叱られることは成長につながる。ポジティブな考えが新人時代突破のコツ「N°uairo川崎」末安明日香さん
美容室、ネイルサロン、マツエクサロンを業務委託などさまざまな形態で国内外に展開する企業「株式会社storage」。そんな企業が手がけるカラー特化型サロン「N°uairo川崎」でスタイリスト兼店長を務めているのが末安明日香さんです。
前編では、「storage」に入社した理由や新人時代の挫折などについて伺いました。カットが苦手だったという末安さん。先輩や企業のサポートのおかげで今では支持率NO.1の実力を身につけられたといいます。
後編では、集客のために意識したことや新人時代に取り組んでおくべきことなどについて伺います。自分の趣味を活かしたアニメキャラ・アイドルカラーが人気の末安さん。自分の趣味を出したスタイル提供やSNS発信が集客につながるといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「N°uairo川崎」スタイリスト
末安明日香さん
神奈川県出身。早稲田美容専門学校を卒業後、新卒で川崎市内のサロンに入社。その後、ワークライフバランスをとるため2017年、「storage」に転職する。現在は「N°uairo川崎」にてスタイリスト兼店長を務めている。韓国風スタイルやアニメカルチャーからインスパイアされたヘアデザイン、ハイトーンカラーを得意とし、サロン内でNO.1の支持率を誇る。
SNSで趣味をアピール!人柄を知ってもらうことが集客のカギ
――新人時代のモチベーションはどのように保っていましたか?
休日の推し活が仕事のモチベーションでした。私はアニメとアイドルが幅広く好きなのでイベントが多く、推し活にたくさんの費用がかかるんです。美容師の仕事をがんばるほど推し活の費用も増えるという考えを持つことで仕事、売上のモチベーションを維持していました。
――おもしろいですね。では、集客を上げるために工夫したことは何ですか。
SNSの発信を、自分の趣味を活かしたものにするようにしました。数えきれないほどいる美容師のなかから自分を選んでもらうためには、来店のきっかけを作ってあげることが大切だと思っています。私は趣味であるアニメとアイドルにインスパイアされたヘアスタイルをアップしたり、推し活の様子を発信したりして、人柄に興味を持ってもらうようにしました。
――人柄ですか。
はい。お客様からみて、担当する美容師がどんな美容師かわかっていればコミュニケーションもとりやすく、はじめての来店でも比較的緊張しないと思います。実際、私のお客様にはSNSをみて、自分と趣味が同じということで興味を持ってくださった方が多いです。
今以上に働きやすい職場を目指して店長へ就任
――現在、店長を務めているそうですが、キャリアアップのために取り組んでいたことはありますか?
それがないんです。そもそも私は「自分なんかが人を束ねることなんかできない」と思っていたので、店長など責任ある役職から逃げるように美容師人生を送ってきました。会社から店長のお誘いをいただいたときはすごく迷ったんです。
――覚悟が必要ですよね。それでも店長に就任しようと決めた理由は?
同じサロンのスタッフに今以上に働きやすいと感じてもらいたいからです。プライベートの充実など職場環境を理由に転職したり、挫折しそうになったりした経験があるので、他の人よりもスタッフの不満や疑問を理解して寄り添えると思います。過去の私のようにスタッフが苦しまず、モチベーションを持って働けることを目指して店長になることを決めました。
――スタッフ想いなのですね。すでに店長として取り組んでいることはありますか。
まずスタッフへのヒアリングを積極的に行っています。私がいちスタッフだったとき、自分の意見を会社に届けることが難しいと感じることがあったんです。そこで、スタッフに悩みや改善してほしいポイントをヒアリングし、会議などで上長に伝えるようにしています。
あとは投票箱をつくりました。毎月、自分以外で一番活躍したと思う人をサロンのスタッフ全員に投票してもらい、1位になった人には心ばかりのお礼を渡しています。このイベントはシンプルに楽しいという面もありますが、仕事のモチベーションにもつながるんです。
新人時代は叱られてもいい!失敗を重ねることが大切
――新人時代に意識しておくといいことを教えてください。
「叱られてもいい」という意識を持っておくといいかもしれません。新人時代はミスをしたときに周りのスタッフが叱ってくれますが、ある程度キャリアを積むとミスをしても何が悪かったのか教えてくれる人がいなくなるんです。「叱られることは成長につながる」とポジティブな考えを持っていれば、先輩の指導も愛情だとわかりますし、新人時代を乗り越えられます。失敗できるうちにたくさん失敗して、叱られて、キャリアを積んだときに失敗のないスタイリストを目指すのがいいです。
――振り返ってみて、新人時代の経験はどんな学びや糧になっていますか?
言葉遣いや接客の仕方について厳しく言われてきたことが現在に活きていると思います。学生時代は先生に勉強について指導はされても、よほどのことがない限り、言葉遣いなど生活の指導を受けることはないじゃないですか。言葉遣いや人との接し方は何が正しいか言われないと気づきにくいので、新人時代の矯正のおかげで不快にさせないスムーズな接客ができていると思います。
――具体的にどんなことを指導されましたか?
たくさんありますが印象的なものでいうと、鼻で笑ってしまう癖ですね。悪気がなくても接客のときにその笑い方をしたらお客様を勘違いさせてしまうから直したほうがいいと指導されました。
――最後に、これから美容師を目指す方にアドバイスをお願いします。
新人時代は覚えたり練習したりとやらなきゃいけないことが多く、不安や不満を感じやすいと思います。でも、働いていくうちに徐々に自由度が増していって仕事が楽しくなっていくはずです。めげずにがんばって、素敵な美容師を目指してもらいたいと思います。
末安さんがスタイリスト(店長)として成功した3つのポイント
1.趣味を活かしたスタイル提供とSNS発信で集客をした
2.店長として、さらに働きやすい環境づくりを目指した
3.新人時代の厳しい指導を活かしてスムーズな接客を実現させた
終始、包み込むようなやわらかい口調でインタビューに答えてくださった末安さん。転職などさまざまな経験をして、日ごろから他人に思いやりを持てているからこそ、お客様にもスタッフにも慕われる美容師、店長になれているのだと感じました。これから美容師を目指すひと、新人時代を過ごしている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
Salon Data
住所:神奈川県川崎市幸区中幸町3-32-4 アネックスプラザ4F
TEL:044-201-6840