「お客様を素敵にしたい」気持ちを原動力に、挑戦と成長を重ねる。それが自分なりのプロ意識【Lomalia 泉脇崇さん】#1

Lomalia(ロマリア)は、「乾かすだけでキマる髪」、つまり毎日簡単に素敵になれるヘアスタイルを提案してくれる美容室。表参道の旗艦店をはじめ、都内に複数の店舗を展開しています。代表の泉脇崇さんは、尽きない向上心と温かい人柄、そして確かな技術を持ち、お客様やスタッフから厚い信頼を得る美容師です。

前編では、泉脇さんが美容師を目指したきっかけや、カット技術を磨いた理由、自ら切り拓いたヘアメイクの道など、独立以前のエピソードをご紹介します。

お話を伺ったのは…

Lomalia

代表・美容師 泉脇崇さん

福井県理容美容専門学校卒業後、都内1店舗を経て表参道の人気店に入社。2013年3月、独立して表参道にLomaliaを立ち上げ、独自の技術理論でサロンワークを中心にTV・雑誌等で芸能人やモデルなどのヘアメイク、セミナー講師、審査員、サロンコンサルタント、商品開発など幅広く活動中。2018年にLomalia SHIBUYA、2021年にLomalia AOYAMA、2024年にLomalia HANARE、2025年にLomalia HILLSをオープン。2026年からeye事業もスタート。

インスタグラム

IZUWAKI’S PROFILE

お名前

泉脇崇

出身地

福井県

出身学校

福井県理容美容専門学校

ハマっていること

植物を育てること

仕事道具へのこだわり

手になじむまで長く大切に使い続けること

「どこから見ても美しい髪型」に感銘を受けて人気店に移籍

2店舗でトータル6年のアシスタント期間を経験した泉脇さん。「当時は普通だったけど、今思うと長いな…」と振り返ります。

——美容師の道に進んだきっかけは何ですか。

父親が美容室を営んでおり、その姿を見て育ったので自然な流れでした。本当は大学に行きたかったのですが、受験戦争から逃げたというのもあります。

——大学に行きたいと思っていたのは、何かやりたいことがあったから?

実は、ニュースキャスターかラッパーになりたかったんですよ。対極のような職業ですが、言葉で表現して届けるという意味では一緒で、どちらもすごく素敵だなと思っていたので。ニュースキャスターを目指すなら大学に行かなきゃいけないのかなと。

——大学ではなく美容専門学校に進み、学生生活や就職活動はいかがでしたか。

友達とたくさん遊んで、楽しく過ごしました(笑)。毎晩集まって麻雀したり、雪国だったので冬は学校帰りにスノボしに行ったり。

就活は表参道のとある有名店一択で受けたのですが、落ちてしまいました。でもとにかく上京したくて、美容師向けのリクルート誌で見つけた都内のサロンに就職したんです。

——そのお店にはどれくらい勤めたのですか。

1年半くらいかな。その時の店長にだいぶしごかれたのですが、すごく感謝しています。しごかれたと言っても全然理不尽ではなく、厳しさの奥に愛があると感じました。だからこそこちらも聞く耳を持てるんだなと、学びにもなりました。今その方はご自身の店をやられていて、ごくたまに会いに行くと温かく迎えてくれます。

——素敵な関係ですね。そこから次のサロンに移ったいきさつを教えてください。

田舎から東京に出て来たからには、日本一の激戦区である表参道で美容師として働きたいという強い思いと、ミーハー心がありました。憧れていたサロンの中途採用に挑戦したのですが、4、5回受けてもダメだったので、諦めてほかを探すことにしたんです。

いろいろな雑誌を見る中で、当時の人気店のヘアスタイルに感銘を受けたのがきっかけで、そこに入社しました。特に社長が作るスタイルはどこから見ても本当にキレイで、心にスッと入ってくるような美しいバランスだったんです。

——そこでのアシスタント時代に、力を入れていたことは何でしょうか。

レッスンが頻繁で休む暇もありませんでしたが、誰よりも練習をしたいと思っていました。夜中の2時、3時くらいまで店に残って自主練をしていた記憶があります。あとは、とにかくモデルハントを頑張りました。今のようにSNSで探せる時代ではなかったので、自分の足で街へ出てハントするのが当たり前。どれだけ自分で動くかが勝負でしたから。

「魅力を見つける」特技と、カット技術でお客様を素敵に!

「店のトップや先輩美容師の作るデザインが、下の子たちの指標となる。だからやっぱり素敵なものを見せ続けないと」と泉脇さん。

——スタイリストデビュー後、自分の強みだと感じたことは何でしょうか。

昔から、人のいいところを見つけるのが得意だったんですよ。だからお客様の魅力をすぐに見つけられるし、その人のことをより素敵にしたいと思う。そうすると練習も全然苦にならない。素敵にしたいという気持ちが一番大事ですよね。その気持ちがないと、美容師として続けていくのは厳しいと思います。

お客様を素敵にすることで対価をいただくわけですから、上手くならなきゃいけないのは当たり前じゃないですか。そこが、自分のプロフェッショナルとしての意識づけになっていた気がします。

