薬剤師は勝ち組?職場別の将来性や活躍し続けるために必要なことを紹介
薬剤師という仕事には、給与や働きやすさ、将来の安定性などさまざまな魅力があります。そのため、ときに「勝ち組」と表現されることもありますが、実際に薬剤師が勝ち組と言われる理由は何なのでしょうか。
そこで本記事では、薬剤師が勝ち組と言われる理由や、職場ごとの特徴や将来性、長く活躍するために必要なスキルや資格について紹介します。
薬剤師が勝ち組と言われる理由とは?
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薬剤師は「安定している職業」「将来性がある仕事」といったイメージを持たれやすく、いわゆる「勝ち組」と表現されることも少なくありません。その背景には、国家資格職としての専門性や社会的な需要の高さ、働き方の選択肢の広さなど、ほかの職種にはない特徴があります。
まずは、なぜ薬剤師がそのように評価されるのか、代表的な理由を見ていきましょう。
1. 給与が高く安定している
薬剤師は国家資格を必要とする専門職であり、他の一般的な職種と比べても給与水準が高めであるという特徴があります。
令和6年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収は約599.3万円で、同世代の平均給与と比較しても高い水準と言えるでしょう。
このような給与の高さの背景には、薬剤師が高度な専門知識を有し、医療現場での責任ある役割を担っていることが挙げられます。薬剤の適正な調剤や安全な服薬指導は、患者の健康に直結する重要な業務であり、医療提供体制の中でも欠かせない存在です。
そのため、薬剤師に対する社会的な需要が安定しており、長期的に高水準の給与が維持されやすい職種とされています。
また、薬剤師は国家資格保有者であることから、労働市場での競争力が高く、不況時であっても職を失いにくい安定性があります。医療・介護分野は高齢化社会の進行に伴って継続的な需要が予測されており、薬剤師という専門職の価値は今後も大きく変わらないと考えられるでしょう。
引用元
政府統計の総合窓口(e-Stat)|賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す
政府統計の総合窓口(e-Stat)|賃金構造基本統計調査 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
職業情報提供サイト(job tag)|薬剤師 - 職業詳細
2. 育児しながらでも働きやすい職場が多い
薬剤師は、医療系職種の中でも女性の割合が高い職業として知られています。厚生労働省の「令和4(2022)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、薬剤師全体に占める女性の割合は 61.6%となっており、女性が多数を占める職種であることがわかります。
女性薬剤師が多い背景もあり、薬局や病院、ドラッグストアなどの職場では、育児と仕事の両立に配慮した制度や働き方が整備されているケースが少なくありません。産前産後休業や育児休業の取得実績がある職場も多く、時短勤務やパート勤務など、ライフステージに合わせて勤務形態を調整しやすい点は大きな特徴です。
また、薬剤師の業務は全国各地に需要があるため、配偶者の転勤や家庭の事情による転居があっても、比較的仕事を見つけやすい傾向があります。これは子育て世帯にとって大きな安心材料となります。
引用元
厚生労働省|3 薬剤師
3. 需要が高く売り手市場
薬剤師は全国的に配置が必要な医療専門職であり、地域を問わず働き口がある点も「勝ち組」と言われる理由の一つです。特に賃金構造基本統計調査の都道府県別データを見ると、地域によって薬剤師の賃金水準に差があることが確認でき、都市部よりも地方の方が月収水準が高い地域が見られるという特徴があります。
たとえば、都道府県別の薬剤師の平均月収では、上位地域として 熊本・広島・山口・大分・新潟が挙げられますが、とくに1位の熊本は、東京よりも平均月収が12万1,000円も高いです。
このような傾向の背景には、地域による薬剤師数の偏在が考えられます。医療提供体制を維持するためには各地域に薬剤師が必要である一方、人口規模や立地条件などの影響により、人材確保が課題となる地域も。その結果、待遇面での条件提示に差が出るケースがあるようです。
また、薬局、病院、ドラッグストアなど勤務先の業態も多様であり、常勤・非常勤・派遣など働き方の幅も広い職種です。全国に就業先が存在するという点は、ライフスタイルの変化やキャリアの見直しが必要になった場合でも、次の職場を見つけやすい要因になります。
引用元
政府統計の総合窓口(e-Stat)|賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別 | ファイル | 統計データを探す
薬剤師は将来性のある仕事?
