【新卒薬剤師】自己PRで何を書けばいい?採用担当者に響く書き方と業種別アピール例
就職活動で必ず聞かれる「自己PR」。実務経験のない新卒薬剤師や薬学生の方にとって、「アピールできる経験がない」「強みがわからない」と悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。自己PRは「すごい実績」を披露する場ではなく、あなたの「人柄」や「仕事への姿勢」を伝えるための機会です。
この記事では、採用担当者の視点や、病院・薬局などの業種別に自己PRを作るヒントをご紹介します。自分らしい強みを見つけ、自信を持って伝えられるよう準備していきましょう。
新卒薬剤師の自己PRが重要な理由
なぜ、採用担当者はこれほどまでに自己PRを重視するのでしょうか。その背景にある意図を知ることで、どのような内容を書くべきかが自然と見えてきます。
採用担当者が知りたいのは「未来の活躍イメージ」
採用担当者が自己PRを読むとき、単に「学生時代に何をしたか」という過去の事実だけを知りたいわけではありません。そのエピソードを通して、「この人は入職後にどう活躍してくれそうか」という未来の姿を想像しようとしています。
具体的には、以下のようなポイントを見ています。
・職場の雰囲気に合いそうか(人柄・協調性)
・壁に直面したときの考え方・行動(課題解決への姿勢)
・指導を素直に受け止め、成長できるか(素直さ・吸収力)
・医療安全を意識した行動ができそうか(誠実さ・責任感)
特に新卒採用では、現時点のスキル完成度よりも、これからの伸びしろである「ポテンシャル」が評価されます。 特別な賞を取った経験などがなくても、「目の前の課題に真摯に向き合える人物だ」ということが伝われば、それは十分なアピールになるのです。
「自己PR」と「志望動機」の役割を整理しよう
エントリーシートを書く際、自己PRと志望動機の内容が混ざってしまうことはよくあります。この2つは役割を分けて考えると、より伝わりやすくなります。
項目 |
内容 |
|---|---|
自己PR |
「私は○○できる人です(強み) 自分の強みの提示(過去~現在) |
志望動機 |
「その強みを活かして、なぜここで働きたいか」 その場所を選んだ理由(未来) |
まずは自分の強みを明確にし、それがどう志望先に貢献できるかという流れを意識することで、採用担当者もあなたを採用するメリットを感じやすくなるはずです。
新卒薬剤師に求められる人物像と強みの見つけ方
薬剤師という専門職だからこそ求められる資質があります。ここを押さえておくことで、的外れなアピールを防ぎ、より響く自己PRを作ることができます。
薬剤師として重視される「誠実さ」と「対話力」
医療安全を担う薬剤師にとって、何よりも土台となるのは「誠実さ」や「責任感」です。
人の命に関わる仕事である以上、ミスをしてしまったときに隠さず報告できる正直さや、一つひとつの業務を正確に行おうとする姿勢は、どの職場でも最も高く評価されます。
近年、薬剤師には調剤・監査といった対物業務で医療安全を支えることに加え、服薬フォローなどを通じて患者さんへ継続的に関与する対人業務の重要性も高まっています。
そのため、「コミュニケーション能力」は単に話し上手であることではなく、患者さんの不安を丁寧にくみ取り、医師・看護師など多職種と必要な情報を適切に共有して連携できる力が求められます。
さらに、日々進化する薬物治療の知識をアップデートし続けられる「学習意欲」も、薬剤師として長く活躍するためには欠かせない要素といえるでしょう。
新卒ならではの武器は「素直さ」と「吸収力」
新卒採用では、即戦力としてのスキルよりも「素直さ」や「吸収力」が重視される傾向にあります。
経験豊富なベテラン薬剤師と比較して、知識や技術が足りないのは当然のことです。
無理に背伸びをする必要はありません。「指導されたことを素直に受け入れ、改善しようと努力できるか」「失敗しても落ち込むだけでなく、前向きに立ち直れるか」といった姿勢こそが、新卒ならではの強みになります。
