テーマ予想・動画撮影・ブラッシュアップ。スタイリング試験を落ち着いて乗り越えた秘訣「PEEK-A-BOO AVEDA GINZA SIX」小林颯さん

1977年に創業し、現在は都内を中心に美容室を8店舗展開している「PEEK-A-BOO」。ブランドが長年培ってきた技術は非常に高く、業界トップクラスといわれるほど定評のあるサロンです。

その銀座店でスタイリストを務めているのが、入社4年目の小林さんです。前編では美容師になったきっかけやサロン選びについてお話をお聞きしました。

後編では、小林さんが実際に受けた面接とスタイリング試験について伺います。採用試験のためにコンテストに挑戦していたという小林さん。上位成績を残したことで自己アピールに活用ができたうえに、美容師としての自信も身につけられたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「PEEK-A-BOO AVEDA GINZA SIX」スタイリスト

小林颯さん

埼玉県出身。国際文化理容美容専門学校を卒業後、「PEEK-A-BOO」に入社。現在4年目、「PEEK-A-BOO AVEDA GINZA SIX」でスタイリストを務める。

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コンテストで獲得した自信と実績で面接を有利に

――面接ではどのようなことを意識していましたか。

明るく答えることを心掛けていました。とくに意識するべきは、自信を持って答えられなかったり、わからなかったりする質問をされたとき。不安そうに答えてしまうと現場の雰囲気が暗くなってしまうので、誤った回答でも明るく元気に発言したほうがいいと思います。

――面接のために、事前に取り組んだことは？

コンテストに挑戦しました。その背景としては、就職活動では専門学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」を聞かれるだろうと考えていたからです。実際、カットに関するコンテストでは予選大会で上位の成績を獲得。その後、出場予定だった全国大会はコロナの影響で中止になってしまいましたが、採用試験でのアピールにも活用できましたし、経験自体が自信につながりました。

入念な準備が生んだ、落ち着きのあるスタイリング試験

――スタイリング試験についても教えてください。

スタイリング試験では、当日に応募者それぞれに出されたテーマをもとにウィッグと持参した道具を使ってスタイリングを行います。明確な審査基準はわかりませんが、おそらく道具の使い方やタイム、仕上がりの質などが見られていたのではないかと思います。

――テーマが当日までわからなかったそうですが、何か対策はしていきましたか？

事前にテーマをいくつか予想して、そのテーマごとにどのようなスタイルを作るかを決めて挑みました。さまざまなヘアスタイルの同級生や友人に協力してもらい、最終的な仕上がりをブラッシュアップしたことを覚えています。練習する際は動画を撮影して、道具の使い方や姿勢の美しさもチェックしていましたね。

また、「PEEK-A-BOO」のウィッグを使って本番を想定した練習にも取り組んでいました。そのような準備のおかげで、当日は肩の力を抜いてスムーズに仕上げることができました。

――採用が決まったときの心境は？

採用は試験から約2週間後に書類で届きました。当日は終電ごろまでバイトをしていたのですが、休憩中に一緒に応募した友人から「内定通知が届いた」と連絡がきて。ソワソワしながら働いていましたね。内定だとわかったときはとてもうれしくて、これからがんばるぞと気合いも入りました。

就活が美容師キャリアの方向性を教えてくれた

――入社してみて、どのようなことを感じましたか？

事前にサロンワークに参加できる機会を設けてくださっていたので、入社時には現場の雰囲気もわかっていましたし、先輩とも親しくなれていたので不安なく仕事をスタートできました。

印象的だったのは、学生と社会人のギャップです。先輩はみなさん言葉遣いや気遣いがしっかりしていて責任感もある。学生の自分との差をとても感じて、精神的に疲れてしまうことは多かったです。

――小林さんは就職活動でどのようなものが得られましたか。

漠然ではありますが、自分が歩むべき美容師のキャリアの方向性がわかったと思います。就活という機会があったことで、僕は「技術力が高い美容師になりたい」という理想像を見つけることができました。これはサロン選びだけでなく、これから先の美容師人生であらゆる選択をする際にも役立つと思っています。

また、「PEEK-A-BOO」の内定を獲得するためコンテストに挑戦したり、スタイリング練習に取り組んだりしたように、目標を達成するためには逆算して行動することが大切だということを知れたと感じています。

――最後に、これから美容師を目指す人へのアドバイスをお願いします。

SNSが主流になったいまの時代、情報があふれ過ぎていてサロン選びに迷いやすいと思います。ですから、SNSや求人サイトで情報をただ眺めて考えるのではなく、サロン見学など行動を起こしてみて自分の身体で情報を知る、確かめることが大切ではないかと。先輩や学校の先生に聞くといった小さなアクションでも新たな発見があると思います。応援しています！

小林さんが就職活動を成功させた3つのポイント

1.自分の理想像に合ったサロンを選んだ

2.外部コンテストに参加し、実績と自信を獲得した

3.本番に近い状況で練習を重ねて、スタイリング試験に臨んだ

憧れの「PEEK-A-BOO」に入社するためコンスタントに努力を重ねてきた小林さん。お話を聞くなかで、理想の美容師像を作るなど目標を明確にし、それから逆算して行動することの大切さを感じました。これから就職活動に臨む方はぜひ参考にしてみてくださいね。