セルフケアを通して美容と健康、心のサポートを伝えたい【アーユルヴェーダセラピスト アカリ・リッピーさん】#1
人気アーユルヴェーダセラピストとして活躍するアカリ・リッピーさん。アーユルヴェーダの施術を行うサロン「スリランカアーユルヴェーダサロン by Akari Lippe」を経営しながら、「フェミニンインフルエンサーアカデミー」にてセルフケアの大切やライフスタイル改善について伝えています。
前編では、メイン事業であるアカデミーの内容と、併行して続けているサロンの運営について、またサロン経営をするうえで大切にしていることを教えていただきます。
教えてくれたのは…
アーユルヴェーダセラピスト アカリ・リッピ―さん
東洋医学「アーユルヴェーダ」の、体質を活かし潜在的魅力を引き出すケアに惹かれ、独学で学んだのち、英国アーユルヴェーダカレッジに入学。卒業後、アーユルヴェーダの本場スリランカに渡り修行。高級ホテルに勤務し、指名1位のセラピストとなる。帰国後、一万人の体質改善サポートを通して、アーユルヴェーダを日常で優しく取り入れる方法を構築。セルフケアを伝える「フェミニンインフルエンサーアカデミー」を開講する。開催するセミナーや講座は国内外で即満席。その効果の高さから、主婦から経営者まで幅広い層の支持を得ている。
Instagram:@akarilippe_ayurveda
アーユルヴェーダによるセルフケアを伝えるアカデミーが成功
――アカリさんは「フェミニンインフルエンサーアカデミー」にて、セルフケアについて伝えています。アカデミーを始めた経緯は?
アーユルヴェーダセラピストとして本場スリランカのサロンで活動後、帰国して自宅サロンで施術だけしていました。でも、お客様にとってはサロンに通わなくなることが理想なのに、セラピスト側としては来ていただかないと経営的に困る…。そんな共依存的な関係性に違和感を覚えるようになったんです。必要なのはセルフケアができるようになることなんじゃないかって。
私自身アーユルヴェーダに出会ってから、自分のメンテナンスとしてセルフケアを大切にしていました。だからやっぱり、セルフケアを伝えたいなと思ったんです。
――アカデミーの特徴や力を入れていることを教えてください。
一般的なアーユルヴェーダの教室というのは、ハーブの使い方だったり、インドやスリランカのアーユルヴェーダを学ぶところがほとんどです。でも私がアーユルヴェーダで一番感動したのが、日本の忙しい働く女性でもセルフケアとして取り入れられ、見た目だけでなくマインド面まで整うところでした。そういう深い部分で変われるところが、アーユルヴェーダのすごく好きなところなので、そこを伝えたいなと思ったんです。
だからまずは、「これだけすれば大丈夫」という、とにかく簡単で実践しやすいアーユルヴェーダの習慣をまとめてお伝えしています。あとはヨガ哲学やアーユルヴェーダ哲学といった考え方の部分を、私なりの言葉にかみ砕いてお伝えしているのも特徴的なところだと思います。
また体質にそった食事や生活の仕方というのも、受講生の方にはしっかりお伝えしています。コースによってはカウンセリングやコーチングに近い個別面談があり、その方の理想の状態に近づくまでの道のりを、オーダーメイドで提案しているんです。
――授業にくわえ個別面談もとなると、とても大変そうです。
個別面談があるプランとグループ面談だけのプランがあり、時間の限りもあるので面談付きプランはMAXで20名ほど。グループ面談だけのプランは際限なく受け入れられます。
グループ面談は授業後に、グループコンサルみたいなかたちで質問会を1時間ほどおこなっています。
授業が基本3時間なので、プラス面談1時間で、1コマ4時間。それ以外に、個別面談付きのプランの方とは、1人1時間、別途時間をとっています。だから個別面談が多すぎると大変ですね。でも私は執筆もしているので、一対一で話すのがとても大事なんです。
例えば表面的には「食べるのがやめられない」という悩みでも、一対一で話すと何故そうなったのかという部分が見えてくる。実は仕事で悩みがあったり、子どものことで悩んでいたり。そういう話が聞けることで、次の講座や執筆テーマの参考になったりするんです。だから、しばらくはこのスタイルで続けていく予定です。
――ご自宅でサロンを開いていたとのことですが、アカデミーと並行して続けていた理由は?
1つは、やっぱり技術を磨き続けるためには、施術し続けなきゃいけないというのは感じていたんですね。スリランカにいる間は、朝から晩までずっと施術三昧だったので、それをやめると技術が錆びてしまうなって。
お客様に会えば会うほど、いろんなケースの悩みを知ることができて、それを解決するためには技術を磨き続けないといけない。学び続けないといけないなというのが、続けていた理由です。
プロデュースという立場になった今は、セラピストさんたちにもっと経験を積んでもらいたいというのが大きいですね。
――現在、サロンはプロデュースというかたちにされたんですね。
はい。それまで私ひとりでサロンに立っていましたが、アカデミーの方が忙しくなってしまって、新規の方が取れなくなってしまったんです。だから長年のリピーターの方の施術だけで、ひっそりと続けていました。でもアカデミーの卒業生のなかにセラピストさんたちがいて、彼女たちになら任せられると思ったので、私はプロデュースという立場になることにしました。
――サロンへの関わり方は?
予約の日程調整などはオンライン秘書の方がしてくれるので、それをセラピストさんたちに連絡して、バランスを見ながらスケジュールを組んでいます。あとは施術後や合間に、お客様の様子やオイル選定の理由を聞いたりして、必要があればフィードバックを行っています。そういった技術面でのサポートと、経営面が主な関わりですね。
まだ昨年の11月からセラピストさんたちにお任せし始めたばかりなので、何かあったときに対応できるように、アカデミーの講座がある日にはサロンの施術は入れていません。でも今のところ問題なく移行できているので、施術当日はほとんど何もしていないんですけどね(笑)。
価格競争にならないためには、自己分析をし、与えられるものを知ること
――アカデミーやサロンの経営において、大切なことは何だと思いますか?
いろんな方がいらっしゃるので、自分のなかで価値観と優先順位を決めておくこと。つまり「イエスマンにならない」ということです。
セラピストって、お客様発信でこちらが動いてしまいがちなんですよね。お客様に「今度はこういうのが欲しいです」と言われて、「あ、作ります」という感じで。
でもお客様としてサロンやアカデミーに来ている以上、何をしたらいいのか自分でわかっていない方が大半なんです。だから、こちらが主導権をとってあげないといけない。常に俯瞰して見て、提案する姿勢を持っている必要があるんです。
そうなったときに、自分の価値観や優先順位が明確でないと、すごく揺さぶられてしまう。周りのセラピストと比べてしまったり、価格勝負になってしまったり…。
自分の価値がどこにあって、自分はどんな人の役に立てて、逆にどんな人にはお役に立てないのか。そこまで自己分析できていることが大切だと思います。
高価格帯でも予約がつきない、アカリさんが運営するアカデミーとサロン。その理由は、裏打ちされた実力と考え方、自己分析によるものなんですね。
後編ではアカデミーの運営について深掘り。ブランディングや集客の取り組みについてお聞きします。
取材・文:山本二季