多くの人が抱える悩みに着目して共感されるアカウント作りを【「Men's salon fifth 渋谷」店長 数野勇人さん】#2

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

今回は、「Men's salon fifth 渋谷」で店長兼スタイリストを務める数野勇人さんにインタビュー! 「fifth」のSNSチームのアドバイスをもとに、Instagramからの集客を成功させた数野さん。今回はそんな数野さんに、SNSに取り組むときに大切なポイントや学生が取り組むと良いSNSの活用術について教えてもらいました。

お話を伺ったのは…

「Men's salon fifth 渋谷」店長 数野勇人さん

都内のサロンを経て、fifthに転職。6年目になる今年の1月に店長に就任。質感×シルエット重視の外国人風スペインカールが人気で、その再現性はトップクラスの腕前と評判。

インスタグラム@fifth_kazuno_yuto

発信するテーマが世界観を確立させる

数野さんの得意とする「スペインカール」スタイル。

――SNSに着手するときに、押さえておくべきポイントを教えてください。

SNSに取り組む目的は何であれ、世界観を確立しておくことが必要です。そのためには、まず自分が発信したいテーマを決めておくこと。就活にしろ、集客にしろ、アカウントを見たときに「どんな人なのか」「何をウリにしている」のか、いまいちわからないとフォローしたり、応援したいと思いにくいですよね。発信したいテーマがあって、初めてその人の世界観ができあがっていくものだと思います。

僕自身もスペインカールのスタイルを打ち出すことを決めてから、その世界観を伝えるために発信していた結果、注目してもらえるアカウントに成長して現在の集客にもつながっています。

――確かに、発信テーマが明確であるとフォローしやすそうです。

そうなんです。fifthで内定が決まった方のSNSを見ると、出場したコンテストや獲得した賞、さらには日々の練習の様子など、その人が何に取り組んできたかがわかりやすく並べられていて。就活のためにしっかり考えてSNSを動かしてきたことが伝わってくる方ばかりなんです。

――独自の世界観はどうしたら確立できますか?

自分でゼロからスタイルを考えて投稿することが難しい人は、時間をかけて自分の中にたくさん引き出しを作ることをおすすめします。

「かっこよい」「可愛い」「おもしろい」などのレパートリーが多いほど、自分のつくりたいスタイルを生み出し、それが世界観の確立にもつながります。時間がある学生のうちにいろいろなものに触れる経験をしてみると良いです。

ただ、自分が発信したいテーマであってもあまり多数派ではないテーマだと共感が得られにくいです。たくさんのフォロワー数を獲得するには、一般受けをねらうことが必要です。

多くの人が抱えている悩みが大きな共感を呼ぶテーマになり得る

売上に直結したという投稿がこちら。その要因について数野さんは、「自分が届けたい層を明確にして焦点を合わせることが大切です」。

――たくさんの方に見てもらうテーマの考え方とは?

意外と周りの人の意見や悩みが、テーマや近道になることもあります。

僕の場合、「前髪が割れてしまう」とか「後頭部が絶壁」とか「ボリュームが出にくい」などの悩みを聞いて、一般的な髪悩みに対してフィットする技術を、と考えついたのが「スペインカール」だったのです。今まで聞いてきた悩みをカバーできる技術があれば、一定の共感が得られるのだと思います。

どうしても自分が打ち出したいテーマが少数派だという人でも、まずは共感が得られるテーマから始めてみること。一から少数派のテーマで始めるより、ある程度フォロワーが定着してからの方が圧倒的に受け入れられやすいはずです。

集客して売上に直結することが目的になると思うので、やりたいことだけをやれるわけではないのかなと。どうしたら伸びる投稿ができるのか、たくさんの人に見てもらえるのかを考えないと、結果はついてこないですから。

――多くの人の意見や悩みに寄り添うことが近道になるのですね。

テーマのもと、投稿していればクオリティも上がってきます。そこで初めて、周囲との差別化が図れるようになるので、学生のうちに数をこなしておくと良いと思います。

フォロワーは「量」と「質」の両方を追求して

――ずばり、フォロワーは多い方が良いのでしょうか?

一概に良いとは言えないのが正直なところですが…1万人と1000人の両者が同じような技術を打ち出して「施術をお願いしたいのはどちらですか?」となったとき、フォロワー数が多い方がお願いしやすいと思うんです。ところが、1万人のフォロワーがいるからといって、来店人数に必ずしも反映されているとは限りません。

フォロワー数は多いに越したことはないですが、それよりも重要なのが「質」だと考えています。ただ闇雲に数を増やすのではなく、自分が届けたい人に伝えることを目指して、質にも注目して取り組んでいけると良いと思います。

――目に見える数字だけではなく質にも注意するべきだと。
投稿する際に、気をつけた方が良いことを教えてください。

やっぱり第一印象が肝心ですから、アカウントのイメージにそぐわない投稿や、テーマから逸脱した投稿は避けるべき。美容なら美容の投稿を、プライベートならプライベートの投稿を、アカウントごとにわけても良いと思います。

就活に向けて取り組んでいるのなら、なおさら、サロン関係者は意外と細部までチェックしているので、少しでも世界観を壊しかねない要素に関しては慎重になった方が良いでしょう。

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

美容学生がSNSを始めるときのポイントまとめ

1.自分が発信したいテーマをしっかりと決めて世界観を確立する

2.いろいろな作品や経験に触れて表現の幅を広げる

3.自分よりも周囲のニーズに寄り添ったテーマ展開を心がける


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Men's salon fifth 渋谷
住所:東京都渋谷区神宮前5-35-18 1F
TEL:03-6427-1265

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