

メイクセラピストになるには、まず美容師免許の取得が必要です。なぜかというと、美容師法という法律で以下のように定められているからです。
第二条 「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。
メイクセラピストはメイクをすることで「容姿を美しく」し、利用者のケアをするため、「美容を業としている」と解釈できるのではないでしょうか。
そのため、まず美容師免許を取得することは、メイクセラピストとしてのキャリアを築くうえで重要な基盤となります。また、美容師免許取得のためにさまざまなことを学ぶ課程で、メイクアップ技術だけでなく、肌や髪の健康に関する専門知識も身につけることができるでしょう。
美容師免許を取得するには?
美容師免許を取得するためには、主に以下の手順を踏む必要があります。
まず、厚生労働大臣が指定した美容師養成施設に入学します。美容専門学校では、美容技術や関連する理論を学びましょう。
次に、養成課程を修了しなければなりません。昼間・夜間課程は2年間、通信課程では3年間のカリキュラムを修了する必要があります。この間、実技と理論の両方を学びます。
養成課程を修了後は、美容師国家試験を受験します。この試験は、実技試験と筆記試験の2部構成です。国家試験に合格した後、都道府県知事に美容師免許の申請をすると、晴れて美容師免許を取得できます。
美容師免許取得後は、メイクセラピストとしての専門的なトレーニングや資格取得を目指しましょう。メイクアップ技術と心理的なアプローチを組み合わせた、独自のサービスを提供できるようになります。
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美容師の資格と取得方法を紹介|キャリアアップに役立つ資格5選
引用元
公益財団法人 理容師美容師試験研修センター:理容師美容師になるためには
メイクセラピストを目指す方におすすめの民間資格を紹介

メイクセラピストという職業は、美容と心理学の両面からアプローチする独特な専門性を持っています。そのため、活躍するためには、メイクアップ技術だけでなく、心理学や化粧品に関する幅広い知識も必要となるでしょう。
ここから紹介する民間資格は、メイクセラピストとしての総合的なスキルを向上させるのに役立ちます。
メイクセラピー検定
メイクセラピストに関係する公的な資格はありませんが、民間の検定として「メイクセラピー検定」があります。
メイクセラピー検定は、一般社団法人メイクセラピストジャパンが認定する資格です。この検定は、メイクセラピーに関する総合的な知識と技術を評価するもので、メイクセラピストを目指す方にとって非常に重要な資格の一つです。資格は1~3級、特級の4つのレベルに分かれており、3級がもっとも初級の資格です。
美容業界や学生だけでなく、医療・福祉業界の受験者も多く、化粧品メーカーやサービス業、医療機関など、幅広い業界で社内認定スキルとしても採用されています。
引用元
一般社団法人メイクセラピストジャパン:メイクセラピー検定とは
一般社団法人メイクセラピストジャパン:試験内容
メイクセラピー検定 特級
メイクセラピー検定の最上位レベルである特級は、プロフェッショナルとしてのメイクセラピストを認定する重要な資格です。特級に合格すると、「認定メイクセラピスト」の称号を得ることができ、プロとして活躍する道が開かれます。
特級の試験は、高度な理論知識と実践的なスキルの両方を評価します。試験内容には、メイクセラピーの専門的な技術や知識だけでなく、カウンセリングやマナーも含まれます。
日本メイクアップ技術検定試験
JMA日本メイクアップ技術検定試験は、メイクアップに関する知識と技術を総合的に評価する実技試験を含む資格です。この試験は、メイクアップアーティストを目指す人や、メイクの技術を仕事に活かしたい人にとって重要な資格の一つです。
試験は1~3級まであり、各級で求められるメイク技術のレベルが異なります。3級では基本的なメイク技術、2級ではより高度な技術、1級ではプロフェッショナルレベルの技術が要求されます。メイクセラピストにとっても、高度なメイク技術は必須のスキルであるため、この資格の取得は大きな強みとなるでしょう。
日本化粧品検定
日本化粧品検定は文部科学省後援の検定試験で、化粧品に関する幅広い知識を学び、成分や効果を正しく知ることでスキンケアやメイクアップに最適な化粧品を選ぶことができるようになる資格です。
試験は1~3級の3つの難易度があります。3級では基本的な知識、2級ではより専門的な知識、1級では高度な専門知識が問われます。
メイクセラピストにとって、化粧品に関する深い知識は重要です。クライアントの肌質や悩みに合わせた適切な化粧品の選択や使用方法のアドバイスができるようになるため、サービスの質を高めることができます。
こころ検定
こころ検定は文部科学省後援の検定で、こころの仕組みや科学的根拠にもとづいた心理学を学び、級に応じた難易度で出題されます。練習問題や公式テキストも用意されているので、活用しましょう。
試験は1~3級の3つの難易度があります。3級では基礎的な心理学の知識、2級ではより応用的な知識、1級では専門的な知識が問われます。クライアントの心理状態を理解し、適切なアプローチをおこなうための基礎となるため、メイクセラピストにとって、心理学の知識は非常に重要です。この資格の取得は、メイクセラピストとしてのスキルを大きく向上させることができるでしょう。
引用元
心理を学ぶ文部科学省後援「こころ検定」
心理を学ぶ文部科学省後援「こころ検定」:各級について
メイクセラピストの主な就職先