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薬剤師は医療提供体制を支える専門職であり、医薬品の適正使用を担う存在として社会的に重要な役割を果たす職業です。医療の高度化や高齢化の進行に伴い、薬物療法の管理や服薬支援の必要性は今後も続くと考えられており、薬剤師は将来にわたって需要が見込まれる職種の一つといえます。
ここからは、病院・調剤薬局・ドラッグストアといった職場別に、薬剤師の将来性について見ていきましょう。
1. 病院薬剤師
病院薬剤師は、入院患者や外来患者に対する薬物療法の管理を担い、医療チームの一員として専門性の高い業務を行う職種です。処方内容の確認や注射薬の無菌調製、高リスク薬の管理など、患者の治療に直結する役割を担っており、正確性と専門知識が強く求められます。
また、病院では医師や看護師、他職種と連携しながら治療方針に関わる場面もあり、チーム医療のなかで薬剤師の専門的視点が必要です。薬物療法は患者ごとの状態や既往歴、検査値、併用薬などを踏まえた総合的な判断が求められ、さらに患者や家族への説明、服薬状況の確認といった対人対応も含まれます。
このように専門知識とコミュニケーションの両方が必要とされる業務特性から、病院薬剤師の業務はAIに代替されにくいと考えられ、将来性があると言えるでしょう。
2. 調剤薬局の薬剤師
調剤薬局の薬剤師は、外来患者を中心に処方箋に基づいた調剤や服薬指導を行い、地域医療を支える身近な存在です。近年は業務の効率化や役割分担の見直しが進んでおり、調剤補助業務の一部を薬局事務が担う体制や、機器・システムの活用が広がっている薬局も見られます。
そのため、調剤業務の一部は今後さらに効率化が進む可能性があると考えられ、将来性に不安を感じる声が出ることもあります。
一方で、処方内容の妥当性確認や薬歴管理、患者ごとの服薬状況や副作用歴、生活背景を踏まえた指導などは、薬剤師の専門性が発揮される領域です。患者への説明や相談対応、医療機関との情報共有など、対人業務の重要性は高く、こうした分野についてはAIに代替されにくい業務も。
また、自宅で療養する患者への訪問や、多職種と連携した薬学的管理など、薬局薬剤師が担う役割は地域包括ケアの中で位置づけられています。こうした業務に積極的に関わることで、調剤薬局の薬剤師としての専門性を発揮し続けることが可能です。
3. ドラッグストアの薬剤師
ドラッグストアの薬剤師は、調剤業務だけでなく、一般用医薬品の販売やセルフメディケーションのサポートなど、多様な業務を担う職種です。店舗数の増加に伴い、地域の生活者にとって身近な存在としての需要は今後も高まることが予想されます。
ドラッグストアでは、年中無休や長時間勤務などの勤務条件がある場合もありますが、勤務形態は店舗によって柔軟性があり、パートやシフト勤務などの選択肢があることも魅力の一つです。
とくに地域密着型の店舗では、患者や顧客との対面コミュニケーションを通じた服薬指導や健康相談の機会が多く、薬剤師の専門性を活かせる場面が多い職場です。
こうした役割の広がりにより、ドラッグストアの薬剤師も地域に必要とされる職種として、今後も一定の需要を維持できると考えられます。
薬剤師として活躍し続けるために必要なこととは?