自分では「当たり前」だと思っている行動の中に、こうした素直さや粘り強さが隠れていないか、一度振り返ってみてください。
自己PR作成前に振り返りたい「あなたの経験」

いきなり文章を書き始める前に、少しだけ過去の経験を振り返ってみましょう。素材集めがしっかりできていれば、説得力のある自己PRがスムーズに書けるようになります。
大学生活や実務実習の中にヒントがある
「アピールできるような特別なエピソードがない」と悩む方も多いですが、日常の中にこそ、あなたらしさは表れています。特に薬学生にとって、実務実習は自己PRの宝庫です。
例えば、実習中に指導薬剤師から褒められたことや、患者様との会話で心に残っていることはありませんか? あるいは、うまくいかずに失敗してしまった経験も、そこから何を学び、どう改善したかを語れば立派なアピールになります。
また、研究室での活動も振り返ってみましょう。実験が思うように進まないときの工夫や、地道な作業にどう取り組んだかは、仕事への姿勢に通じます。
アルバイトや部活動で継続して取り組んだこと、後輩への指導経験なども、あなたの責任感や対人スキルを裏付ける良い材料になるはずです。
応募先が求めている人物像を知る
どんなに素晴らしい強みを持っていても、相手が求めていないものであれば効果は半減してしまいます。
例えば、地域密着のかかりつけ薬局に対して「一人で黙々と研究に没頭するのが得意です」とアピールしても、「患者様との会話は大丈夫かな?」と不安を与えてしまうかもしれません。病院なら「チーム医療への貢献意欲」、ドラッグストアなら「お客様への提案力」など、それぞれの業種が大切にしている価値観は異なります。
応募先のホームページや「求める人材」の欄をよく読み、そこにフィットする自分の強みを選んで伝えることが、内定への近道です。
伝わる自己PRの書き方・基本の構成
自己PRをわかりやすく伝えるためには、話の順序がとても大切です。読み手がストレスなく理解できる「型」を意識して構成してみましょう。
「結論→根拠→展望」の3ステップで伝える
論理的で読みやすい文章にするためには、以下の3つのステップで構成するのがおすすめです。
①結論:私の強みは〇〇です
②根拠:その強みが発揮された具体的エピソード
③展望:入職後にどう活かすか
まず最初に、「私の強みは〇〇です」と結論をズバリと言い切ります。ここでキャッチフレーズのような表現を使うと、採用担当者の印象に残りやすくなります。
次に、その強みが発揮された具体的な場面(根拠)を説明します。「どのような課題があり、どう考え行動し、その結果どうなったか」というプロセスを書くと、説得力が増します。
そして最後に、「この強みを活かして、貴院(貴社)でこのように貢献したいです」という入職後の展望で結びます。これにより、採用担当者はあなたが職場で活躍する姿を具体的にイメージできるようになります。
経験が少なくても「思考のプロセス」を書けば評価される
輝かしい実績がなくても心配はいりません。大切なのは結果そのものではなく、そこに至るまでの「考え方」や「行動」です。
例えば、「実習で服薬指導を頑張りました」と事実だけを書くのではなく、「実習当初は患者様とうまく話せず悩みましたが、相手の表情を観察し、相槌を打つことを意識した結果、患者様から『話しやすかった』と言っていただけました」と書いてみてください。
このように、苦労した点や工夫した点を具体的に書くことで、あなたの課題解決能力や人柄がしっかりと伝わるようになります。
【場面別】履歴書と面接での使い分け
提出する媒体や場面によって、伝える内容の深さや長さを調整することも大切です。
■履歴書の場合
履歴書やエントリーシートは文字数指定がある場合が多いので、まずは指定に従いましょう。指定がなければ、目安として「結論→根拠→入職後の展望」が収まるように要諦を絞ると読みやすくなります。
■面接の場合
面接では、書類の内容をベースにしつつ、話し言葉で補足情報を加えます。
書類には書ききれなかった当時の感情や、具体的な会話の内容を盛り込むと、より臨場感が伝わります。
