2人で始めたからこそ小さくても抜群の推進力を発揮【リラクゼーションサロン RIRACO 内田 知沙斗さん・長崎 麻紀子さん】#1

美容業界で働く上で「独立」という目標を持つ人は多いはず。そんな方に向けて、独立して成功されている先輩オーナーの方々の経験談をお届けする本企画。

今回は、広尾で古民家をリフォームした隠れ家サロン「RIRACO」のオーナー、内田知沙斗さん・長崎麻紀子さんにインタビュー。「ご縁と勢いで始めた」というお店ですが、じつはサロン経営を成功に導くヒントがたくさん詰まっていました。

前編では、開店資金も事業計画書もないまま勢いで開業。タイプの異なる2人だからこそ上手くいったという、ゼロからの店づくりについてお聞きします。

出張サロンから一転、広尾に隠れ家サロンをつくった理由は?

リラクゼーションサロン「RIRACO」オーナー 内田 知沙斗さん(右)・長崎 麻紀子さん(左)
大手リラクゼーションサロンを経て、2016年に出張リラクゼーションサロンとしてRIRACOをスタート。2018年に広尾に一軒家プライベートサロンをオープン。現在は西新宿のレンタルサロンを含めて2店舗を運営

内田 知沙斗さん

セラピスト歴15年。タイ古式マッサージコース講座課程修了、ホリスティック漢方アロマ協会漢方アロマ実践トレーニング講座課程修了、HQCアドバイザー講座課程修了

長崎 麻紀子さん

セラピスト歴20年。インディバジャパン基礎講習課程修了、ファンクショナルカッピングメゾットビューティ部門講習修了、PABAピラティスマット指導資格 、骨盤底筋エクササイズpfilAtes 指導資格

──2人は大手リラクゼーションサロンで元同僚だったのですね?

内田さん(以下敬称略):はい、私が店長、長崎さんがマネージャーとして、長く同じ職場で働いていました。私が先に会社を辞めて、出張サロンを立ち上げるタイミングで一緒にやろうと誘ったのがきっかけですね。

長崎さん(以下敬称略):内田さんとは前職時代から本当に仲が良くて、セラピストとして大切にしていること、働くことに対しての価値観がとても似ているんです。だから、起業すると聞いてすぐに合流しました。

内田:私たち、性格が真逆なんです。私は表に出てしゃべったり人を集めたりするのが好きで、長崎さんは現場を支えて基礎を固めるのが得意。役割分担がはっきりしているのでケンカになることもないし、真逆だからこそ自分にできないところを補い合えるので、とても助かっています。

長崎:そうそう(笑)。お互いの長所短所をうまく補完し合える関係なので、まさにベストなビジネスパートナーですね。

代表を務める内田さん。
周りを巻き込むバイタリティにあふれ、
RIRACOのビジネス面を引っ張ります

──出張サロンから広尾の店舗に切り替えたのは、どんな背景から?

内田:出張サロンはお客様の仕事が終わった後の夜営業がメインだったので、想像以上に体がつらくなってしまったんです。そんな時に、仕事仲間から「広尾の古民家が空いたから、思い切ってお店を出したら?」って声を掛けてもらって。実際に行ってみたらすごく雰囲気がよくて、「ここでお店を出そう!」と一気に盛り上がりました。

長崎:もともと私が古民家でサロンをやりたくて、理想の外観や内装のイメージ図を描いて周りの人に話していたんです。話したら叶うっていう、まさに引き寄せのセオリーですよね。

内田:売り上げ目標とか事業計画とかは全然なくて、とにかくご縁つながりで周りの人に助けてもらいながら、勢いで開業した感じです。ただ、賃貸するとなると出費がかさむので、お店の中はほぼ自力でリノベーション。カーテンやクッションカバーは長崎さんのおばあちゃんに作ってもらいました。

長崎:こんなこともあろうかと、同じ業界の友人がお店を閉めた時に備品をもらってストックしていたので、それも再利用して。昨年、西新宿に2店舗目を出した時も、このストックを使いました。ごみ問題などの環境にも配慮したかったですし、正直なところ開業はお金がかかるので、現実的にならざるを得ないですね。

物腰柔らかで落ち着いた印象の長崎さん。
内田さんのアイデアを実現する実行役

お客様のさまざまなニーズにこたえるリラクゼーションコンサルタント

──RIRACOでは、東洋医学の発想を取り入れたメニューが人気だそうですね?