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薬剤師は将来性の高い職業ですが、安定して勝ち組であり続けるためには、ただ働くだけではなく戦略的なキャリア設計が重要です。
ここからは、薬剤師が将来も活躍できるために必要なことを整理しましょう。
1. キャリアプランを立てる
薬剤師として長く活躍するためには、まず自分自身のキャリアプランを明確にすることが重要です。どの分野で専門性を高めたいのか、将来的にどのような働き方を目指すのかを整理することで、必要なスキルや資格、経験が具体的に見えてくるでしょう。
現在のスキルや経験を棚卸しし、目標に対して足りない部分を把握することも欠かせません。そのうえで、必要な資格取得や研修への参加、あるいは将来的な転職も視野に入れながら具体的な計画を立てることで、日々の業務がキャリア形成につながる形になります。
2. 薬剤師としてのスキルを磨く
薬剤師として活躍し続けるためには、日々の業務を通じてスキルを磨き続けることが欠かせません。単に処方箋を調剤するだけでなく、患者の病歴や服薬状況、検査値を踏まえた適切な服薬指導や薬歴管理など、専門知識と判断力が求められる業務は多岐にわたります。
たとえば、自分が目指すキャリアプランに沿った認定資格や専門資格を取得することで、業務の幅が広がるだけでなく、他の薬剤師との差別化にもつながるでしょう。
救急認定薬剤師|日本臨床救急医学会
救急認定薬剤師は、日本臨床救急医学会が認定する専門資格で、救急医療の現場で必要とされる薬剤師の知識や技能を体系的に証明するものです。
取得にあたっては、救急医療に関する講習や研修への参加が必要であり、実務経験やケーススタディの提出など、一定の学習と経験が求められます。
こうした専門資格は、薬剤師としての専門性を客観的に示す手段であると同時に、自身のキャリアを発展させるうえでの武器となります。救急認定薬剤師を目指すことで、一般的な調剤業務だけでなく、より専門性の高い領域での活躍が可能となり、将来にわたって薬剤師としての価値を高めることができるでしょう。
引用元
JSEM | 救急専門・認定薬剤師について
JSEM | 救急専門・認定薬剤師 制度・規則/各種申請書式
JSEM | 日本臨床救急医学会 救急専門・認定薬剤師制度規則
JSEM | 認定講習会について
3. 業務の幅を広げる
専門分野に偏るだけでなく、業務の幅を広げることも重要です。たとえば、調剤や服薬指導に加えて、管理薬剤師として店舗や施設の運営に関わる経験を積むことで、経営的視点やスタッフマネジメントのスキルを身につけることができます。
業務の幅を広げることは、単にスキルアップにつながるだけでなく、変化する医療環境や職場の状況に柔軟に対応できる力を養うことにもつながるでしょう。新しい分野や課題に挑戦する姿勢を持つことで、どの職場でも必要とされる薬剤師として、長期的に活躍し続けることが可能になります。
4. 必要に応じて転職する
薬剤師としてキャリアを積むなかで、現在の職場だけでは希望する成長やスキルアップが難しい場合もあります。そのようなときには、より自分に合った環境への転職も有効です。転職によって、新たな業務経験を積んだり、専門分野に特化したスキルを身につけたりすることができ、キャリアの幅を広げることにつながるでしょう。
自分が目指す薬剤師像や働き方に近い職場に移ることで、専門性を発揮しやすく、モチベーションを維持しながら長く活躍することが可能です。
薬剤師は需要が高く将来性のある仕事
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薬剤師は給与水準が高く安定しており、育児と両立しやすい職場環境や全国的に高い需要を背景に、勝ち組と呼ばれることが多い職業です。病院や調剤薬局、ドラッグストアといった職場ごとの特徴や将来性を理解し、専門性や対人対応力を磨くことで、どの分野においても活躍できる可能性があります。
薬剤師として長期的に活躍し続けるためには、まず自分自身のキャリアプランを立て、必要なスキルや資格を明確にすることが大切です。さらに、業務の幅を広げたり、在宅医療や管理業務など新しい分野に挑戦することで、変化する医療環境にも柔軟に対応できるようになります。
現状の職場での成長に限界を感じた場合は、より自分に合った職場への転職を視野に入れることも有効です。
具体的な転職やキャリア形成の方法に迷う場合は、薬剤師専門エージェント「ファーマキャリア」にご相談ください。自分のスキルや経験を活かしながら、最適な職場を見つけるサポートをいたします。
監修者
この記事の監修者
森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞
【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績
【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。
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