——人のいいところをすぐに見つけられるって、すごいことですよね。

あえて見つけようと思っているわけではないんです。人って絶対に自分より秀でたもの、素敵なものを何かしら持っているんですよ。それに対するアンテナが敏感なのかもしれません。

——技術的には伸び途中の若い頃でも、きっと自然にお客様がつくだろうなと思います。

確かに、ある程度の売り上げまでは接客で伸ばせると思います。スタッフにもよく言うのですが、「清潔感ある人とない人、どっちに施術されたい?温かい人と冷たい人だったら?」と。答えは必然ですよね。もし接客に苦手意識があったとしても、まずは自分が「こっちの人にされたい」と思ったほうをちゃんと演じればいい。本当にシンプルなことなんです。

——技術面で力を入れたり、磨いたりしたことは何ですか。

カット技術ですね。最初の頃はたびたび先輩から仕事が遅いと言われ、ずっと反骨心を持って練習をしていました。何度も落とされた某サロンに対しても、いつか「あいつを入社させておけばよかった」って思わせようって(笑)。

——カットにこだわった理由は?

カットでデザインするというのは美容師にしかできないなと思ったからです。一般の人がセルフカットをすることもあると思いますが、やっぱりかなり差が出ると思うんですよ。

あとは、前社の社長が作るヘアスタイルに憧れを抱いたというのもひとつの理由です。本当にバランスがきれいだったので、自分もそういう理想のヘアスタイルを作りたいと思いました。

——先ほども、そのバランスに感銘を受けたとおっしゃっていましたね。

美容室で髪を切った時、鏡に映る姿に違和感を覚えたら、美しいバランスではないと思います。でも、例えば久しぶりにバッサリ切ったけど全然違和感がなく、むしろずっとこの髪型だったのではと思う瞬間があったら、それがバランスのいいヘアスタイルであり、似合っている証拠です。そのバランス感覚がすごく大事だと思っています。

その社長や先輩方の技術を通して、そういうヘアスタイルを日常的に見ることができたので、僕にとってとても貴重な経験でした。

サロン外でヘアメイクの仕事にチャレンジ。その理由とは?

ヘアメイクの仕事への挑戦は、「自分の可能性も、サロンの可能性も広がる」と感じたそう。

——前サロン時代のターニングポイントとなったできごとや、チャレンジしたことを教えてください。

僕の中で一番のチャレンジは、ヘアメイクとして外部の仕事に取り組んだことです。美容師としてヘアカタログなどの撮影はしていましたが、タレントさんなどのヘアメイクをするのは、そのサロンでは前例がありませんでした。

前社には一緒に働きたいと思う素敵な人たちがたくさんいたのですが、離職も多かったんですそれが残念でならず、「ヘアメイクもできる会社なんだ」「おもしろそうだから辞めないで頑張ってみようか」と感じてもらえるのでは…という思いもあって、新しい試みとして始めました。

——ヘアメイクを始める入り口は何だったのでしょうか。

お客様の中にある男性タレントがいらっしゃり、彼が大きな作品のメインキャストに合格したんです。それで取材時のヘアメイクをすることになり、次は写真集のヘアメイクもやらせてもらって。そこから広がり、他の方からも依頼が来るようになりました。

だから僕にはヘアメイクの師匠っていないんです。誰かに師事したりアシスタントについたりせず、全部、人づての紹介でしたね。今思えば、自分で開拓するのが結構好きだったのかもしれません。

——サロンワークやヘアメイクの仕事をしながら、店長も務めていましたよね。大変だったことや、工夫したことはありますか。

前社にはトータル12年ほど在籍し、店長を4年前後務めました。僕が店長になる前にブランド統合があったサロンなので、同じ会社だけど異なるカルチャーが存在している感じだったんです。元々のやり方も考え方も違う人が集まっているので、衝突もありました。

ひとつのサロンとして同じベクトルに向かわせるのが店長の仕事だと思い、毎日のように話し合って物事を決めていくというのを大切にしていましたね。大変さと同時に、まとめ上げる過程の楽しさもすごく感じました。

——ベクトルを合わせるためには、何が必要だったのでしょうか。

時代性かもしれませんが、当時はコンセプトがなかったんですよ。美容師として素敵なものや流行のものを作るというクリエイター魂が先行して、経営の指針や理念は後回しだったと思います。

僕は元来一途な性格なので、前社でずっと働きたいと思っていました。だから、「必ず繁盛させるので、僕にお店を作ってください」と社長に直談判したんです。コンセプトも何もかもイチから決めたほうが、みんなで同じベクトルを向けるはずなので。

——社長の判断は…?

話し合うから少し待ってということでしたが、そこから全然返答がなくて。これは僕の覚悟が足りなくて伝わらなかったんだと思い、もう一度話をさせてもらいました。今度は「自分が半分出資するので」と提案したのですが、また返事をもらえず…。

結局、3度目のミーティングで退社の意思を伝えました。それで独立して立ち上げたのがLomaliaです。


次回の後編では、Lomaliaのコンセプトに込めた思いや、「長く、一生涯おつきあいできるお客様と出会える場所」としてのサロン作りのこだわりを中心にお聞きします。

撮影/高嶋佳代
取材・文/井上菜々子


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Lomalia OMOTESANDO
住所:東京都渋谷区神宮前6-11-1 2F・3F
TEL:03-6427-5970

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