内田:健康的な生活を維持するには、東洋医学でいう未病予防、特に体を温めることが大切なんです。そこで、韓国のよもぎ蒸しをメニューに取り入れてみたら、冷え症が緩和するなど自分たちの悩みにいいことがたくさんあって。お客様にもおすすめしているうちに、「よもぎ蒸しといえばRIRACO」になっていきました。導入費用が安いのもポイントです(笑)。

長崎:私もずっと西洋医学と東洋医学の発想をバランスよく取り入れたいなと思っていました。また、健康的な体を維持するなら、体の内側と外側、両方のケアが必要。そこで、ピラティスやインディバ、カッピングについて学び、メニューに取り入れています。

内田:何が合うかは人それぞれだし、選ぶのはお客様なので、そのニーズにこたえられる選択肢をいかに用意するのかが私たちの役目。この発想を「リラクゼーションコンサルタント」って呼んでいて、店名であるRIRACOの由来でもあるんです。大人の体を育むサロンとして、お客様が自分の体を大事にする手助けをするのが、RIRACOの使命だと思っています。

RIRACO名物よもぎ蒸しのセット

役割分担を分けることで仕事もプライベートも充実

──開業するにあたり、集客の不安はありませんでしたか?

内田:SNSも活用していますが、インパクトが大きかったのは知り合いの紹介で始めた「リファーラルマーケティング」ですね。紹介でビジネスを広げていく手法なのですが、いいと思ってくれた人がまた他の人を紹介してくれるので、お客様の層が広がったし、大げさでなく、これがなかったら潰れていたかもしれません。

──出張サロン時代と比べ、働く環境はどう変化しましたか?

内田:日々いろいろなことが起きて紆余曲折ありますが、夜中に出張サロンをやっていた時のような、マイナスの感情は全くないですね。出張だとお客様に「大丈夫かな?」って思われることもあったので、店舗があることでお客様が安心して通ってくれるのもうれしいです。

長崎:前職時代もたくさん勉強させていただきましたが、自分たちでやっているとまた新しい学びを得ることがとても多いですね。

内田:今は施術をお任せできるフリーのスタッフをおいて、私は昨年で施術を卒業。主に営業活動とよもぎ蒸しの講座をやるなど、新しい試みも始めています。役割分担がより明確になったことで、ワークライフバランスも整うようになりました。

古民家をほぼ自分たちの手でリフォーム。
木のぬくもりを生かしたやさしい雰囲気の店内

RIRACO流、起業を成功に導く方法

周囲の人にやりたいことを日ごろから話しておくと、条件に合った「縁」を連れてきてくれることが多々あるそう。また、仲間同士で起業するといつの間にか溝が生まれてしまうことが多いので、思ったことはとことん話し合い、お互いの役割を尊重することも大事。

1. やりたいことを周囲に話し、つねにチャンスの種をまいておく

2. お互いの役割を明確にし、それぞれの領域に踏み込まない

3. お客様のニーズに合った選択肢を常に探しておく

▽後編はこちら▽
持続可能な経営を目指し、第2フェーズへステップアップ【リラクゼーションサロン RIRACO 内田 知沙斗さん・長崎 麻紀子さん】#2>>

取材・文/池田 泉
撮影/柴田大地(fort)

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Salon Data

RIRACO アロマ&ボディケア

住所:東京都渋谷区広尾5-3-11
TEL:03-5468-3770

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