メイクを通してメンタルケアをおこなうメイクセラピストは、活躍の場も幅広くさまざまな就職先があります。ここからは、メイクセラピストの主な就職先について見ていきましょう。
介護・福祉施設
介護・福祉施設はメイクセラピストの代表的な就職先です。高齢者を対象にしたメイクセラピーをおこなうことが多いです。
病気やケガ、加齢などで体を思うように動かせなくなったり、外見が衰えたと思ってしまったりすると外出が億劫になりがちですが、メイクをしてキレイになることで気分が上向きになり、認知症の予防効果も期待できると言われています。
エステサロンなどの美容業界
メイクセラピストは高いメイク技術をもっているので、エステサロンやブライダルサロンなどの美容業界でも活躍できます。メイクのスキルにプラスして心理に関する専門知識があることで、お客様とのコミュニケーションに役立つでしょう。
皮ふ科・形成外科などの医療機関
皮ふ科・形成外科などの、医療機関で働くメイクセラピストもいます。ケガや病気による皮ふの治療痕や変色、アザなどを隠す目的で、患者のコンプレックス解消に助力します。診療科目に関わらず、長期的な病気の治療による、心理的な落ち込みを解消する目的として取り入れている医療機関もあります。
就活支援・キャリアカウンセラー
就活支援・キャリアカウンセラーや、学校の就職相談などでもメイクセラピストは活躍しています。就活・転職時における面談時に、印象や雰囲気を管理するためにメイクセラピーをおこなうことがあります。
美容部員(化粧品販売)
メイクとコミュニケーションの両方の技術を活かせるのが、化粧品を専門に販売する美容部員です。会話のなかでお客様の悩みやコンプレックスを汲み取り、似合うメイクを提案して化粧品を販売します。また、化粧品メーカーで美容部員の教育に関わることもあります。
専門学校やスクールの講師
メイクセラピーの注目が高まるにつれ、専門学校やスクールの講座などが増え、講師の需要も高まっています。後進を育成するため、メイクセラピーの知識と技術を教える専門学校や講座の講師としての道もあります。
独立・開業
メイクセラピストとしてのスキルを活かし、独立して自分のサロンを開業することも可能です。エステサロン、リラクサロン、メイクサロンといった、メイクに関わるさまざまなサロンとして独立可能で、どんな施術をメインにおこなうかは自分次第です。
別記事で、実際にメイクセラピストとして東京・吉祥寺にサロンを開業している小林友子様に伺ったお話をまとめていますので、あわせてご覧ください。
外見はもちろん、内面もサポートする「メイクセラピスト」のお仕事とは?【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.75/メイクセラピスト・小林友子さん】#1
自分に合った職場探しにはリジョブがおすすめ

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メイクだけじゃない、メンタルにもアプローチしてお客様の幸せを手助けする仕事

メイクセラピストは、メイクと心理カウセリングの手法をあわせ、メイクを通して精神面にもアプローチするメイクセラピスト。美容業界はもちろん、メイクを通したメンタルケアで介護・福祉施設や医療機関といった、幅広い業界で活躍できる可能性があります。
メイクが好きで、メイクで誰かの役に立ちたい!という人にぴったりの仕事だといえるのではないでしょうか。
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