暗記した文章を棒読みするのではなく、相手の目を見て、自分の言葉で「伝える」意識を持つことが大切です。
30秒版(要点だけ)/1分版(エピソードを補足)の2パターンを用意しておくと安心です。1分版は、話す速さにもよりますが、250~300文字程度を目安にすると組み立てやすいでしょう。
【就業先別】自己PRの例文と構成のヒント

ここからは、就業先ごとの特徴に合わせた自己PRの考え方と、具体的な例文を紹介します。ご自身の経験に合わせてアレンジして活用してください。
病院薬剤師を志望する場合
病院では、医師や看護師など他職種との連携(チーム医療)や、専門的な知識の習得が重視されます。そのため、協調性や向上心をアピール軸にすると良いでしょう。
例えば、病院実習において看護師や医師への情報提供を行う際に意識したことや、研究室での共同研究でチームワークを発揮した経験などをエピソードとして盛り込みます。
【例文:病院志望】チームワークと主体性
私の強みは、チームのために自ら考え行動できる「主体的な協調性」です。病院での実務実習中、多職種連携の重要性を肌で感じましたが、実習生の私は当初、遠慮してしまい情報をうまく伝えられない場面がありました。そこで私は「まずは自分から挨拶と報告を徹底しよう」と決め、指導薬剤師の指示・同席のもとで、患者様の状況共有に必要な範囲を口頭で整理し、看護師の方へ情報提供の補助を行いました(個人情報の取り扱い・記録物の管理手順に従って対応しました)。その結果、看護師の方から「情報が早くて助かる」と声をかけていただけるようになり、チームの一員として認められる喜びを感じました。入職後も、この主体性を活かして多職種の方々と円滑に連携し、チーム医療に貢献したいと考えています。
調剤薬局を志望する場合
地域医療の担い手として、患者様一人ひとりに寄り添う姿勢やコミュニケーション能力が求められます。ここでは、傾聴力や相手の立場に立つ力をアピールするのが効果的です。
実務実習で患者様の訴えに耳を傾けて信頼関係を築いた経験や、接客のアルバイトでお客様のニーズを汲み取って対応した経験などが説得力を持ちます。
【例文:調剤薬局志望】傾聴力と信頼構築
私は、相手の話を丁寧に伺い、不安や疑問を確認しながら整理する「傾聴力」に自信があります。塾講師のアルバイトでは、生徒が質問しやすい雰囲気づくりを心掛けました。なかなか質問に来ない生徒に対しては、こちらから「どこか詰まっているところはない?」と声をかけたり、生徒の表情を見ながら説明のスピードを調整したりしました。その結果、生徒から「先生の説明はわかりやすい」と言ってもらえるようになり、信頼関係を築くことができました。貴社においても、患者様の小さな変化や不安に気づき、一人ひとりの状況に合わせて説明し、必要に応じて追加確認や相談につなげることで、安心して相談いただける薬剤師を目指したいです。
ドラッグストアを志望する場合
OTC医薬品や日用品も含めた幅広い提案力、そして店舗運営に関わるマネジメント視点も評価されます。明るい対応や提案力、視野の広さをアピールしてみましょう。
アルバイトでお客様にプラスアルファの提案をして喜ばれた経験や、後輩指導で店舗全体の動きを意識した経験などが活かせます。
【例文:ドラッグストア志望】提案力と向上心
私の強みは、相手のニーズを捉えた提案力です。飲食店でのアルバイトでは、お客様がメニュー選びに迷っている際に、ただ注文を待つのではなく、人気メニューや季節のおすすめを一言添えて提案するようにしていました。また、混雑時には周りのスタッフと声を掛け合い、スムーズに料理を提供できるよう協力して動きました。セルフメディケーションを支える現場で、この提案力と視野の広さを活かし、地域のお客様から安心して相談していただける存在になりたいと考えています。
企業・製薬関連を志望する場合
CRO(開発業務受託機関)や製薬企業では、論理的思考力、正確性、ストレス耐性などが重視される傾向にあります。粘り強さや計画性を軸にアピールすることをおすすめします。
研究活動で思うような結果が出ない中でも、仮説と検証を繰り返して成果を出した経験や、語学学習などを継続して行った実績などが評価されやすいでしょう。
【例文:企業・製薬志望】粘り強さと計画性
私の最大の武器は、困難な状況でも諦めずに目標達成に向けて努力する「粘り強さ」です。所属する研究室での実験では、なかなか想定通りのデータが出ず、原因が特定できない時期がありました。しかし、私は諦めることなく、実験手順を一つひとつ見直して記録を詳細に残し、教授や先輩に客観的な意見を求めながら改善を繰り返しました。地道な検証を続けた結果、卒業研究としてまとめるための重要なデータを得ることができました。新薬開発の現場においても、正確かつ粘り強く業務に取り組むことが求められると考えます。持ち前の計画性と粘り強さを活かして、一つひとつの業務を確実に遂行し、医療の発展に貢献したいと考えています。
自己PRを仕上げるための最終チェック
最後に、書き上げた自己PRが採用担当者に響く内容になっているか、客観的な視点でチェックしてみましょう。
抽象的な表現になっていないか
よくあるのが、「私にはコミュニケーション能力があります」とだけ書いて終わってしまうケースです。
これでは具体性がなく、説得力がありません。「誰と」「どのような場面で」「どう工夫したか」をセットで伝えるようにしましょう。
例えば、「初対面でも表情や反応を見ながら会話を組み立てられる傾聴力があります」といったように具体化すると、あなたの強みがより鮮明になります。
志望動機と混同していないか
「貴院の教育制度に魅力を感じました」というのは志望動機であり、自己PRではありません。
主語を「私」に戻し、「私は新しい知識を吸収することに貪欲です。そのため、貴院の教育制度を活用して早期に戦力になりたいです」と書き換えてみましょう。そうすれば、あなたの意欲的な姿勢をアピールする自己PRになります。
どの企業にも当てはまる内容になっていないか
当たり障りのない内容ばかりだと、「うちじゃなくてもいいのでは?」と思われてしまう可能性があります。
その企業が求めている人物像に関連するキーワードを意識的に盛り込み、その会社に向けたメッセージであることを伝えましょう。
面接官の視点で読み返してみる
自分が面接官になったつもりで、「この学生と一緒に働きたいと思えるか?」「入職後に活躍するイメージが湧くか?」「職場の雰囲気に合っているか?」と問いかけてみてください。
誤字脱字がないか、文体(です・ます調)が統一されているかといった基本的なマナーも、最後にしっかり確認しておきましょう。
あなたらしい自己PRで、納得のいく就職活動を
新卒薬剤師の就職活動において、自己PRは「あなたという薬剤師の卵」を伝えるための大切なツールです。
特別な実績がなくても大丈夫です。実習や学生生活で培った「誠実さ」や「学ぶ姿勢」、そして「誰かの役に立ちたい」という想いは、必ず医療現場で活きる強みとなります。焦って自分を大きく見せようとする必要はありません。
等身大の自分の良さを、具体的なエピソードと共に丁寧に伝えることで、きっとあなたに合った職場とのご縁がつながるはずです。あなたの就職活動が、納得のいくものになるよう応援しています。
薬剤師の仕事探しなら「ファーマキャリア」
自己PRを通じて自分の強みや進みたい方向性が見えてきたら、次はそれを最大限に発揮できる職場を見つけることが大切です。新卒・既卒を問わず、自分にぴったりの環境を一人で探し出すのは決して簡単ではありません。
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監修者
原瑞希
薬剤師専任キャリアアドバイザー
薬剤師免許保有
【経歴・実績】
・ドラッグストアチェーンにて薬剤師として3年間従事
・2024年度 新人賞(銀賞)受賞
【プロフィール】
元薬剤師として現場の空気感やストレスを肌感覚で理解しているため、悩みへの深い共感が可能です。
求人紹介だけでなく、入社後の教育体制まで徹底確認して提案。生活の変化を具体的にシミュレーションし、不安のない転職を支えます。
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